9月18日(土)の話。
未明にクルマを走らせ7時過ぎには長野県はJR小海線の八千穂駅に到着。町営無料駐車場にクルマを停めて体をほぐし、2度目の朝食と水をゆっくり1リットルほど飲みます。
北八ヶ岳付近は、山歩きでは訪れていますが、麦草峠への登坂は実に22年ぶりです。R299の東側と西側からの2ルートがありますが、東側の登坂は初めて。どちらから上っても、距離が十分で、楽しめます。
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=704c241e14a2855dac5687c58cdd351d8時前には出発。
駅からR141に出てすぐに右折すると、いきなり登坂開始。ここから距離で25km、1350mを登坂するのですが、ボトル1本で上れるかな?先ほど大量の水を飲んで腹が膨れているので、何とかなるでしょう。すぐに現れた電光掲示板の気温表示は21℃を示しています。暑くなりそうな予感が。ん~、ウインドブレイカーとハンディタイツを持ってきたのは失敗だったか?
標高1200m辺りから道路脇の樹林が充実してきて日陰が多くなってきます。いい感じ。この道路、メルヘン街道なんていう愛称がついているのですが、いつからそんな名前になったのかな?
Deuter SpeedLite10のショルダーに乗せた携帯ラジオでNHK第一を聴いていると、1974年のヒットナンバーCarol DouglasのDoctor's Ordersが流れてきました。中学1年の時のヤツ。懐かしい。ケイデンス63付近で上っていたのですが、偶然、曲とシンクロしてるじゃないか。好きな曲が突然流れてくるのは、至福。こういう感覚は音楽プレイヤーでは経験できないですね。
まだ早い時間なので、交通量も非常に少なく、実に静かなイイ感じの道が続きます。20インチクリンチャーの音がわずかに聞こえます。1400、1500、1600と標高表示が100mずつ刻まれていくのが心地よい。途中、沢に架かる橋から景色を眺める初老の男性とあいさつしました。その後しばらくすると、右カーブでゆっくり抜いていく土浦ナンバーのクルマが。助手席の窓が開いていて、先ほどの男性が、頑張れよー!と手を振ってくれました。こちらはまだまだ元気だったので、「あ、どーもぉ~!」と。
1800m手前あたりで佐久穂町から小海町に入ります。
そして2127m、R299の麦草峠に到着。さっそく山小屋の麦草ヒュッテに立ち寄り本日一回目の昼食。番台の中年男性が言うには、
「えー、今日のお薦めはトマトカレー、です」
というわけでトマトカレーをたのみました。
「どちらから上ってきたの?」
「八千穂駅からです」
「じゃーこれから下って戻るってわけだ」
「茅野まで下って、また昼過ぎに上ってきますよ」
「ほぉ~、そりゃ凄いわ」
「自転車できたのが22年ぶりなんで、この際、2度上ろうかなってとこです」
「最近、自転車が増えたよねぇ。ええーっと、今日も一人、自転車のお客さんが泊るよ」
「自転車で泊る人もいるんですか、へぇ~」
「うん、ここには日大出身の競輪選手のグループが合宿に来たりもするし。朝昼午後とトレーニングして、夜は勉強会って感じだな」
「そりゃ高地トレーニングですね」
50代後半位(だったかな?)と思われる番台の男性と喋っていると、玄関前に駐輪した私の自転車を見て何やらお喋りしている人たちが。行ってみると、麦草ヒュッテの女性スタッフの方と登山のご夫婦らが、デカくて変な私の小径車を囲んで何やら話しています。
「小さいタイヤでここまで来れるんだぁ~」
「これからどちらまで?」
「これってハンドメイドですか?」
等など話しているうちに、
「カレー出来たよ」
の声が。
この840円のカレーが全く予想外の美味さ。ん~、腹が減っていたからかも?昔ここで食った山菜ラーメンが、ただのインスタントラーメンに山菜を追加投入した代物だった(500円)のですが、随分美味い物を出してくれるようになったもんだ。で、カレーを食っていたら体が冷えてきました。ここは標高2100mオーバー。
水を多めに飲んで、さらにボトルに水を入れてもらい、
「それじゃ、また午後来ます」
と言ってウインドブレイカーを着て下ります。自転車が多くなったとはいえ、まだ時間が早いためか、自分以外に自転車は走っていません。
多少、荒れた路面。
下る途中、ホムセンで売っているようなサス付きの重そうな小径車の男性とすれ違いました。あれで上まで行くつもりなのか?スゴいチャレンジャーだ。
下るにつれて着々と気温が上がってきます。途中でウインドブレイカーを脱いで、さらに慎重に下って、JR中央本線の茅野駅に辿りつきました。
駅の標高が790m。さて、ここから再び1350mほどを獲得します。行かないと八千穂駅に置いたクルマに戻れないぞ。
(つづく)
評 価→★★★★★