画像はビンテージパーツサイトの
VeloBase.com
http://velobase.com/より拝借しました。
おそらくデュラエースの名を冠したノーマルブレーキレバーとしては最終型になるであろうと思われる製品。
といっても手元変速が当たり前になってしまった現状では「ノーマル」というのもおかしいかも知れない。
ちょうどエアロブレーキレバーが一般化すると、それ以前のアウター上出しタイプのブレーキレバーが「ノーマル」でなくなったように。
当時各社から出されていたブレーキレバーの中でも、もっとも握りやすく造りの良いレバーだったと思う。
カンパはまだ80年代の名残の大きなブラケットで日本人の手には余るものだったし、風前の灯となっていたサンツアーのシュパーブプロは金属素材の品質、仕上げはさすがだったが握り心地は決して万人向けでなく、またブラケットカバーがずれ易く耐久性も低いという弱点を抱えていた(森幸春氏はつい最近まで愛用されていたが)。
下級グレードのGPXは非常に握りやすく、高橋松吉選手やトライアスロンの宮塚英也選手が愛用していたが、シュパーブプロはモデルチェンジすることなく終焉を迎えた。
このBL-7402、リターンスプリングをブレーキレバー側にも組み込んで引きを軽くするSLR搭載モデルであり、旧来のブレーキキャリパー側にしかスプリングのない頃からすると信じられないくらい操作が楽であった。
秀逸なのがアナトミカルデザインのブラケットで、上面に軽く手を添えて流す時、登りでしっかりと握り込んで踏み込むとき、どんなシーンでも抜群のフィット感だった。
またブラケットゴムの品質がよく位置決めも正確で、もがいてもずれる事なく、夏の暑い時期でもベタつく感じがなかった。
グレーの表面仕上げも上品で、シマノにしては珍しく(?)クールなデザインであった。
出始めの棍棒のように不恰好なSTIレバーが増えていく中にあって、J.ブーニョや大門宏選手がこのレバーを使っているのが渋く感じられた。
BL-7402も廃盤となり、現行のデュラエース7900シリーズにはブルホーンバー用ブレーキレバーとしてBL-TT79 がラインナップされているものの、
残念ながらノーマルブレーキレバーはデュラエースから105までカバーするBL-R600もしくはティアグラグレードのBL-R400しか残されていない。
BL-R600は以前の105グレード相当のレバーで、正面に「SHIMANO」とロゴが入っている。デュラエース用のノーマルレバーとしては「投げている」状態である。
メーカーにすれば数も出ないし、わざわざ仕上げに手も掛かる高級グレードを残すメリットがないのだろうが、レコードグレードのカーボンレバーをカタログに残しているカンパとは、レーシングパーツメーカーとしての姿勢の違いを感じざるを得ない。
評 価→★★★★★(復活希望)