購入価格 £84.24@Wiggle (送料別途)
・ Thoork Gel Flowで不満だった点
1. APS搭載で上下左右に複雑に撓るベースは、こぎ始めから50
Km程度の範囲では至極快適でも、疲れてペダリングが乱れてく
るとベースの撓りと腿の上下のタイミングが微妙にズレてきて内
股の付け根が痛くなってくる。場合によっては痣になることも。
体重50kgの自分でもグネグネ撓るので、ウェイトのあるライダー
はかなり辛いのでは?
2. 穴あきなので尿道の痺れとは無縁だが、その周囲に加重が集中し
やすい。ここは当然ベース量が少なく、座るとハンモックのように
撓るので短距離ならばサスペンションが付いているかのごとく柔ら
な乗り心地を提供してくれるが、前述の痣ができる部位とかなり近
い場所なので、距離を重ねるとやはりペダリングの乱れを誘発しや
すく、痛くなりやすい。
以上の2点だけはポジション調節をいくらやっても解決できませ
んでした。ベース形状自体は股関節全体を自然にサポートしてく
れる非常に良好なものだった(もちろん個人差はあるでしょう)ので、
たわみが少なくすれば解決できる、もしくは快適に乗っていられる
時間を長くできるのでは?と思い、高強度・軽量に重点を置いたTeam
EditionとAPS搭載で穴ゲル無しのThoorkとで迷いましたが、値
段が£15程しか変わらないのとルックスの格好良さでTeam Editon
購入に踏み切りました。
上がTeam Edition、下が素のThoorkです。
・Gel Flowからの変更点
見た目は殆ど一緒ですが、ベースの形状が共通な点を除いて、全く
の別物です。穴は塞がれてゲルも省略、替わりに少し硬めのフォー
ムがベース全体に均一に貼り付けられています。表皮は本革から人工
皮革のロリカとなり、ステンレス合金だったレールもカーボンになり
ました。独特の乗り心地を作り出していたAPSもバッサリ除外されて
います。突き出し部分の尿道が当たる部位も、Gel Flowでは身体の
カーブに合わせて緩やかな窪みがあったのが完全に水平な形状にな
っています。ここまでやると重量にもハッキリと差が出ていて、実
測で142g、手に持って比較するとちょっと驚くぐらいに軽いサドル
に仕上がっています。穴を塞いだこととベースの材質が硬いものへ
置換されたことで、結構硬めのサドルに変貌しています。それと、
カーボンレールは上下方向に長い形状になっている都合上、ステン
レスレールと比較して前後調整幅が前5mm後5mm程狭くなって
います。サドルを目一杯後ろに退いたり前へ出してTTのような乗り
方をする方には向かないのではないかと思います。
この角度の写真は見かけないと思います。構造がまるで違うのが判り
ます。右がTeam Edition、左がGel Flowです。Gel Flowの穴中央付近
に黒い汚れが付いているのは、ベースが撓った結果シートポストのヤ
グラと干渉したものです。どの程度撓るのかが想像できるかと思いま
す。強烈です。
・そして実走・・・
実際に100km超を走行してみた結果、骨盤をしっかり立てて座骨の
ちょっと手前太股寄りに体重を乗せる感じでペダリングすればGel
Flowでどうしても消せなかった内股の擦れが綺麗さっぱり消えて、
尿道への負担も心配するほどではないレベルであることが判りました。
APSの省略とベース強化で相当ハーシュネスが増えるのを覚悟して
いましたが、カーボンレールのおかげか、大型車の通行等でひび割
れたアスファルトでも細かい振動は殆ど骨盤に響いてきません。この
点についてはGel Flowよりも完成度が高いです。ただ座る位置の融
通が利かないのはGel Flow同様で、こちらは内股が痛くなる事はあり
ませんが骨盤が倒れると尿道付近を攻撃されます。
・ 結論
Gel Flowで不満だった点がものの見事に解決されていました。ドッカ
リ座って50km未満を走るならばGel Flowのハンモックのような柔ら
かさは素晴らしく快適なのですが、100km以上を走るのであればこち
らの方が断然快適です。通勤・通学やちょい乗りを楽しむ方はGel
Flowで、週末のロングライドやレース指向の方はこちらが良いかと
思います。しかも軽いので、耐久性さえ証明されれば自分にとっては
100点満点!
価格評価→★★★★★(ジークWiggle!!)
評 価→★★★★☆(耐久性がまだ不明なので)
年 式→2008
カタログ重量→ 140g (実測重量 142g)