購入価格 ¥8,500くらい
MTBシートポストの定番の座を長年に渡り守り続けてきた逸品中の逸品。登場以来大きな変更が加えられていないにもかかわらず、古臭さは微塵も感じられませんし、性能面でも未だ右に出るものはなしという印象です。このような普遍性を持ったパーツといえば、ほかにはKINGのヘッドセットでしょうか。
【デザイン面】
私自身かれこれ10年以上使い続けてきましたが、美観を損ねるような傷はなく、レーザーエッチングのロゴも新品同様で、これほどの年月を経てきたとは信じられないくらいの美しさを今なお保ち続けています。マウンテンバイクでは、押し担ぎでシートポストを握ったり擦ったりする場面が多く、他社の製品では表面に傷が入り、ロゴがあっという間に剥げてしまうこともしばしばなので、この点は特筆に値します。
微細な横溝が刻まれた切削痕も独特の質感と高級感を生み出しています。EASTONやRACE FACEのショットピーニング(ザラザラした表面処理)とは明らかに一線を画しています。
【性能面】
性能に関しても不満は皆無です。1本のアルミから削り出すという贅沢な加工法のおかげで、「最も強靭とされるシートポストよりも、さらに40%以上も強靭」、「疲労寿命は他社製品の2倍以上」と謳われていますが、10年以上不具合なしなのですから納得せざるをえません。
チューブの内断面は手のこんだオーバル形状で、軽量化へのこだわりが見られますし、ヤグラの固定力も文句なしで、サドルが動いてしまうというようなトラブルは絶無です。また、微妙な角度調整のしやすさは素晴らしい限りです(角度の目盛り付き)。
それから、サイズ展開が非常に豊富なところも魅力的です。とりわけ「切って使え」などとつれないことは言わずに、長さにも複数のラインナップを用意してくれているのが良心的です。シートポストの下方には、Made in USAやパテントの番号が記されているので無下には切りたくない、という人情を理解してくれているのでしょうか(?)。それはさておき、410mmのポストは、シートを上げて小さいフレームに乗る人には重宝します。
【総評と余談】
実質的(構造的)なモデルチェンジなしに、もう何年もの間MTBポストの標準として君臨し続けているのですから、素晴らしいの一言です。デザイン、性能、サイズ展開、商品としての総合的な魅力(製品の絵がプリントされた麻袋とステッカーが付属します)など、どこをとっても手放しで称賛したくなります。
模造品がオークションに出回ってしまうのも頷けるというものです。余談ですが、THOMSONの偽物は模造というのもおこがましいほどの粗悪品でした(笑)。KINGのヘッドパーツの偽物はなかなか頑張っていただけに残念です(笑)。
価格評価→★★★★★ 定価は手頃だし、充分に元は取れた。
評 価→★★★★★ 無欠。マスターピースも試したい!高さ調整の目盛りがあれば、★+1です。
年 式→1999
カタログ重量→223g
実測重量→222g(31.6dia.×367mm)