クライン社が昔製造していたコンベンショナルなアルミフレーム。
上位モデルとの比較は、リアエンドが所謂トラックエンドではなく、
ストレートドロップアウトである点と、リアエンド/シートステー集合部
にキャリアダボが付いている点。純正のフロントフォークは手放して
しまいましたが、フォークにはダボはついてなかった気がします。
スケルトンはヘッド/シートアングルとも、ラスカルやアティチュード
より寝ていますから、上記を総合すると、上位モデルの様なレース
用ではなく、オールマイティに使える性格を求めたものであることが
伺えます。また、クライン社のトラックエンドは、シマノディレーラーの
車軸とメカの取り付け位置の規格からはずれる位置関係なので、
変速性能は低下してしまいます。こういう意味でも、コンベンショナル
なリアエンドをもつピナクルは安心感があります。
アティチュードの記事をアップした私が書いてはなにをかいわんやですが、
個人的にはクライン社のバイクの中では私はこのモデルが一番好きでした。
ゲーリークラインもこのモデルには思い入れがある様で、何かのインタビュー
で、マウンテンクラインというクライン社最初のマウンテンモデルから、
このモデルに至る際に、スケルトンをマイナーチェンジし、登坂力その他
が向上したと述懐しています。程よくダルいスケルトンなので、長距離の
林道ツーリング等には適していると思いますし、キャリアが付けられるのも
用途に相応しいと思います。当時有名だったリチャード・カニングハムが
編集のマウンテンバイクアクションという雑誌がありましたが、MBA誌では
マウンテンバイクをRace BikeとTrail Bikeと分類していたと記憶します。
この意味ではpinnacleはグレート・トレイルバイクだと思います。
当時はアンサーのaccutraxというストレートフォークを付け、730系の
XTで組んだものを所有しており、12kgを若干切るか切らないかという
状態で使っていました。当時としては十分軽量な部類でしたが、
写真のレストアでは、たまたまオークションで見つけたアンプリサーチ社
のF-1と組み合わせています。理由はリジットフォークと比較してのスケルトン
の変化が少ないことです。950系のXT(一部900系)のミックスで組んで
11.0kgくらい。チタンスピンドル等の飛び道具を使わないかぎり、費用対効果
としてもこの辺が限界でしょう。前下がりのポジションが好きなので、
MC-1は使用せず、シンクロスの130mmステムと同社のフラットバーを使用。
以前紹介させていただいたattitudeよりはお金をかけていませんが、
直進安定性等はこちらの方が優れており、また小振りのスケルトンと
選んだので取り回しもまあまあです。今でも気に入っています。
オールドクライン等と呼ばれ希少性からか高値になってしまっていますが、
クルーザーの様にゆったり乗れますし、ヘビーデユーティーなバイクだと
思います。もし安価で手に入る様であれば買って損のないフレームだと
思います。BB以外はほぼ汎用規格なので中古であっても十分楽しめる様
に思いますし、変速回りも安心して最新のものが使えます。
価格評価→★★★☆☆(中古の相場としてもこちらの方が安価です)
評 価→★★★★☆(実はアティチュードよりこちらの方が好き)
<オプション>
年 式→1993
カタログ重量→フレーム単体で当時のカタログ値;1650g(純正BB込みで約2kgくらい)