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阿蘇北外輪山ミルクロードとは、名前の通り阿蘇外輪山の北側の淵を半周する酪農用農道である。
全長は意外と長く、なんと46㎞もあったりします。
2019年秋の初め頃に端から端まで走行してみたのでレビューしてみたいと思います。
前半は国道57号線と熊本県道339号線(369号線じゃないのね…)が交差する『ミルクロード入口交差点』からのヒルクライムです。阿蘇外輪山はとにかく横に長いので標高が低いように錯覚しますが、実は標高950mもあります。
高低差が大きいので気合い入れて上りましょう!!
~スペック~
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ミルクロード入口交差点から
二重峠(ふたえのとうげ)まで
距離 9.1[km]
標高差 477.7[m]
平均勾配 5.2[%]
電波塔(真の頂上)まで
距離 13.7[km]
標高差 781.4[m]
平均勾配 5.7[%]
ミルクロード入口交差点の標高 159.8[m]
二重峠の標高 637.5[m]
電波塔の標高 941.2[m]
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熊本まで輪行の場合は阿蘇熊本空港又は九州新幹線からの豊肥本線乗り換えの肥後大津駅下車が便利。
熊本空港に降りた場合は滑走路の下をくぐるトンネルを抜けて肥後大津駅方面へ向かうと国道57号との立体交差に当たるのでここで降りて右折。
JR肥後大津駅からは輪行を解除して走り出せばすぐに国道57号に入れます。
あとは阿蘇外輪山に向かって走っていればミルクロード入口交差点に辿り着きます。
交差点名の標識はしっかり出ていますし、 HOTEL AZ 熊本大津店と道の駅 大津(からいもの里) を目印にすると更に分かりやすいかと思います。
ここがスタートになります。
スタート直後から早速ヒルクライム開始。
こんな感じの坂を淡々と上る。
上り切ったら信号を右折。
さらに進んでもう1回右折。
何度か交差点に遭遇しますが、ミルクロード本線を進みたければ県道339号線をキープしていれば大丈夫。
ただこの区間、個人的には好きではない。
道が狭い山道なのに交通量がとても多いのだ。
この区間は大分と熊本を結ぶ物流の大動脈であった国道57号線が熊本地震で寸断された後に迂回路に指定された道。そのため大型車の往来が大変多いのだが、工業団地から二重峠までの傾斜の強いヒルクライム&ワインディング区間は大型車と自転車が混在しながら多数往来できるような道幅が無い。相性は最悪だ。
その結果、我々自転車乗り目線で見れば、巻き込み幅寄せ排ガス攻撃と、何でもありのデスロードと化している。
実際、何度も大型車に幅寄せされ、2~3回追い込まれて茂みに突っ込んだ。傾斜より排ガスと幅寄せの方がつらい。正直もう二度と走りたくない。
2020年に二重峠の真下を通るトンネルが開通するまで現状況が続くと見込まれますのでご留意下さい。
一本北側にミルクロードと並行して走る熊本県道23号菊池赤水線という道があるので、国道57号が復活するまではこちらを走った方が賢明かもしれない。頂上はミルクロードと同じ二重峠の交差点ですし、迂回すると本田技研(ニ輪)の本拠地内にあるテストコースをチラっとだけ見物できたりもするのでオススメです。姿は見えなくても、実験車両のただ事ではない排気音は聴き放題w
ミルクロード本線
迂回路の一例。
さて、デスロードも終盤、景色が開け阿蘇らしい草原が見えてくると二重峠だ。
こちらは峠の交差点を過ぎてすぐのところ。
クルマの交通の多くはここを右折して阿蘇市方面へ降りていくので、ミルクロードを直進する自転車乗り目線では一気に走りやすくなる。
ちなみに、クルマの行き先は坂を下った先にある国道57号線だ。
だが、上り坂はここで終わりではない。
外輪山の上に出るまであと300m程高度を上げることになる。
