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球磨川(くまがわ)は、熊本県南部の人吉盆地を貫流し川辺川をはじめとする支流を併せながら八代平野に至り八代海(不知火海)に注ぐ一級河川で、球磨川水系の本流である。
熊本県内最大の川であり、最上川・富士川と並ぶ日本三大急流の一つでもある。
(Wikipediaより)
球磨川沿いには国道219号線や県道が走っており、海沿いの八代から人吉まで自転車で快適に走れます。
川と並行してJR九州の肥薩線(ひさつせん)も走っているため輪行もOK。(ただし本数は少ない。)
細かいアップダウンはありますが大きな標高差も無いので初心者でも挑戦しやすいコースかと思います。
~スペック~
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JR新八代駅前からJR人吉駅前まで
距離 約60[km]
標高差 102.9[m]
平均勾配 0.17[%]
新八代駅標高 4.5 [m]
人吉駅標高 107.4[m]
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出発地は八代に設定するのがオススメ。
新八代駅には九州新幹線も停まるし、隣の八代駅も終点起点駅のため列車の本数が多い。
更に八代市には九州自動車道も通っているので車に自転車を積んでの移動も可能。駅前にはコインパーキングもある。
海岸沿いに少し南に行けば日奈久温泉(ひなぐおんせん)もあるし、川を遡っても球磨や人吉に温泉があるし(以下略)
といった感じでアクセスや宿泊には困らない。
という訳で私も新八代駅をスタート。
駅から山間部の入り口までは地形を見ながら適当に走れば辿り着くので細かいことは気にしないで大丈夫。心配なら球磨川に当たるまで幹線道路を走り河川敷を遡上すれば間違いない。
山間部への入り口では肥薩線、肥薩おれんじ鉄道、県道、国道、南九州自動車道、球磨川、遥拝堰が立体交差。
景観はいきなりクライマックス状態だ。
写真を撮影し、肥薩線沿いの県道を走り始める。
線路と県道は人吉までずっと並走なので、間近で撮り鉄したい人は県道キープ。国道に比べ強く短い傾斜が現れる道です。
線路から離れて周りの景色と一緒に見たい人は国道をキープ。ゆるく長い傾斜がダイナミックにアップダウンする道で、沿道には道の駅や鍾乳洞があります。
個人的には県道の方が交通量が少なくて獲得標高が小さい気がするのでこちらがおススメです。
走りながらサイコンの時計をチラチラと確かめる。
実はこの日は、SL人吉こと国鉄8620形蒸気機関車(車体番号58654号機)が狼煙を上げて後方から追い上げてきていたのだ、というかわざわざ追いかけられるために球磨川に赴いた。
時刻表に合わせて撮影場所を探すのだ。
【8620形蒸気機関車】
1914年に製造を開始した旅客牽引用機関車。
大きさの割に小回りが利くなど汎用性が高いため、幹線も地方の支線も走れてその気になれば貨物もこなすという万能機関車。
愛称はハチロク。
製造番号の数え方が非常にややこしい事でその筋では有名な機関車だ。
車体番号58654番は1922年に誕生した435番目の車両。
定期運航している蒸気機関車の中では日本最古の機体で、このレビューを書いた時点で御年98歳である。
車両の来歴もかなり面白い。
誕生以来九州で活躍していたが、一度引退して静態保存に。
人吉市の矢岳駅にある人吉市SL展示館で、相方で後輩の D51 170号機と一緒に静かな余生を送っていたのだが、インパクトのある観光列車を運行したいというJR九州の思惑によりまさかの復活。
しかし、元々ご老体のハチロクさん。豊肥本線名物阿蘇の激坂スイッチバックヒルクライムを始めとする中々ハードなコースで張り切り過ぎたのかなんとフレームが疲労骨折。もはやこれまでか、と思われたがJR九州小倉工場の技術陣の手によりフレーム交換手術や各種部品の交換手術を施され若返りパワーアップした。
