購入価格 ¥120,000くらい(オークション)
実用性をもった最初のフルサスバイクだったと記憶。
これ以前のフルサスバイクはカンチレバービームと言って(例:キャノンデール
スーパーV)BBよりすこし上にもうけたピポットからスウィングアームを突き出
す形式でした。
AMPではチェーンステーとシートステーの接合部に「ホルストリンク」という
リンクを設け、サスペンションがストロークする際、チェーンが通常の方向とは
逆側に引っ張られてしまう現象(キックバック)を防止しています。
開発はスペシャライズト社にOEMするためのB1から始まった様で、昔のマウンテ
ンバイクアクションという雑誌に試作車が掲載されていました。スタンプジャンパー
の前三角に無理やりリアバックをつけた様な独特の形態で、シートステー上部が
リンクを介してサスペンションユニット/シートチューブに結合されていました。
B2はこの機構を簡略化しリンクを排したバイクです。どういう訳は確か1シーズン
だけ早くマングースのアンプリファイヤというモデル名で発売され、翌年製造元の
AMP社からも発売された記憶があります。
リンクを排したデザインのため、コンベンショナルなダイヤモンドフレームに外観
も近く、軽量だったため支持者も多かったと記憶しています。また、フルサスバイ
クの自社開発が厳しそうな小規模でユニークはバイクをリリースするメーカーに対
し、AMP社はリアバックのみの提供も行っていました。これもシンプルな機構のな
せる技だと思います。私の知る限り、ファットチャンスやDAGGER等のメーカーで
通称アンプバックを搭載したクローンが作られていました(小規模メーカーとはよ
びづらいですが、Litespeed社もアンプバックモデルを出していました)。日本で
もTIGやモンキー等のアンプバックモデルがありました。この他製造国は不明です
がLAGUNAというブランドのバイクもありました。
外観上の特色は一緒に組み合わされるF1と呼ばれるリンク方式のフォークにもみられ
ます。フレームのデザイン上、フォークのリンク部分とダウンチューブの干渉を
嫌ってか、B2のダウンチューブは細いアルミパイプを二本並列させた方法をとって
います。たしかにトラスの様な考えではダウンチューブには引っぱりしかかからない
ので、座屈の検討は不要ですから、細い二本チューブという考えはあり得ます。
コルナゴ等にも先例がありますが、当時はじめてこのバイクをみた私は、その独特は
外観がとても先進的なものである様に思えました。
愛車の方はオークションで新品のフレーム・フォークを発見し衝動買いしたものです。
とにかく早く乗りたくてパーツはLXとXTのミックスでホイールは所有している他の
バイクと共用しています。乗り心地は???でして、もはや今時のフルサスとは比較
になりません。リアはまあまあ動いている感じはありますが、どちらかと言えば
緩衝のためであり、フルストロークして段差の存在を感じさせない今のバイクとは
比べるべくもない感じです。しかしトレール等で微細な振動を拾わないとか、上りの
トラクションが稼げるとか、こうしたメリットはあると思います。
ハイスピードコーナーは苦手です。これはリアバックの剛性不足が影響しているという
のが通説。TWPやAMP社の発売していたブレースをつかえば若干の剛性向上が見込める
様です。ただ、形状が形状ですので気休め程度で、俗にいわれる剛性向上よりは、むし
ろリアブレーキのタッチの改善などに効果有りなのでは?という印象を持ちました。
前三角もなんといってもダウンチューブが双胴ですから剛性感には乏しいです。
このあたりはAMP社も気にした様で、以降B3,4,5と後継モデルになるに従い、剛性
向上とストローク延長が試みられます。低速コーナーは得意で、もともと重量配分
も良く、軽量なのでヒラヒラとかなりタイトなコーナーもパスできます。また、
最近のロングストロークのバイクの様な腰高な感じがなく、ヘッドアングルも立って
おり、ハンドルも低めにセッティング可能なので、昔のジョントマックの様な
ポジションにできます。
重量は十分軽く、大して効果なパーツは使っていませんが10.3kg。サドル等も汎用品
でさくっと組んだため、10kgを切るのは簡単でしょう。ここがこのバイクの最大の
アドバンテージだと思います。今でも林道でツーリングしたり、エンデューロの様な
使い方なら十分現役だと思います。担ぎなどが必要な場合もなんとか行けます。
組み付け上で気がついたのは、8S時代のフレームであるため、9Sのトップ11tでの
チェーンステーとチェーンのクリアランスがとてもシビアだということと、
ホルストリンクのシートステー側下端がリアメカがもっとも縮まったときに干渉しそうだ
という点。前者は致し方ないとあきらめ、後者は余計な遊びの少ないXTのシャドウ
ディレーラとすることで解消しました。また、タイヤクリアランスもミブロの2.1が
限界という感じで、これはリアバックの精度も影響していると思います。B3以降は
ステーの集合部はNC加工されたアルミ部品になりますが、B2はパイプの曲げと溶接
で構成されているので精度はいまいちです。
※写真はネットで拾いました。
価格評価→★★★☆☆(価格でどうこう言う様なフレームではないですね、最早)
評 価→★★★★☆(今のものと比較になりませんが、独特の乗り味をもってます)
年 式→1993くらい