二重峠の交差点を直進してすぐの所に豊後街道の古い石畳があるので少し寄り道。
自転車は通れないがこんな古道があるのだ。
なんでも、参勤交代の道になっていたらしい。言うなれば、江戸時代版熊本東京キャノンボールのメインルートという訳だ。距離は陸路でざっくり1,200㎞。PBPとほぼ同じだ。って書いたら誰かやる人いるのだろうか。
さて、冗談はこの辺にして再び走り出すと、道はさらに斜度を増し再び森の中に入っていく。
やっと峠を越えた後に展望の無い結構な斜度の坂がそれなりに続くので結構つらい。大型車が来るとデスロードのトラウマが蘇るが、この辺りまで来るとのんびりと牛乳を運ぶタンクローリーが多い印象があるので遭遇しても割と安心できる気がする。観光のクルマやツーリング中のモーターサイクルは至ってフレンドリーだ。
森が切れると絶景区間突入。
振り返れば熊本の平野部や二重峠の近くにある風車、右側にはカルデラ中央の火山群が見える。(写真中央の噴火中の山が中岳。)
この電波塔が見えてくれば標高的にはほぼ頂上。実際の頂上はこの次の電波塔の場所だ。
ここから先の後半はお楽しみ区間。
細かいアップダウンはあるが標高はほとんど変わらない。
電波塔から少し先に進むと最初に遭遇するのは、かの有名なラピュタの道の入り口だ。
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=7176&forum=124しかし、2019年時点では閉鎖中。
状況報告写真だけ押えて先に進む。
かぶと岩展望台に到着。
かぶと岩近辺はこの先にある大観峰より人が少なめなのでゆっくり景色を楽しめる。
カルデラの内側は断崖絶壁。
阿蘇市の街並みと火を噴く中岳。
どこのファンタジー世界ですかこれw
カルデラの外側は懐かしの Windows XP の壁紙のような景色が広がっている。
向かいのピッグフルークカフェで軽食も楽しめる。
かぶと岩を後にし、次の交差点まで進んだら、県道45号&12号へスイッチして右折。
相変わらず草原地帯は続く。
国道212号との交差点を過ぎると、北外輪山最高峰(と言っても北外輪山はどこを取っても殆ど同じ高さですが)の大観峰に到着。
観光客でごった返してます。
とりあえず腹ごしらえ。
景色や雰囲気は個人的にかぶと岩の方が好きなのですが、北外輪山で旨いものが一番集まっているのは間違いなくここです(笑)
赤牛うまうま。
そういえば書き忘れてましたが、ミルクロードにコンビニは無いのでこういった観光スポットが補給場所になります。
さて再出発し、県道45号の突き当りまで走ります。
ここを右折し、県道11号やまなみハイウェイへ重複区間へ。
重複区間を1.5㎞進んだところにちょっと分かりにくい交差点があります。
ここを左折後1.9㎞進んでヒゴタイロードとの丁字路分岐を右折。
ここまで来ると交通の往来は殆どありません。
もしかしたら迷い込んだ観光客や、牛乳輸送のタンクローリーや大型のトラクターに遭遇するかもしれない、という程度。
道なりにまっすぐ国道57号にぶつかるまでこの景色をほぼ独り占めです。
私 「あ、牛や。写真撮ろ。」
牛1 「なんやあれ」
牛2 「なんやあれ」
牛3 「なんやあれ」
以下略
牛を見るサイクリストに注がれる牛達の目線。
警戒しているというよりは、見慣れぬ恰好で現れた人間を何となく眺めているという様相。
牛の尾が地面を叩くぽふぽふ音だけが聞こえる。
そーいやさっき牛串食ったな...。
なんとも微妙な空気(笑)
ちなみに赤牛黒牛ホルスタインが居ますよ。
そして、国道57号に到達。
ここまでがミルクロードです。
左折すると大分方面、右折すると阿蘇市方面になります。
また、ちょっと道が分かりにくいですが、外輪山の稜線を伝って箱石峠へ抜ける道もあります。
~まとめ~
上りは地獄、上りきれば楽園。西に行くほど交通量が少なく気持ちいい。
ファンタジー世界のサイクリングロード。
価格評価→★★★★★(通行無料)
評 価→★★★★★(外輪山の上の区間の評価。デスロードは文句なしの☆×5です。)