購入価格 ￥34000ほど
～ウワサのゲテモノ、半年ほど試してみたよ～
ゴールまであともうちょっと！
せやのになんでワイのおヒザ、こんなに痛いんや！泣
時間的にも体力的にも余裕で完走できるはず……だったブルベをヒザ痛でDNF。
もう悔しくて悔しくて、お金で解決できるんならナンボでも出したる！
そんな心境のとき、このペダルの情報をキャッチしました。
『ヒザの負担が減り、ケガのリスクが軽減され、出力向上も見込めます』
うっそだあ～～～～。
～事前情報～
以下トライスポーツのHPより転載。
エドコの3AXペダルは、足が横に揺れるようになっています。
"フロート”7°と”揺れ”4°（左右に2°）に依って、
足の回転を全てのストロークでより自然に、
流暢な流れに従うことを可能にします。
また、この動きの自由さが、腰-膝-足首の無理のないラインをつくります。
平均して17％足の振れが少なくなり、
5.47％のパワーアップというテスト結果があります。
ぺダリングにくせの有る人には、膝、足首に負担の少ない、
無理のないぺダリングのために特にお勧めです。
……ですって。
ええ～っ うっそだあ～？？？
～見て触ってみる～
さっそく開封の儀。アルミボディで真っ黒。
肝心のスイングの動きはスムーズ。
僕はパーツ重量、あんまり気にしないタイプなんですけど、
持った感じ、重い……。ペア388gは伊達じゃない汗
シマノの入門用のペダルより重い。
調べてみると片面フラットのSPDペダルと同じかちょい重い。
おいおいだいじょうぶかこれ。
製品をチェックしてみると、ペダル軸にわずかな横ガタあり。
だいじょうぶ？？？
裏面みたらけっこう複雑な構造してるし…… モロいんじゃね？
だいじょうぶ？ ねえこれほんまにだいじょうぶ？？？
～実際使ってみる～
さぞかし違和感あるんやろな。
その予想を裏切って、使ってみると驚くほどふつうでした。
シッティング時もダンシング時も、
スイングしてるかどうかまったくわからない。
キミちゃんと仕事してます？と思うくらいに違和感なし。
ちなみにペダリング中、
スイングしてるかどうか無理にチェックするのはやめたほうがいいですよ。
足首捻挫します。というか、しました泣
で、試走中こう思ってました。
構造が構造だけに、泥づまりには気をつけたほうがよさそうだ、
走る場所、歩く場所には気を付けないと……って。
しばらくしてまるきり杞憂だと気が付きました。
ロードで走るんだもん。そんな場所通らないよ汗
さて、ブルベでもトレーニングでもさんざん使ってみた結論です。
『これにしたからってヒザ痛解消はしませんでした！』
ああっ、残念！キミはヒザ痛の救世主ではなかったようだ！
このペダルに切り替えたところで解決せず。
ぶっちゃけ、マシになったのかどうかさえよくわかりません……。
ヒザ痛をなんとかしたいなら、もっとポジションを煮詰めるべきだ、
と思い知らされました。うーん、高い勉強代だったぜ……泣
～だったら買った意味なくない？～
ヒザ痛解消しないなら、買った意味がない、ですよね。
なのに僕はこのペダルを未だ愛用しています。
むしろもう一個買っちゃったりして……。
～それはなんでなの？～
プラセボかもしれませんけど、パワーアップを感じるからです。
いつものトレーニングコースで同じタイム。なのに確実にラクに感じるんです。
タイムもわずかに向上しました。
一応もう一回言います。プラセボ……かもしれませんけどね。
で、これはプラセボでないと断言できるんですけれども、
コイツを使うことによって得られる一番の驚きとメリットは、
出力アップよりも低負荷化よりも、『ダンシング時の安定感』です。
これは気のせいなんかではありません。
めっちゃくちゃ自転車振りやすいです。とにもかくにも安定する。
スニーカー履いてダンシングしても車体が路面に吸い付くように安定する。
なんですかこれ。
僕は登りでダンシングを多用するタイプなんですが、
このペダルにしてから「なんでそんなにダンシング維持できんの？」と
言われるほど長くダンシングできるようになりました。
