[ROAD] BMC Road Racer SL01 2008モデル
購入価格 ¥130,000@国内物
コンポ:シマノ105 ホイール:Fulcrum Racing7 タイヤ:MICHELIN PRO3 Race
乗り手はヘビー級の踏み込むタイプ。スチールフレームからの乗り換えです。1000km程乗った後のレビューになります。
[ルックス] このフレームの一番の売りである特徴的なシートラグ(SCC)にまず目がいきます。非常に凝った造りをしています。 また塗装も非常に綺麗で、見るからに塗膜が厚くホワイトの部分はまるで陶器のような質感です。(代理店に聞いたところ5層塗装だそうです) 値段を考えれば造りと仕上げはかなり頑張っていますし、見飽きないフレームです。 また隣に上級フレームの自転車があってもさほど見劣りしないという、ありがたい?メリットもあります。
[ハンドリング] 極低速では少し落ち着きが無くてちょっと左右に振られますが、 速度を上げるにつれてどんどん安定してきます。意外に高速志向。 コーナーでは初期旋回で切れ込む感じがありオーバーステア傾向です。 最初は自分の感覚より曲がりすぎて「おっとっと」という事もありましたが、慣れてしまえば問題無いレベルです。 むしろコーナー進入で頑張り過ぎず、早めに曲げて早めに加速するという走りに自然と矯正されていく感じになります。
[剛性感] 全体の印象はかなり剛性高く感じますが、フレームに一度パワーを溜めて、 一拍おいてから推進力に変換しているような独特のしなり感があります。 具体的には、ペダルをクルクル回している時にクランク上死点のタイミングで自転車が進んでいるような感覚。 このしなりを利用して、やや重めのギアでしなるリズムに合わせて踏み込んでいくと面白いようにギュンギュン加速していきます。 反面初期反応性はやや鈍く感じますが、中速域からの加速性能はそれを補って余りある程です。 フレームに対してフォーク剛性がちょっと足りない気がしますが、フォークを換えればこのしなり感も薄まってしまうと思われます。 どちらかといえばダンシングよりシッティングを好む特性です。
[振動吸収性] アルミ+カーボンバックとしてはかなり良好です。路面の凸凹はフォークと細めのシートステイで上手く丸めてくれます。 路面からの大きな入力に対してはSCCが機能しているのか、ドンッと一発で収まります。 ギャップでクランクがはじかれる事も無いので、荒れた路面でも気にせず踏んで行けます。 もっと乗り心地の良いのフレームもありますが、とりあえずレースにも使える機材として考えると丁度良い妥協点だと思います。
[総評] BMCのラインナップの中では初級~中級向けに当たるSL01ですが、これがどうして上級グレードにも負けないポテンシャルを秘めています。 とにかくライダーを疲れさせない。余計なストレスを与えない。つまりそれだけライディングに集中できるし練習も多くできる。 200km走った翌日もケロッとして走りに行ける。それでいて基本性能はしっかりしているので パーツのグレードを上げていけば十分レース使用にも耐えられる。 上級グレードのスペックダウン版ではなく、初級者向けには何が必要かを BMCというメーカーが真面目に考えて手抜き無く作られたのがこのSL01だと思います。 疲れない自転車が欲しいけどスタイリッシュなのがいい、という方にもオススメです。
[その他(アフターケア)] 塗装剥離のトラブルで日本代理店を介してスイス本国BMCに確認してもらったところ、 中一日で本国メール添付で返事が帰ってきました。代理店もBMCもキチンとしてます。
※後日SCCにクラックが発見されたため、このSL01は回収され本国送りに…。 保障期間内だったためエクストラチャージで'09SLX01に変更となりました。そちらのレビューは乗り込んでからレポートします。
価格評価→★★★★☆(内容を考えれば安価) 評 価→★★★★★(見て良し乗って良しホントに初級グレード?) <オプション> 年 式→2008 カタログ重量→ 1560g(52サイズ)
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