購入価格 ¥2,430
デザイン面においても機能面においても、独創的な製品を数多く生み出しているクランク・ブラザーズ社。そのクランク・ブラザーズが放つロックオンタイプのグリップもまた、優れて独創的な逸品でした。
【ラバー】
ロックリング部分を含むグリップ全長は130mmで、ODI RUFFIANと同じ長さです。グリップ素材は高密度フォームラバーとありますが、いわゆるスポンジ系のラバーで、無類の柔らかさを実現しています。スポンジ系グリップには根強いファンも多いようですが、ロックオンタイプではほとんど見かけないように思われましたので、このcobaltの登場はスポンジ派には朗報かもしれません。
握った感じは、RUFFIANより明らかに太く、PDWのスピードメタル・グリップと同じぐらいの太さです。つまり、かなり太くかなり柔らかいグリップという位置づけでよいかと思います。各メーカーのグリップ(レビューのリンクは下記)を比較してみますと・・・・・・、
===================================
unauthorized Full Throttle:細い、柔らかい
ODI RUFFIAN:太い、硬い
PDW Speed Metal:かなり太い、柔らかい
crank brothers cobalt:かなり太い、かなり柔らかい
===================================
といったところでしょうか。実際に走行してみても、予想通り。衝撃吸収性が高くて、思わずニマーです(笑)。
【ロックリング】
T10のトルクス(工具は付属しません)で固定するロックリングは、グリップ末端の窪みに嵌めこむ構造(画像参照)で、樹脂部分のみがハンドルと接することになるので、どこのメーカーよりもハンドルに優しいロックオングリップと言えるのではないでしょうか。グリップに特許出願中とありますが、おそらくこの構造に対してのものだと思われます。
滑りやすいカーボンハンドルに装着してみましたが、固定力にも問題はありません。また、ODI RUFFIANなどでは、樹脂製の突起とロックリングの溝を嵌め合わせるので、ものによってはガタが出てしまうこともあったのですが、このcobaltでは構造上そのようなトラブルも発生しないはずです。ただ、ロックリングが非常に薄く作られているので、耐久性の面では不安が残ります。
【その他】
このグリップはかなり軽量な部類に入ると思います。グリップの素材、コンパクトなロックリングのお陰で、実測66gをたたき出しています。Speed Metalが144g、RUFFIANが99g、Full Throttleが95g(いずれも実測)ですから、圧倒的な軽さと言ってもよいでしょう。
さらに、肉厚と肉薄両方のハンドルに対応できるように、ロゴがあしらわれたバーエンドキャップが2種類付属しています。なかなか良心的で感心させられました。
なお、リプレイス用のグリップが手に入るのかについては未確認です。また、耐久性についても今後の検証が必要です。
ロックオングリップという、一見創意工夫の余地が限られているように思われる製品においても、市場の空白――スポンジ素材とハンドルを傷めないロックリング、さらには軽量性――を狙った形で、独創的なものづくりを貫き通したクランク・ブラザーズ社には感服させられました。
unauthorized Full Throttle、ODI RUFFIAN、PDW Speed Metalのレビューは下記リンクをご参照ください。
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=3818&forum=12#forumpost11858https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=7274&forum=12#forumpost12342https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=5709&forum=12#forumpost12958価格評価→★★★☆☆ 妥当なところ。
評 価→★★★★★ メーカーの熱意が感じられる。
年 式→2010
カタログ重量→65g
実測重量→66g