羽根倉橋から北の荒川上流は名実共に「荒川サイクリングロード」となりますが、このあたりからは北上するにつれて下流とはまったく別の光景が広がります。東京都内から気軽にやってこれる範囲でありながらかなり広大です。
最初の写真は羽根倉橋の手前まで続いているサイクリングロード上の車止めです。黄色と黒のケバケバしい色合いが「ここから先は別世界」であることを示唆しているかのようです。村上龍の小説なんかだとこの向こうにダチュラとか、旧日本軍の化学兵器とか、いけないものが存在します。私にとってこの車止めは荒川下流と上流を明確にわける境界のようなものです。体調がよくないとここで引き返したりします。二枚目の写真が羽根倉橋入り口。上空からのGoogleMapでだいたいの位置がおわかりになるでしょう(地図のちょうど中心あたりに写真の車止めがあります)。
大きな地図で見る羽根倉橋を横断して荒川左岸にむかいます。「サーキット秋ヶ瀬」を通り過ぎ、ヘアピンのカーブを右折して数キロ直進すると下の写真(左)のような竹林が右手にある細い道になります。左側はゴルフ場かな? この細い道、現在はもう少し鬱蒼としていて、木漏れ日が落ち、タイヤが踏む木の実がパチパチと爆ぜるような音をたてます。たいへん気持ちの良い道で、短い区間ですが私のお気に入りです(★★★★★)。こんな感じでしばらく直進していくと、不意に道がとだえ右折を余儀なくされます。ここにも黄色と黒でペイントされたポールがあります。写真は先週撮影した映像です。このポールのむこうには、東京都心から50km程度とはとても思えないような見事な田んぼがひろがるのですが、とりあえずGoogleMapで上空から眺めてみてください。地図の中心が黄色と黒のポールのあるところです。ズームアウトしてみると周辺が見渡せます。
大きな地図で見る数百メートル直進したら、90度左に左折します。すると下の写真(左)のような細い道になります。この道は水田のまんなかを貫通しています。実は左折せずに直進して土手上に出ることも可能です(写真右 - このまままっすぐ直進すると土手上。土手上を北上すれば上江橋のたもとに着きます)。
上江橋付近の景色もすごくきれいですが、今回は羽根倉橋以北についてのざっくりしたレビューなので省略。上江橋を通過し、数km北上すると有名なホンダエアポートがあります。以前レビューした「榎本牧場」はこの空港よりちょっと手前を右折したあたりに存在します(他の行き方もある)。下の写真(左)は、上流から下流に向かってくる際に撮影したホンダエアポート。ヘリコプターが止まってます(Google Mapの上のほうに見えている物体もそうだと思います。写真のヘリコプターはちょうどその位置にとまっています)。土手の反対側には大きな飛行場があります。その付近に飛行船が停まっていることもあります。下の写真(右)は先週撮影したもの。ツェッペリンNT号と書かれているのが見えるでしょうか。荒川上流ではよく飛行船が飛んでいるのを目にします。荒川CRの風物詩ともいえるでしょう。のんびりただよう飛行船は眺めていて心が和みます(★★★★★)。
大きな地図で見るホンダエアポートも通過し、森林公園を目指してひたすら北上します。下の写真(左)はホンダから5km~10kmくらいのところでしょうか。このあたりになると江戸川サイクリングロードの景色と少し似ています。この先で工事中の橋を通過し、CRが行き止まりになったら一般道に降りて森林公園に行けます(勿論他の行きかたもあります)。森林公園は荒川下流在住のサイクリストにとって「北の聖地」のようなものでしょう。逆に、熊谷寄りに住むサイクリストにとっては葛西臨海公園が「南の聖地」となっているようです。森林公園と葛西臨海公園は往復で160km程度でしょうから、おなかいっぱい走ることができますね。
ここから先は荒川CRのほぼ終点・森林公園を目指すことになりますが、それは別途。とりあえず私にとって羽根倉橋手前の黄色と黒の車止めから北は、東京を忘れさせてくれる貴重な場所です。春はぽかぽかとした陽気、夏は過酷な直射日光、秋は紅葉、冬は過酷な寒さを味わえます。どの季節でもサイコーです。この季節は日が暮れるのがはやいので、家を出るのが遅くなるとすっかり真っ暗になったりします(写真上右)。するとこんどはクルマの光でライトアップされたきれいな橋を眺めることもできます(携帯で撮ったこの手ブレ写真では何一つ伝わりませんが)。早朝から深夜まで、春夏秋冬を問わず愉しむことのできる、素晴らしいサイクリングロードだと思います。
評 価→★★★★★ + ★★★★★