購入価格 ¥3,200
ペダルの王者三ヶ島が放った衝撃のチタンベル。
三ヶ島の力のこもった口上を読んでもらいたい。
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開発コンセプト
日本国内でも空前のスポーツバイクブームである。
華やかなウェアに包まれたフォルムは美しいものである。
新素材などの高価な多くの自転車にベルが装着されていないのはどうしたことか?
自転車に合わないからつけない、デザインがママチャリと同じだから、安すぎるから(100円ショップで売られている!)
フレームに合った、美しい自転車に合った今までにない製品、優越感を感じる製品をつくりたい。
特に材質にこだわった。
ゴルフで聞えるあのチタンの音は出ないものか?
MKSがベルの概念を変えます。
チタンベルサウンド(世界初)の誕生です。
(改行を入れました)
■■■ ここまで引用 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
ここまで気合を入れられたら、レビューワーとしては勝負=レビューするしかない(単にキワモノ好きw)
いつ発売になるだろう、と今か今かと待ち続け(ちょっと誇張あり)、ようやく入手した。
冷たくアルミとは又少し違った独特の手触り(梨地感と言うか)と言い、この独特の色と言い、これはまさしくチタンである。
チタン病の人はこの写真を見たら欲しくなる筈だw
チタン病の人は軽量だから欲しくなるのでは無い。
「チタンだから」欲しくなるのである。
軽量マニアの方々とは違う観点でフリークなわけだ。
自分も軽度のチタン病で、バイクこそチタンフレームに乗ってないものの(アガリのフレームとして欲しいとは思っていますよ・・・)、
眼鏡のフレームはもう何代にも渡ってチタンだし、腕時計もチタンだし、過去を遡れば、Nikon F3Tなんてカメラを使っていたりした。
(ついでに言うと、Nikon F3Pなんてカメラも使っていた、と言うか愛用した)
※ 軽度なんだろうか・・・orz
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このベル、MIM製法(金属粉末射出成型焼結。Metall Injection Molding)とやらで作られているらしい。
文系だった自分にはどういうものか理解するのが難しかったのだが、
1.チタンの粉とバインダー(樹脂)を混ぜたものを金型に射出成型。
2.脱脂炉でバインダーの大半を取り除く。
3.焼結炉で残りのバインダーを取り除く。
4.研磨。
5.完成。
と言うものだそうだ。
モールディングと言うからには鋳造と似たようなものと考えてよさそうだが、鋳造が高温低圧で充填されるのに対し、
主にプラスティックなどを低温高圧で成型するのがInjection Modling。
そのメタル版だからMetal Injection Moldingと言う事(理系の方、間違っていたらフォロー願います)
確かにモールディングならば、加工が難しいと言われるチタンでも、色々な形が作れることであろう。
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装着はバンド。カタログスペックでは23mm~32mmに対応と言うことだが、22.2mm~31.6mmと言うのが正しい。
と言うのは、このバンド、CATEYEのFlexTightなのである。
重いライトではダメダメなFlexTightだが、ベルやサイコンのような軽いものならばOK。
とは言え、このダイヤル式の締め付けはやりづらいが。
と言うわけでハンドルへマウント。
三ヶ島曰く「鷲のくちばし、新幹線の先頭部分のイメージのデザイン」とのこと。
言うだけあって、実に違和感無く、今までのベルより遥かに美しくまとまっていると思う。
私見だが「カッコよく」まとまっている。
打ち子側から見ても違和感無い。
これは確かに「フレームに合った、美しい自転車に合った今までにない製品」だ。
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が、あまりにも納得のいかない点が1つ。
それは「音」。
三ヶ島は確かに上述の口上でこんなことを書いている。
「ゴルフで聞えるあのチタンの音は出ないものか?」
自分はゴルフはやらないが、ゴルフで聞こえるあのチタンの音と言えば、チタンドライバーの「キンッ!」と言う音だろう。
そしてこのベルの音は、まさにアノ「キンッ!」と言う音。
三ヶ島の狙い通りなのは分かる。
が、自分は、何の余韻も無いこのアタックだけの音をベルの音と認めたくない。
そりゃベルには余韻が必要だ、などと道路交通法で定められているわけじゃない。
しかし、真鍮のベル音~余韻が最高と信じる自分には、この音は受け入れがたい。
そもそも、ベルには警笛と言う役割があるわけだが、この音は最初からベルの役割を放棄していると思う。
この音、と言うかアタックだけ一発で注意を知らせたりすることは出来ない(おばちゃんよろしく連打すれば別だが)
そう言う意味ではチタンベルは(企画時点から)明らかに失敗では無いかと。
個人的には、これを真鍮で作って頂きたかったと思う。
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三ヶ島は、HPを見ると分かるが、物凄く真面目で、それ故かなりマニアックな会社である。
このベルは、装着義務があるものを、スポーツバイクに装着して欲しいと心から願い、その上でコンセプトを定めて真面目に作りこんだ製品である。
そして、そのコンセプトは口上で見られるとおり、熱いものである。
が、実際に使ってみた自分には、
「法は遵守しないといけない、が、カッコは重要、おおこんなカッコイイベルが、音?どうでもいいじゃん、ついてりゃいいんでしょ?」
こういうベルに思えてしまった。三ヶ島は絶対にこんなつもりではなかった筈だが。
もちろん、ちゃんと「鳴る」わけだから、法的な問題は無いのだけれど。
価格評価→★★☆☆☆ ベル一個に3,000円って普通は払わんよなぁ。
評 価→★★☆☆☆ 自分は音に拘りたいので。チタンの質感とか見た目を重視する人ならば4つ星以上なのでは?
カタログ重量:23g
実測:23g 極めて正確。
※ 酒の肴パーツとしては★★★★★★★★★★w。最初の写真が全て。