購入価格 ¥3483(税込み)/1本(Y's)
本当に不本意なのだ。
今までウエア類やジョーク記事ばかり書いてきたのにまさかこの「稀代の貧脚」を誇っている私が!パーツのレビューを書くなんて!
と、言うわけでタイヤを「ZAFFIRO 25C」から変えたのだ。
実はZAFFIROには不満は殆どなかった。
長野で結構な雨の中下りで50キロ以上出してもグリップは全く失わなかったし、いくら走りこんでもトレッドパターンは削れる素振りすら見せなかった。
しかし手はやっぱり痺れるし、お尻も痛くなるし振動は確実に拾っていたので新しい(高級な)タイヤを冬にでも買うつもりだったがY'sで旧モデル(EVO2)とはいえ半額。元々購入候補だったので前倒しで買ってしまったのだ。
実はタイヤの交換どころかパンクすら一度もなかったのでうまくできるかは不安だった。
まぁ、丁寧に噛みこみとか見ていけば大丈夫だろうと思いながら特に予習とかもせずにタイヤを外す。
まずは裏面を比較してみようか。
左がOPEN PAVE、右がZAFFIROだ。
この通りZAFFIROは見事なまでにゴム。100%ファインゴムとでも言うべき、デュラムセモリナだったらパスタだし、モルトだったらドイツでもビールと認められるレベルで混ざりっけがない。
ソレに対してPAVE、内側から見るとゴムが見えないといいますか革ベルトのよう。
触り心地はなめらかでもしかしたらこれがチューブとの摩擦を防いで乗り心地の向上につながっているのかもしれない。
まぁ高級なタイヤを使っている人にはごく普通の話なのかもだがママチャリとZAFFIROしか使ったことがないので感動したって話で。
持った感じもZAFFIROより軽量。コレは楽しみだ。
装着してみた。これが新品タイヤの装着か…(中古も装着したことなかったんだけど)
堅いね…うん…堅いよ…
床に水たまりを作りつつもなんとか装着。
元々パーツの色を問わない白いフレームなので違和感はない。
明るいグリーンのラインにいかにもプロユースっぽい高級感あふれるラベルは見ているだけで戦闘意欲が増す事請け合いだ。
もっとも私はレースに出る予定は全く無いので戦闘意欲のやり場に困るが。
早速乗ってみた。
ZAFFIROと比べるためにチューブは同一のもの。空気圧も8BARに揃えた。
乗り出したった1分もしない内に理解できた。
「これが本当のこの自転車の乗り心地なのか!」
そう。ZAFFIROだと振動しまくった家の近所の「粒の粗い舗装路」
PAVEだととっても手に優しい振動に変化しているのだ。
むしろ振動というより路面情報をカタカタと伝えてくる。後に引かない振動と言うか、最初のインパクトも抑えられているがその後続くゴムを弾いたような振動とは無縁。
今までは厚手のバーテープにパッド入りグローブでも減衰せずに伝わってきていたイヤンな感じが無くなってるのだ。
そしてさらに驚くことに巡航速度が向上した。
ハンドリングは僅かにクイックになったイメージだが、それはタイヤ幅がちょっと細くなった上「カーブでも速度を落とさなくても曲がりきれる安心感」から来ているのは明確だ。スピードに乗せたまま多少路面状況が悪いくらいなら今までより数段突っ込めるし倒し込める。つまりむしろ良化した状態だ。勿論ハンドルがブレることもない。ここはフレームとの相性もあるかもしれないが。
更に上り坂でもスピードが上がった。高級タイヤでは重い方のPAVEだがZAFFIROに比べたら軽い軽い!普段フロントインナーに落とす坂もアウターでやり過ごせた。
平地巡航も転がりがよく信号以外でゆっくり流していても25キロを割ることは無かった。
そして不本意なのだ。
普段は欠点を少しでも、それこそ重箱の隅をつつくように書かないと気がすまないのに見つけられないのだ。
この購入価格なら買わずにはいられないレベル。普段使いでもこの値段なら気にならないし、最近自転車を始めて手に伝わる振動を改善したい人にも強力におすすめできる。
定価は流石に高いがそれでもこの性能ならなんとかしてお金用意します。
路面状況が悪い山間部でのロングライドやヒルクライムも楽しくなりそう。
軽さはもっと軽量なタイヤもあるのでクリテリウムなどタイムを競うのは譲るが、今のシーズンならどんなフレームでも休日が待ち遠しくなりそうなタイヤだ。
正直、気にいるというより、惚れた。次も買うだろうし、おそらく5年後も使っていそう。それくらいいいタイヤだ。
価格評価→★★★★★(←定価でも★×3)
評 価→★★★★★(←もっと上げてもいい)
<オプション>
年 式→1世代前(現行はEVO3)
カタログ重量→ 240g(実測重量 250g)