購入価格 ¥2,000
冬用グラブを物色していた時期に、ホームセンターで見かけて購入。
ホームセンターで、スポーツ用品ブランドのイメージが強いミズノのロゴを見るとは思わなかったので、妙に印象に残った製品でした。
ワークウェア系統のブランドから、スポーツや普段着でも使える高機能製品が出てくる流れが加速している昨今ですが、その逆というか、スポーツブランドがワーク用製品を出しているとは思っていなかったので、100%、興味本位で購入。
ワーク用製品なので、本来であれば作業の現場で使用して、その使用感をレポートするのが王道なのでしょうが、CBNへの投稿なので、このレポートは自転車に冬用グローブとして流用した場合の内容になります。
スポーツブランドがワーク用に出しているグローブを、冬のスポーツ自転車用グローブとして流用した場合、という、何だかややこしいレビューになりますが、よろしくお願いします。
ちなみに、調べてみた所、ミズノはMIZUNO WORKINGというブランドで、1997年からワークウェアを展開していたようです。
うん、私が無知なだけだったか……(^^;)。
●外観
私が見つけたホームセンターでは、ミズノ製ワークグラブとして「ガチ掴み」「マルチユース」「耐衝撃」の三種類のラインナップがあり、ガチ掴みは黒、マルチユースは青、耐衝撃はオレンジの各一色のみの展開でした。
グラブ自体は立体縫製された構造で、いわゆる一般的なワークグラブのような外観となっています。
また、手の甲には伸縮性のある素材が使用されており、ぐっと握っても突っ張るような感じはありません。
手のひらのパッド配置も、一般的なワークグラブ型で、いわゆる手相の筋に沿って配置されており、円筒状の物を握ったときには手のひら全面を保護するように集まる形状になっています。
一応、タッチパネルの操作もできますが、素手と比べると感度はかなり落ち、スマホの画面には、かなり強めに指先を押し付けないと反応しませんでした。
グラブ本体とパッドの厚みについては、私が購入したマルチユース型と比べて、ガチ掴み型は薄くなっており、耐衝撃型は厚手の作りになっています(製品コンセプト的に納得できる差別化だと思う)。
冬の自転車で使う場合を考えると、ガチ掴みは保温性に不安があり、耐衝撃型は全体的に分厚くモコモコしているので、変速操作などで引っかかる事が多いのではないか、と判断してこちらのタイプを選んでみました。
●使用感
気温5~10℃前後、山間部の峠を含む100kmほどの距離を2回、走ってみました。
ブラケット部、上ハン、下ハンなど、色々なポジションを握ってみましたが、滑り止めで配置されたシリコンのため、グリップ性は悪くなく、グラブの生地の形状追随もなかなか良好で、着用感としては悪くありませんでした。
自転車用グラブとして使った場合、たまに変速レバーに余った指先の生地が挟まったりします。
まあ、自転車用フルフィンガーグラブでも良くある話ですし、これくらいは仕方がないでしょう。
冬用グラブとして使用した感じですが、走りはじめから10分程度は、まだ体の血流も寒冷対応していないためか、指先の冷えが意識されましたが、30分程度走ったら気にならなくなりました。
恐らく、5~10℃前後の気温の晴天下であれば、太陽の放射熱を受ける事もあって、手指の冷えが気になる場面は少ないと思われます。
なお、日没後については、暗くなって1時間ほどの走行しか経験していませんが、昼間と比べると、「冷たい風を切って走っている」という感覚が強かったので、ブルベなどで一晩中走る、という状況で使えるかは不安があります。
また、袖口部の丈が、自転車用の厳冬期グラブと比較して短いので、走っている間にジャージの袖との間に隙間が開き、地肌が外気に触れて冷たく感じる時もありました。
ジャージの袖をグラブ内に巻き込んで、手首の固定バンドをきつめに締めておけば、ある程度は防げますが、ここは自転車用の寒冷期グラブのように、袖口をカバーするような構造になっている方が構造的に優れていると思います。
もとよりワーク用グラブなので、イレギュラーな使い方で専用品との優劣を考えても仕方がない部分ですが、冬季用グラブとして流用を考えている皆様は、リストバンドの併用などを考えた方が良いかと思われます。
そういえば、結構、長時間を連続で走ったのに、グラブ内が汗でグシャグシャに濡れる感じがなかったのは驚きました。
汗濡れで、グラブ内で手が滑る感じもなかったですし、休憩中にしばらく外して放置してから再装着しても、冷たさを強く感じなかったので、速乾性または発散性が良いのかもしれません。
なお、テストした日は最高気温が10℃に届くかどうか、と、関東では低温な条件であり、発汗が少なかった可能性もあるので、ここは参考程度に見ていただければと思います(一応、ライド後、着ていたジャージの全体がしっとり濡れる程度の発汗はあった)。
●まとめ
ミズノ製のワーク用グラブで、そこそこ厚手の製品なので、自転車の冬用グラブとして使えるかどうかを試してみました。
総合的に見て、晩秋~初冬(気温5~10℃)くらいの晴天昼間までは、十分対応できる性能があると思われます。
ただし、それより低温になる厳冬期や、低温の夜間走行が長くなる時には、素直に自転車用の低温~厳冬期対応のグラブを使ったほうが良いと思われます。
このグラブは本来、ワーク用の製品ですので、自転車への流用はあくまでもイレギュラーな使用になることに注意しましょう。
なお、個人的に、スポーツ用品メーカーがワーク用製品を出す、という展開を見たのは初めてであり、これはこれで面白い話だと思われました。
近年はワークウェア系メーカーがスポーツ寄りの製品を出すようになっているので、双方が競う事で魅力的な製品が生まれることに期待したいです。
価格評価→★★★☆☆(←ワーク用製品としては普通のお値段。自転車用と比べると、安価な部類だと思う)
評 価→★★★☆☆(←紅葉ライド~雪が降る前までなら自転車に流用できると思うが、それより冷えるなら自転車用を出しましょう)