今更こんなもんのレビューをしてもどうかと思いますがクラインのハンドル一体のステム
ステム部分とハンドルバーが溶接されています。
1989年から1995年頃までの生産。1993年まではクイル式(斜臼式)のMC1、1994年から
はA HEADに近いMC2になりました (要 専用工具)。
このステムを見たときの衝撃は今も忘れません。通常別パーツになっているハンドルと
ステムが溶接され一体になっています。いかにも軽そうです。当時はクロモリのステム
にくろもりハンドルバーで合計重量が500g-600gとなるところ、MC1はカタログ値で
430g、今ならなんてことありませんが、当時は画期的な軽量パーツでした。
不都合も当然あって、落車してハンドルが曲がってしまえば、ステムごとの交換が必要
です。ハンドルバーのベントもほぼ水平方向の曲げになっていますから、ハンドルを下げ
サドルを上げるという攻撃的なポジションの場合、微妙に乗りづらいです。また、溶接
時の耐久性の確保が理由なのか、ハンドルバーの破損によりアッシーごとの交換をきらって
なのか分かりませんが、ハンドルバー部分の肉が厚く、とても固いです。
クラインユーザーはデザイン面の統一感ではコレしか選択肢が無い訳ですが、乗り込んで
みると不満がでるため他社製に交換してしまう人も多かったです。
私もその一人で、結局ほとんど使わずに、軽量化にかける執念を記すオブジェとして保管
しています。時折オークションでみかけますが、デザインの先進性も道具として当たり前
に確保すべきユーティリティを伴っていないと無意味な訳で、法外な値段で今なお取引
されることには違和感を覚えます。
愚痴はさておき、最近はステム+ハンドルバーで200g強はたやすく実現されています。
そうこう考えるとコンベンショナルなデザインで信じられない位の重量になったものだと
思います。10年一昔といいますが、自転車の進歩はすごいですね。
価格評価→★★★☆☆(当時は4万円くらいしました。笑えます)
評 価→★★☆☆☆(自転車はポジションがすべてなのでやはり不便)