SHIMANO XT ST-M770
レビュー賞頂いたので、せっかくですから追加レビューをします。
シフターの存在が無に近づく……と前レビューには書きましたが、さらに体になじんだ結果は「無」になります。 シフターという存在感が消えて、乗っているときはほぼ100%、ブレーキレバーだけになるのです。 で、「シフトダウン(アップ)しよう」と思った瞬間には手が動いていて「シフ……」くらいのところで操作を終え、 また瞬時にブレーキレバーだけの存在になっている、という感じ。
これは、XTとXTR固有のインスタントリリースによるレバー操作始めでシフターが動くことと、それからクランク、 スプロケ、RDもXTに交換した総合的な剛性アップによるものかもしれませんが、とにかくスパッと変速が終了します。
走り出すと両手はハンドルの把持とブレーキ操作に専念できるというか、それしか意識していません。 これは凄いことです。 舗装路でもタイヤの抵抗もあってロードに比べてはるかに変速頻度の高いMTBなればこそ、 意識が変速にかかずり合わねばならない時間のこの短さは圧巻です。 だから、操作感がどうたら言われても、ラピッドやグリップシフターとは根本的に較べようもないです。
ちなみにシマノ推奨は親指・人差し指以外の3本での操作ですが、私の場合は人差し指・中指の2本操作のセッティング。 全く問題ありません。 ローノーマルなので、シフトアップの時は指でレバーをぐっと押し下げなくてはいけませんが、 てこの支点の長さからいっても親指押し込みのラピッドと較べてはるかに軽い。
ブレーキレバーとしての操作感にも触れておくと、上下の動きに耐えるために必然的にレバーの軸部分は 剛性が半端無く高いようで、ブレーキの引きは軸のぶれも無く、重さを感じずにスムーズに動きます。
完成車装備は無いようですし、前も記したとおりセットアップに時間をかけなくてはいけないのは、 パーツとしては珍しい存在でしょうね。 すでに装備している人でも、「こんなものかな」でポジション出しを諦めている人がいるのではないでしょうか? 私自身、気づかずに途中下車しそうでした。 でも、もしかするとその先に、確実に「無」に至る終着駅があるかもしれません。
2010年からLX、デオーレクラスの同レバーがカタログ落ちしたようで残念。 買い置きしておこうかな。
価格評価→★★★★★ 評 価→★★★★★
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