ここはフランスのパリ。確か左岸のカルチェラタン近辺である。
遠くに妙なハンドルのロードバイクが見える・・・何だろう?
こ、これは見事な肉抜き加工! どうやらマファックのレバーらしい。
いや、しかし問題はそこにはない。この妙なハンドルの位置である。
正面から見るとこんな感じ。
きっとこれは盗難予防処置の一つなのではないだろうか?
これではとても運転できないだろう。所有者は長時間バイクから離れる際に、携帯していたヘックスレンチでハンドルの位置を変えるに違いない。
また発見。
もう一台発見。
ここにも発見。
しかし、この数日後の夜に私はこのヘンなポジションが盗難防止とは全く関係がないことを知ったのだった。レアールという繁華街で、とある男が自分の自転車に近づいた・・・例の、妙なポジションをした自転車に。さて、どのような手際でハンドル位置をもとに戻して乗りはじめるのか、じっくり観察することにした。
すると・・・驚くことに、男はこの「ヘンなポジション」のまま走り出してしまったのである!乗りづらくないのだろうか。ひょっとしてすごく乗り心地が良かったりするのだろうか。大変気になって仕方がない。これだけ多くの人が執着しているポジションなのだから、何らかのメリットがあるのかもしれない。
この冗談のようなポジションに乗ったその男をカメラに収めようとしたものの、間に合わず。
国によって言語や習慣、文化が違うように、自転車の乗り方やポジションも実に多様であることを実感したのだった(とはいえ、どこまで本気のポジションなのかは不明である)。
評 価→不能