謳い文句の5%の出力アップというのも、
ひょっとしてダンシング時のことを言うてるのかな？という感じ。
ダンシングが強烈に苦手な方か、
もしくはワイめっちゃダンシングするねん、という方は
試してみてもいいかもしれません。振り倒せます。たのしいですよ！
～ためしに元に戻してみたよ～
興味本位でシマノのSPDとSPD-SLに戻してみました。
ペダリング時のガッチリしたダイレクト感が爽快で、最初は
「おっ、やっぱシマノさまやな！3axファックですわ！」なんて思うんですけど、
なんと10m届かず膝に違和感が。ダンシングも安定感しない。
スイングに体が慣れてしまったせいか、ものすげえ痛い。
一度使い出したら戻したくとも戻せない、というのが
おおきなデメリットかもしれません。
～この製品にはクリートが付属しています～
付属のクリートなんですが、フロート角が７度と絶妙で良いんですけど、
ものすげえあっさり死んでしまう。
練習の帰りにツタヤに寄ったら死んでいた。セミかお前は。
ルック互換ということでルックのクリートを使うも、
フロート角９度の赤だと動きすぎ。
クリート裏面に旋回痕がついていました。そしてヒザもまあまあ痛い……。
フロートしないならしないでおヒザが痛いが、動きすぎるのも痛みを呼ぶ。
うーん、むずかしい。
～耐久性が気になってたんです～
変な構造だからモロいんだろうなあ、すぐぶっ壊れるんだろうなあ。
そう思っていたんですが、さにあらず。いまのところまったく問題ありません。
雨天走行もやってみましたが無事。
むしろホイールの、
イーストンのEA90SLXのベアリングのほうが先に逝ってしまいました泣
ただ、スイングするので定期的にピボットに油を差してやらないと
キコキコと音がします。
また、軸のパッキンも摩擦でぷうぷう鳴くこともあります。
これも注油で解決します。
無茶を承知でコーナー進入時にペダリングをし、
路面にぶつけてダメージを与えてみてもボディが削れただけで
構造的に問題はありませんでした。
しょせん人力、破壊には至らない、ということでしょうか。
ペダル軸横ガタも問題なし。ひどくなりませんでした。
メーカーのクオリティコントロール的に、
出荷しても支障のないガタだったのかもしれません。
～それでは3axペダルに物申す！～
・ヒザ痛に効果なし！
いや効果あるのかもしれんが煙のように消えるわけでなし。
ヒザ痛解消を狙って買う前に、ポジション再考を推奨します。
・高い！
まじでこれ。高すぎやでキミ。
・重い！
もっとダイエットしようね。
……てなわけでまとめます。
・スイング機構を持ったゲテモノペダル
・使ったらいい意味でとてもふつう。耐久性も悪くない
・ヒザ痛を解消するつもりで買っちゃだめ。買う前にポジション見直そう
・ダンシング党に強く推奨
価格評価→★★☆☆☆(←高いよォ！）
評 価→★★★★☆(←ヒザ痛なおらないけど使用感に不満なし）
～以下余談～
ヒザ痛で思うんですけど、
いくら高級機材ぶっこんでてもヒザ痛くて全力が出せなかったり、
リタイヤしてたら意味なくないですか？
機材にこだわる人が多い一方で、
ポジションにこだわる人の少なさが気になります。
機材スポーツは機材の優劣より、
機材と人間をいかにうまく一体化させられるかがポイントなのでは？と
思うんですが、どうでしょう……。
さらに余談ですけど、
ペダルのスタックハイトの高低にかかわる良し悪しって、どうなんですかね。
たとえばランニングシューズ。
クッション性を求めてソールの厚みを増やすアディダスやナイキに対して、
あえてクッションをとっぱらうことでショックを吸収せず利用すると謳う、
地下足袋シューズ。相反する思想。どっちがいいんだろう。
使用者のダイレクト感と負荷が関係するあたり、
ペダルのスタックハイト問題によく似てると思うんですけど、どうですか？
素人考えながら参考になるのでは、と思ったり。
個人的にはスタックハイト高いほうが加速は鈍るしダイレクト感は薄まるが
長時間回しても疲れにくい気がします。
教えてえらい人！