どこぞの特撮ヒーローみたいな話である。
そんな絶好調サイボーグ老人は1ヵ月のうち半分ぐらいのペースで、客車及び心優しいJR九州が念のため随伴させている補助(介護?)動力用ディーゼル機関車を引きずり回しながら熊本-人吉間を元気に往復している。それが”SL人吉”という訳だ。
鉄道話が機関車のボイラー並みに熱くなってきたが話を自転車を戻そう。
深水橋近くの小道まで来ました。
この小道は2輪のみ通行可。結構荒れてるのでロードだと少しパンクが心配ですが一応通れますよ。
ここの踏切で待っていると警報機が鳴り始め遂にハチロク登場。
ファビアン・カンチェッラーラ氏が個人TTで先行者を次々ブチ抜いている時のあのお馴染みの荒々しいペダリング音っぽい音に加え、連結棒のカコンカコン、動輪のゴロゴロ、ピストンからのシュコヲォーー・・・といった軽快な作動音が聞こえてくる。
サイボーグ老人元気すぎだろ。
案外速くてちょっと焦りましたが何とか写真に収めましたw
最後尾のディーゼル車が通過後、トンネルが車両火災状態に。(笑)
排ガス(石炭)が良い匂い。
走り去ったハチロクを追いかけて再出発。
小道を抜けて再び線路沿いへ。
坂本駅を通り過ぎ、荒瀬ダムの跡地を少し見物。
淡いエメラルドグリーンの透明な水が流れる川をどんどん遡る。
クルマ通りはほぼ無いw
短い手掘りのトンネルを抜け、鎌瀬駅を通過すると線路は反対岸へ。
続いて現れるこのチェレステ色の鎌瀬橋を渡ればまた線路に沿って走る事が出来る。
しばらく走ると瀬戸石ダム。(ダムの上は通行可能)
ここからしばらくはダム湖の横を走ります。
結構長いです。
隣は線路ですが入っちゃダメよ。
ダム湖が終わった辺りで、川の対岸に空から降ってきたラピュタの上層部の残骸が落ちているのを発見!!
と思ったが「エジソンミュージアム」というらしい。
ここの横が球泉洞という鍾乳洞ですね。
鮮やかな色使いのつり橋。
巨大な一枚岩。
清正公岩トンネル。
このように球泉洞付近は景色も非常に見応えがあって面白かった。
焼酎で有名な球磨村に入る。
酒蔵へ行くには川沿いを離れて少し街の奥に行かないとないようだ。
しかも自転車移動なので残念ながら今は飲めません...。
とても残念だ。
走り終わったら飲んでね。
球磨村付近を走行中に、久々に遮断機の警報音が聞こえてきたのでSL人吉以外の普通列車の写真も撮ろうかと待ち伏せ。
...してたのだがまさかの観光特急「かわせみやませみ」登場。
流石はJR九州の観光列車の目抜き通りである。
結局普通電車を見たのは人吉駅の構内だけというw
ここまでずっと県道メインでしたが、「相良橋」を越えるとついに国道へ。
人吉市に入り、市街地の真ん中人吉駅へゴールと相成りました。
~総括~
観光河川と観光路線と観光自転車道(のような県道)を楽しめる川沿いの道。
道中、見応えのある景観や観光列車(SL含む)に遭遇できる。
県道はクルマの数が少なく快適。
国道もクルマ通りが多く路肩が狭いので県道と比べると窮屈ですが割と快適に走れます。
価格評価→★★★★★
評 価→★★★★★
<オプション>
みんな大好き"ハチロク"の年式比べ。
14年式ハチロク(蒸気機関車)
83年式ハチロク(トヨタ カローラレビン&トレノ AE86)
12年式ハチロク(スバルが製造しているトヨタハチロク ZN6)
というように下二桁で年式を語ると1周する(笑)
<オマケ>
SL人吉は”往復運行”なので帰りも見物できます。
人吉の街に響く長い汽笛。
今も矢岳駅の人吉市SL展示館に居る、静態保存時代の相方で後輩の D51 170号機にしばしの別れを告げる。
ハチロク「明日また来るば~い!!」
デゴイチ「先輩明日も走るんスか!!? 元気過ぎっス!!」
人吉駅の出発シーンは萌え死ぬかもって程カッコイイから是非見ていってね。