購入価格 ¥7070 @ wiggle (145mm x 275mm 252g)
馬鹿野郎!ゴールデンウィークだからって、椅子の上に脚を乗せたりソフトクリーム持って人混みを駆け抜けたり売り物のボールを店内で投げて遊ぶ子どもばっかり出てきやがって!
確かに子どもをしつけるのは難しいことだし、なかなか言うことを聞かないという場面もあるだろう。
だがそれはしつけを放棄していいという意味ではないし、「子どものしたことでしょ」は加害者側ではなく被害者側だけが言っていい言葉なんだよ!
子どもの未成熟がどうこうという以前に親が子どものままだというこんな世の中じゃ、どうやらここは俺の体験談を語らなければ収拾がつかない流れのようだな・・・
あれはひでおさんらチームの仲間とグループライドに出かけた帰り、ショッピングモールに併設された自転車屋に立ち寄ったときのことだ。
最近お気に入りのサドル Selle Italia SLR SuperFlow
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=10812&forum=15&post_id=27269#forumpost27269を購入したので、通勤用にもサドルを新調したいという俺にひでおさんと、いつもひでおさんの後をついてくる金魚の糞が付き合ってくれていたのだ。
その瞬間、人混みから勢いよく飛び出してきた謎の小学校低学年くらいの子どもの持っていたソフトクリームがひでおさんの股間を直撃したのだ。
事態を察知した金魚の糞のつぶやきが、静まり返ったモール内にこだまする。
金魚の糞「馬鹿な・・・何をしているんだ・・・相手はあの『鬼』と呼ばれたひでおさんだぞ・・・」
殺される・・・こんな荒々しく隆起した上腕二頭筋で殴られたら、こんな小さな子どもは跡形もなく吹っ飛んであかつきの空を舞うだろう・・・
誰もが直後に起こる惨劇から目を背けた瞬間だった。
ひでおさんはその子どもの前に跪いて、銀貨を握らせてこう言ったんだ。
ひでおさん「・・・悪ィな、俺のレーパンがソフトクリーム食っちまった。次は座って食うといい。」
食べ物に対するマナーをきちんと教えつつも漢気あふれるその対応に、観衆は感動の涙にむせぶのだった。
そんなことがあって自転車屋にたどり着くと、俺たちは目当てのサドル売り場を目指した。
そこでは、4万円を超えるハイエンドモデルからどこのブランドかちょっと怪しい廉価なモデルまで、様々なサドルを取り揃えていた。
ひでおさん「つよしくんは以前、座骨幅の広い穴あきサドルが欲しいって言っていたね。これなんかいいんじゃないかい?」
俺「ブハハハハハ!なんですかその昔ながらの『サイクルパーツ』と書かれた謎の厚紙のパッケージは!
どこのブランドのもんかわかったもんじゃないし、その様子だとサドルレールもチタンやカーボンではないんでしょう?」
その瞬間、ひでおさんの柔和な表情が急変し、荒々しく隆起した上腕二頭筋が剛腕パンチとなって俺の顔面に叩き込まれた。
ひでおさん「馬鹿野郎!口を開けばどこのブランドとか素材がどうとかそういうことばかり・・・
君は自転車乗りとして一番大切なことを忘れている!!」
そんなことがあって次の金曜日。
今週はずっと快晴、にもかかわらず、週末を雨が狙い撃ち。明日、明後日は走れなさそう。
実はホームコースである白糸TTの累計1000本というメモリアルライドを控えていたのだが、次の週まで持ち越しか。
うっ、意識が・・・
???「休みがないなら、作ればいいじゃない!」
そうだ!4時で有給取得、生徒と一緒に門を出る。一路白糸へ。
メモリアル1000本目の白糸はプレミアムフライデー・通勤装備でのエクストリーム退勤となった。ま、こういうのも。
通勤装備のままでもフットワーク軽く3時間程度のヒルクライムを含むライドに出られるのも、ひでおさんがすすめてくれた柔らかめの新サドルのおかげだ。
彼女もできたし、なんだか最近体調もいい気がします。
誰もいない夕暮れの白糸でひとり感慨にひたる俺に、おじいちゃんが降りてきた気配がした。
おじいちゃん「つよし、よく頑張ったな。白糸1000本なんて、すごいじゃないか。『読書千遍、其の義自ら見る』じゃよ。」
そうなのだ。魏の学者董遇は、弟子入りを申し込んだ者に対して「読書千遍、其の義自ら見る」と言った。これはのちに日本にも伝わることとなり、どんなに難しい書物であっても、繰り返し読むうちに意味が自然とわかるようになるものだという意味で用いられるようになった。しかし実は、多くの本を読めばよいというものではなく、良い書物を熟読することに意味があるという乱読を戒める意味を含んでいるのである。
俺「おじいちゃん、『登坂千遍、其の脚自ら見る』ですよ。」
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Selle Italia SLR SuperFlow (145mm x 275mm 195g)
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=10812&forum=15&post_id=27269#forumpost27269のやわらかバージョンという位置づけである。
SLR SuperFlow を先に購入、気に入ったので通勤車でも同じポジション、しかしレーパンなしでも運用できるものを、と考えてこの Max Slr Gel Flow を選んだ。
【気に入った形状の穴あきサドル、勝負バイクの 586UD と同じポジションで乗りたい】
サドル幅、サドル長ともに SLR SuperFlow と同じ。
当然ながら、同じポジション、同じ感覚でペダリングすることができる。
柔らかめのパッドのせいで沈み込んでしまいペダリングしにくいなどとネガティブな印象を持つこともなかった。
ちなみに重量は50gほど重いが、自転車に乗っている時にそれを意識したことはない。
【穴あきサドルでしかもgel入りなら、レーパンなしで運用できて便利だろう】
しかしファーストインプレッションは意外にも
「より硬いはずの SLR SuperFlow よりも痛い」であった。
SLR SuperFlow では最初は座骨辺りが激しく痛んだものの、1か月もしないうちに慣れてしまった。
その状態で乗った Max Slr Gel Flow であるが、鈍器で長時間殴られ続けたような(実際に鈍器で殴られたことはないけど。イメージです)鈍い痛みを感じた。
どうやら硬いサドルとやわらかいサドルでは、感じる痛みの質が違う模様。
これも1か月ほどで慣れてしまい、今では当初のもくろみ通り、レーパンなしで運用できている。
慣れてしまえば、gelが入っている分、いくぶんマイルドな SLR SuperFlow といった感じである。
通勤はもちろん、3時間60~70km程度の山を含むトレーニングもレーパンなしでこなすこともある。
ただしこれはかなり個人差があるだろう。
価格評価→★★★★★(とても安く買えた)
評 価→★★★★☆(SLR SuperFlow のシャープな乗り味のほうが燃えるので)
年 式→2016
実測重量252g