ここ数年のカーボンフレーム、カーボンパーツの流行で、サイクリストの私達にもトルク管理の必要性が出てきました。熟練の方々は「手ルクレンチ」で済ませている方も多いと思いますが、自信のない方はトルクレンチを使用したほうが良いでしょう。
トルクレンチ購入にあたっては大きく三つの選択肢があることを押さえておきましょう。
・校正のできない機械式トルクレンチ
・校正可能な機械式トルクレンチ
・電子式トルクレンチ
「校正」とは精度が狂ってきた場合、精度を元に戻すことを言います。一般に校正が可能なトルクレンチは高価です。毎日自転車のトルク調整をしなければならないプロフェッショナル・メカニックの方には必需品だと思いますが、多くても週に一回程度しかトルク管理をしない私達一般人には校正ができないタイプのものでも問題ないと思います。このタイプでも、衝撃を与えず大事に扱えば2年、3年は立派に仕事をしてくれると思います。精度を求める方はデジタル式のトルクレンチを使うのが良いでしょう。
さて。様々なボルトをどのくらいの強さで締めれば良いのか?
答えは一つ、取扱説明書で指示されているトルクで締めれば良いです。それ以上にもそれ以下にもしないければ通常は問題ありません。
勿論、これはネジ山が清潔な状態でゴミなどが付着していない場合。
しかしパーツによっては取扱説明書が付属していなかったり、付属していても締め付けトルクが記載されていなかったりします。カーボンフレームのシートポスト部分や、カーボンのフォークコラムをクランプする一部のステムにも記載がない場合があります。その場合は、以下を目安にしてみるのが良いでしょう。
M5のボルト 3Nm
M6のボルト 5Nm
M8のボルト 12Nm
M10のボルト 24Nm
M12のボルト 42Nm
ただしこれはあくまで「参考標準締め付けトルク」です(※非常に弱めの設定です)。ネジやボルトの材質によって数値は異なります(上記数値は普通ボルトの場合なので、これらの数値を大体の最低値と捉えても良いでしょう)。上記のトルクを試す前に、取扱説明書で適正トルクが指定されていないかどうか念のため確認してみましょう。
| 左のような場合はたいへん悩ましいですが、とあるプロショップの方に4Nm x 4Nm を推奨されました。現在、その締め付けで十分にクランプできており問題は発生していません。合計で8Nmということでしょうか。違う考え方があれば教えていただけると嬉しいです。 |
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