■株式会社三好野本店 『おかやま豚スタミナ重(にんにく醤油仕立て)』
購入価格 ¥1,000(税込)
にんにく醤油だれで味付けした薄切りの豚肉を、ごはんの上に敷き詰めて卵焼きと角煮を添えた肉感溢れる弁当。豚肉には「筋肉内の脂肪量が多く筋繊維も細かい(公式サイトより)」岡山県産の、「桃太郎ポーク」が使用されています。
『ひるぜん高原の赤ワインを使った牛焼肉弁当』と、この『おかやま豚スタミナ重(にんにく醤油仕立て)』が売り場に並んでいて、どちらも価格は1,000円。普段なら迷うこと無く牛肉を選ぶところですが、この時ふと考えました。
肉の価格は、一般的に 牛 > 豚 >鶏 の順で差が付いています。つまり同じ値段なら牛肉を使った駅弁よりも、豚肉を使った駅弁の方が肉の量が多いか、よりいい肉が使われているはずだと考えられます。となると、豚を選んだ方が一層幸せになれるはずです。
そんな期待を込めて選んだ『おかやま豚スタミナ重(にんにく醤油仕立て)』を開封すると、目に飛び込んできたのは豚肉の海とサイドに添えられた角煮。肉の量的には、とても満足できる感じです。ですが、同時にものすごく気になったのが、あちこちに固まった白い脂が散らかっていることでした。
これ、温かいときには溶けていた脂が冷えて固まっている状態ですよね。口に入れたら、クドくてベトついて残念な味わいが口の中に広がってしまうでしょう。うわー、失敗だったかも。
せめて、温めることができれば…という考えが頭をよぎりますが、ここは新幹線の車内。電子レンジなどという弁当の味方は当然、存在しません。頭上数メートルのところには、2万5000ボルトの高圧電流が流れまくっているというのに、いま座っている座席ではその1パーセントすら享受することができないなんて…!
もちろん、そこにある開封済みの駅弁を食べないという選択肢はあり得ないわけで、散々迷った挙げ句、何の対策もとることができないまま…白い脂身がまとわりついた豚肉とご飯を、口の中へダイブ…!
獣っぽい脂の臭いとクドさが口の中を覆い尽くしてイヤな気持ちに…となることを覚悟していたのですが、それはまったくの杞憂でした。
ご飯と一緒に豚肉を口に入れた途端に、サラサラッと溶けて消える…豚の脂…。それはまるで、値段が高いチョコレートのように。
…う、うまい…う!ま!い!!!
その肉、白き脂の衣をまといてご飯の野に降り立つべし。ニンニク醤油だれの味付けも抜群で、肉とご飯を口に運ぶ箸の動きが止まりません。さらに付け合わせの卵焼きも、なめらかな舌触りで超美味。なんだこのクオリティの高さは? そして、角煮も想像通りのおいしさ。気づけばあっという間にペロリ…!大満足…!
同じ値段の弁当が並んでいたら、選択すべきは牛よりも豚。と、あらためて心に刻んだのでした。
価格評価→★★★★★
評 価→★★★★★