UNILOCKS tate AG-70 多関節ロック
購入価格 ¥3045
快適なサイクルライフを満喫するためには、優れた自転車よりも、むしろ優れた用品が重要だと思う。
温度変化に対応して快適性を保つウエア類はもちろん、
街乗りならライトや鍵の使い勝手で自転車の便利さが大きく左右される。
この鍵も、自転車環境を豊かにしてくれる傑作のひとつ。
多関節は重い。を覆すコンパクトな軽量多関節ロックである。
http://tate.unilocks.jp/スポーツサイクルで最も一般的な鍵はワイヤー錠だと思う。
安価で軽量、鍵もかけやすいと使い勝手はいいのだが、鍵の強度に一抹の不安がある。
人目に付く場所に停めたり、複数の鍵をかけることである程度の防犯性は見込めるが、
ボルトクリッパーを携えてやってくる自転車誘拐犯の毒牙にかかれば1分足らずで持っていかれる。
そこで多関節ロック。九節鞭よろしく鋼鉄のプレートをつないだ鍵である。
自転車で使える実用的な鍵としては、U字ロックと並んで最強クラス。
ワイヤー錠には及ばないもののある程度自由な形状をとれるし、
持ち歩けるサイズのハンドツールで切断するのは容易ではない。
もちろんディスクグラインダーなどの電動工具を使ったり、トーチで焼ききったりすれば切断は可能だが、
そこまでする連中はトラックでやってきて、パーツ外したりフレーム切断して持っていくから鍵を強化したところでどうしようもない。
さてその多関節。欠点があって、重い。
例えばABUSのBORDOは1kg。
軽量化でコストがかかった自転車を守るのために重い鍵を使うとは本末転倒。
また、アーレンキー1本でパーツは取り放題だから、正直ここまでの強度はいらなかったりする。
前置きが長くなりすぎた。
そんなわけで、φ12mmとφ10mmのワイヤー錠2本で施錠するスタイルでやってきたんだけど、
持ち歩けるサイズのボルトクリッパーで鍵を切断されて持っていかれないくらいの鍵はつけておきたい、
と思っているうちに見つけたのがこのAG-70。
ポケットに入る小型軽量の多関節ロック。まさに求めていた一品。
日ごろよく行く自転車屋で見つけたので即座に購入。
(この店、10万円までの安いスポーツ車が中心で、特に安いわけでも、特に腕がいいわけでも無いが、何故か欲しい物が置いてある。
以前もレース直前に11-25Tの9sカセットが必要になり、自転車屋を探しまわって最後に寄ったら置いてあったりした。)
カラーバリエーションは現在4種類とカラフル。
縞パンカラーの青白に若干心惹かれたが、
鍵の防犯性能は実際の強度よりむしろ、切断困難に見えることだと思っているので、
威嚇的な警戒カラーである赤黒を選択。
しまp…青白も買いたかったが、カラーバリエーション複数個購入はある意味尊敬する某レビュワー氏の専売特許と思い踏みとどまった。
キーが大きいのが気になるが、鍵本体は手のひらサイズで重量も318g。
φ12mm、700mmのワイヤー錠、GLOCK ナイトビジョン
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=4863&forum=90が312gだったので、重量の重さは気にならない。
また、側面から見ると緩いカーブを描いていて、ポケットに入れてもゴツゴツしにくい。良く考えられている。
ストラップホールもついている。
多関節部分は浸炭焼入れしたプレートに樹脂コーティング。
プレートを肉抜きすることで軽量化に貢献している。
肝心の強度が犠牲になるが、ハンドツールでの破壊を想定するならばこれで十分。
樹脂コーティングのおかげで関節は適度に渋く、また軽いこともあって、鍵がフレームを殴打する事故は起こりづらいと思う。
展開時の鍵のサイズは、
真っ直ぐ伸ばして28cm程度
丸くすると内径20cm弱。
4面ディンプルをうたっているがシリンダー内部を覗くとピンが生えているのは2面。
鍵は裏表なく刺せるので4面にディンプルが掘ってある。
ディンプルキーはピッキングに強いし、2面で十分かな。
キーは3本付属するが、1本600円(追加200円/本)でスペアキー注文可能。
しかも即日発送らしい。3本ともキーをなくす事態は稀だとは思うが(本来ならキーが1本しか無くなった時点で使用を中止すべき)、
こういうサービス体制が整っているのは心強い。
なお、専用ポーチが付属するが、
台紙の間に挟まっているので捨てないように注意。
ポーチ自体は薄いナイロン製でオマケ程度のもの。
価格評価→★★★★★ もっと高くてもいいと思った数少ない製品。
評 価→★★★★★
年 式→2010
カタログ重量→ 330g(実測重量 318g(キー除く))
激しく余談であるが、文章を書いて、写真も撮って、さあアップロードしようと思ったら
僅差でmascagni氏に先を越されていた。悔しい…