購入価格 ¥過去に数十万
一部では「ローディーの聖地」とまで呼ばれている東京の「なるしまフレンド」。ほぼ全ての店員さんがレース参加者で、しかも上位入賞者も多いことで有名。前回の「おきなわ」では優勝者も出した。「フレンド」はfriendではなくfrendと書く。以前は原宿店(ロード系)・千駄ヶ谷店(ランドナー・ツーリング系パーツが多かった)・立川店の三つがあったが、最近、原宿店と千駄ヶ谷店が統合され「神宮店」としてリニューアルしたと聞いたので、買物に行ってみた。
わかりやすい最寄り駅は地下鉄銀座線・外苑前駅。出口3に出て、青山ベルコモンズを目指せばよい。その後、「キラー通り」(英名・Killer Avenue - 通り魔殺人でもあったのか?)に入り、神宮前三丁目交差点へと向かう。なるしまフレンドのホームページには「東京メトロ銀座線外苑前駅から徒歩約7分」とあるが、自転車の乗り過ぎで足腰が弱っていると10分はかかる。ちなみに、地下鉄外苑前駅構内の地図には「なるしまフレンド」の名前がある。これは、有名だと自動的に載るのだろうか。それともお金を払ったのだろうか。
ブリヂストンアンカーのショールームを通り過ぎるとなるしまフレンドに着く。右斜め前にはスペシャライズドのコンセプトストアもあるので、アンカーファン・スペシャファンにはたまらないロケーションであろう。お店は下の写真のような感じ。いや〜、立派になりました。以前も清潔感のあるオシャレな店舗だったが、さらに立派になった感じ。写真の手前には階段がもう一つあり、そこをちょっとだけ登ると中庭があり、自転車を駐輪できる。カギは必須だが買物中に愛車を盗まれることはまずないだろう。
店内は以前と違い、フレーム・完成車・パーツ・ウェア・メカニックピットがワンフロアに統合された。しかし敷地面積が広いので、手狭になった感じはしない。陳列してあるパーツの量も原宿店時代より少し増えた感じがする。置いてあるものも、使い勝手の良い、店員さんオススメと思われる厳選商品が多い。たとえばバーテープの末端処理用の絶縁ビニールテープ等も売っている。わかっているな、という感じだ。ピットは広々としていて作業性が良さそうなのが一目瞭然だ。あの場所で組まれる自転車やホイールならきっと良いものになるだろうと思わされる。良いメカニックスペースのある店は、ほとんどの場合、良い店であることが多い。
お店のシステムとして、よくあることだが、以前は現金払いかクレジットカード払いかで割引率が違っていた。現在では現金払いの場合のみ会員カードにポイントを貯めてくれるサービスになった。カード払いの場合はポイントはつかない。このあたり、不便な印象は拭えないが、仕方がないのでなるしまフレンドで大物を買う場合は現金を持っていったほうが良いだろう。以前、一時的にクレジットカードを受け付けていない時期もあったが、現在は主なものが使えるようではある。
このお店のすごいところは、やはり店員さんだ。東京の他の自転車プロショップとは格が違う。
何がすごいのか?
店員さんは、やたらとペコペコと頭を下げたりはしない。ヘンな愛想笑いもしない。商品を眺めている時に、どうでもいいことを話しかけて来たりはしない。返答に困るような社交辞令を口にするわけでもない。
しかし、「○○はありますか?」とか、「これとこれはどう違うんですか?」と聞くと、非常に正確な答えが返ってくる。その場で答えられないことでも、すぐにカウンターの奥にある資料を手に取って調べてくれる。しかも、客を長々と待たせたりはしない。彼等自身が非常に忙しいから、時間を無駄に費やしたりはしない。適当なことは言わないし、高慢でも高圧的でもなく、かといってヘンに「お客様は神様です」みたいなへりくだった態度を取るわけでもない。ブスっとしているわけでもない。普通にフレンドリーだ。
そんな「なるしまフレンド」が私は好きだ。
時々、妙に馴れ馴れしい喋り方で「○○ちゃん、このサドル、ランスも使ってんだからさー、やっぱいいもんじゃね?」みたいなことを言う中年サイクリストに絡まれて、店員さんが困っているのを見かけることがある。そういうのは、「なるしまフレンド」的な光景ではないので、自然と目立ってしまう。
店員も、客も、お互いにきちんとした人間として、相手を認めあい、敬意を払っていることが感じられる店、なるしまフレンド。名店の名に偽りなし。東京に「なるしま」あり!
道路の反対側から見たなるしまフレンド
価格評価→★★★☆☆ でもちょっと高いぜ!
評 価→★★★★★