購入価格 $4.20/10個 @ Wheelbuilder.com
現在発売されているDT Swissのファクトリービルトホイールは大抵このニップルを使って組まれているらしいです。ぱっと見は普通のアルミニップルと変わらないのですが、工夫が施してあります。アルミニップルを使った手組の経験があり、かつ勘の鋭い方は写真の示す重量を見て、アレ?と思われたことでしょう。そう、ちょっとだけ重いんです。手元にあるSapimの2.0mm径14mmのアルミニップルは22gでした。
なぜ5g違うのかというと、まず頭の形が異なります。
左が通常のニップルで右がプロロックヘキサゴナル。名前が示す通り5.5mmの六角です。通常のニップル回しでも締められるようにレンチフラットも設けてありますが、これはリムに開けられた穴から専用レンチを差し込んで締める内蔵ニップルの亜種ですね。使用するレンチはDTの専用品(スチール製で格好良いT字レンチ。高い!)か、先日レビューしたPark ToolsのSW-15C。色付きのアルミニップルはニップル回しをあてがうと簡単に傷が入ってしまうし、レンチフラットが薄いので舐めやすいというデメリットがあります。この問題を回避するために頭を六角にしてしまった、というわけです。しかしタイアを装着したままの状態で振取りも出来るように、従来通りのレンチフラットも残してリムから露出するように作ってあります。六角部分の最後端まで律儀にネジを切ってあるため、全長とスレッド部の長さは実質14mmニップルと同等ですが、スポーク長を計算する際は12mmニップルとして扱います。アルミの他にもブラスがカタログに掲載されているんですが、売っているのをみたことがない…色はブラックとレッド2種で2.0mmのみ、シルバーはなしというのがちょっと残念。
それともう一つ、このニップルには仕掛けがあります。予めスレッド部に緩み止めが塗られています。だから"プロロック"なんですね(ヘッドが六角になっているものの他にも通常の丸いヘッドのプロロックニップルも存在します。緩み止めは別途レビューしたスポークフリーズではなく、テフロン系のものっぽい)。使用感は上々で、レンチをリム側から差し込むのでディープリムを使って組む際には特に便利だと感じます。このニップルでなければならない理由はありませんが、スポークプレップを塗って乾かす手間が省けるのはやっぱり楽だし露出する部分にレンチを当てずに組めるから仕上がりも綺麗です。一度組み上がってしまえばあとは通常のDT12ミリニップルと同じです。75個程注文したのですが、変形していたり加工が不完全なものが混じっているというようなことはありませんでした。
価格評価→★★☆☆☆(普通のアルミニップルの3倍近いですからね…)
評 価→★★★★☆(ブラス並みとまではいかないけれど、組みやすい)
カタログ重量→ -- g(実測重量 27g/64pcs=1個@0.42g)