購入価格 ¥4800(外税@アマゾン)
J SPORTS Broadcasting
クラシックの女王、北の地獄などと称されるパリ=ルーベ。
その過酷さについては文章で読んだり写真で見たりはしていたが、ちゃんと映像で見たことがなかったので、買ってみた。
このビデオはすごい!!
うまく取れずに落ちるボトル、振動するライダーのヘルメットと肩、落車するライダーたち、落車するモト・マヴィック、幅2メートル程しかないパヴェ両脇にびっしり並んでブーイングを飛ばし、闘牛さながらに旗をひらめかせて妨害する観客たち。そんな観客たちに幻惑されたのか、コーナーで曲がりきれず落車するフースホフト、巻き込まれるポッツァート。先頭集団のボーネンもまさかの落車。落車したボーネンの復活を紳士的に待つ集団。
まるでローマ時代の見せ物か、北斗の拳の世界である。
最悪の259kmコースを平均時速41km/h台で疾走するライダーたちの姿を、オートバイ後部座席のカメラマンが命がけのローアングルで撮影する。砂塵が巻き上がるパヴェがド迫力で後方に流れていき、ガタガタと身体を上下に揺らしつつ突進するライダーたちの姿が映し出される。
落車・パンクは当たり前。体力あって当たり前。運もなければ勝てないレース。パヴェでは観客が目の前を横断する。凹凸の激しいパヴェ中央部を避けて左右の路肩を走れば、狂った観客が真隣に。落車した選手は、いつもなら簡単に外せるはずの後輪がどうにも外せない。冷静さを失いパニックになっている。駆け付けたメカニックが一瞬でホイールを交換し、茫然自失の状態でバイクにまたがる選手の背中を押す・・・
歴史と伝統のあるレースだけあって、地域社会と密接に結びついた、レースというよりほとんどお祭りに近い感さえある一大サイクル・スペクタクル。ポタリング的なサイクリングの対極にある自転車の存在様態。
他にもおもしろいロードレースの映像はたくさんあるのかもしれないが、この一本はたぶん間違いなく傑作と言えるのではないだろうか。
自転車競技に興味関心がない人には、長丁場のグランツールを見せるより、こうしたワンデーレースを見せたほうがわかりやすいような気がする。このPARIS-ROUBAIX 2009はサイクルロードレースのエッセンスがつまっている。ぜひオススメしたい。
価格評価→★★★★★
評 価→★★★★★
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年 式→2009