購入価格 ¥120000くらい(中古:当時の定価はフレームセットで28~38万)
アルミのオーバーサイズチュービングを採用したMTBフレーム。
歳がばれそうですが大好きなバイクです。
学生の頃、お金持ち(!)の社会人の方が手放したものを譲っていただき、
年間3000km以上野山を駆け回っていました。3年は乗ったでしょうか?
就職を期に上京することとなり、当時所有のフレームは大学を中退して地元
に残って板前になったちょっと変わった友人にあげてしまいました。
今となっては気前が良すぎたと反省していましたが二年程前にオークション
で同時代のものに再会、価格も手頃で色もバックファイヤだったので衝動買い
してしまいました。
レストアにあたっては、今時のパーツでそこそこ軽くをめざし以下の様な
仕様で組みました。先進性も今となっては仇となります。互換性のあるパーツ
の収集には時間がかかりました。
・ホイール:Mavic Cross Max ST
・ブレーキ:Avid Ultimate(リアはKlein純正のアダプタにより穴アケ無しで
Vブレ化)
・ブースター:ゴリラ
・コンポ :950系のXTR(Fメカのみ970系)
・クランク: Suntour XC-pro MD
・ボトムブラケット: チタン製スピンドル(Action Tec)
・クランクフィキシングボルト:SRPチタン
・ブースター:ゴリラ
・シートポスト:Thomson Masterpiece
・サドル:Flite
・クイック:Ringle Ti
(各パーツに関しては個別にインプレしていますのでみてみて下さい)
この中でチタン製BBスピンドルとVブレ用のアダプターは同好の方の
コレクションから譲って頂きました。とても感謝しています。
また、BBスピンドルの交換用工具は、クラインのレストアのサイトを公開
されている某主宰にお借りしました。この場を借りてお礼します。
それぞれのパーツに思い入れがあり、例えばリングルのスキュアや
サドル、Avidのブレーキ、ブースターは、発売当時の雰囲気をもったもの
をセレクトした結果で、ホイールをチューブレスにしたのは機能性を勘案
した結果です。この他こつこつ収集していたパーツをほとんどすべて投入
してしまいました。唯一困ったのはヘッドのベアリングでこれはベアリング屋
さんに随分長いこと待たされ、値段もキングより高かったです。仰け反りました。
久しぶりに乗ってみて、これまで自分が一番長い距離・時間乗り続けたもの
だったので、身体の芯の部分に、こういう状況ではこうするという様なこの
フレームの癖の様なものが染み付いていることが実感できました。
もうすこし具体的に書くと、このフレームは当時良く言われた様にアルミだから
振動吸収にすぐれるという訳ではなく、寧ろ踏力をただただ逃がさないことを主
眼に作られたフレームだということです。ハンドリングはクイックで、自転車任せに
ダダーっと下れるものではなく、とにかく漕ぎ続けながら、やや神経質にコント
ロールする時に真価が表れると思います(同時期のフレームでは、ピナクルの方が
フレーム任せで多少いい加減に乗っても走ります)。筋トレしないと負けてしまいそうな
感じとでも言えば良いでしょうか?その上でスキルが必要なフレームだと再確認した次第
です。
丁度世の中DHブームの頃でDH向きにカスタマイズされたバイクを多く見受け
ましたが、寧ろ(体力・スキルがあれば)テクニカルセクションに向いたフレ
ームでしょうね。リジット故前後の重量バランスが良く、林道や登山道等で木
の根をバニーホップで飛び越え、タイトコーナーで後輪を抜重しながらジャック
ナイフの様な要領でスイッチバックするという様な用途では今でも感動的な操作
性だと思います。
もうおじさんなので、イメージと走りがずれているときは、いろいろなうごきが
ちぐはぐになってしまいガタガタの走りになりますが、ぴたっと決まった時は
素晴らしい走りをしてくれるのが嬉しいです。人それぞれですが、自分のバイク
の定点の様なものだと思っています。
オークションで異常な高値で売買されている様子には驚いてしまいますし、
上述の様な癖があるので、完璧に割り切って街乗りにでも使わないかぎりは、
飽きも早いと思います。コンベンショナルな規格のバイクの場合はパーツの
互換性も保たれていますから最新のパーツで性能や乗り心地をアップデート
していくことも可能ですが、この時期のアティチュードやアドロイトの場合
はヘッドやBBの規格の為にそれは難しいことも一因としてあります。
組み上がりは9.5kg程度、あんまり軽くはありません。タイヤを軽量なものに
変える等すれば8kg台も夢では無いでしょうが、そこまでお金をかける必要が
あるかは疑問。余程の思い入れが無い限りはお勧めできないなあというのが
正直な感想です。また、どうせ潰しの効かないフレームなので、軽量を求める
場合はMC2以降のアティチュードやアドロイトの方が用途に相応しいと思い
ます(しかし、丁度この頃はバブルも終わりに近づき、KLEIN社も経営不振
だったため、国内の入荷数が極端に少ないのが難点)。
※写真ではタイヤはKLEINのDEATH GRIPになっていますが、現在はチューブレス
のミブロを使っています。
価格評価→★☆☆☆☆(中古の相場は高すぎ)
評 価→★★★☆☆(よほど好きで無いと勧めません)
<オプション>
年 式→1991
カタログ重量→約3000g(フレーム/フォーク/ステム/BBの合計:ノーマル)