購入価格 前輪用10,800円 後輪用¥15,801円(税込)
KINLIN XR-31T(キンリンの新作オフセットリム) と良く似てるけど、公称リムハイトが微妙に違ったり穴数設定が違ったりする謎のリム。
パックスサイクル様のオンラインショップから購入可能です。
タイトルは「オフセット」ですがオフセットしているのは後輪用のみで、前輪用はフツーの左右対称設計のワイドリムです。
基本スペックは
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リムハイト 30mm(実測)
リム外寸 24mm(実測)
リム内寸 19mm(実測)
オフセット量 3mm(実測)
重量 470g(カタログ値)
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となっています。
価格は上記の通り。XR-300が1本5,000円弱、XR-31Tが6,500円前後である事を考えるとかなりお高い。DTのオフセットリムやオープンプロUSTと同価格帯だ。
しかし、冷静にスペックを読み解くと、リム単体の重量はXR-300の実測値とほぼ同じだし、32Hしか設定が無いXR-31Tと違って穴数を選べるし、30mmハイトクラスのアルミWOリムで 20H、24Hといった穴数の少ないモデルはただでさえ希少なのにオフセット形状まで用意してくれているという、なんだか良さげな要素がてんこ盛り仕様。
最近流行りのワイドリムを自分で手組出来るうえに、手持ちのXR-300と比較実験出来るという個人的興味もありました。
11s時代を生きる自作手組みホイール派自転車乗り(超少数派)として手を出さない訳にはいきません。
【触ってみた印象】
前記の通りXR-300とパックスリムの重量はほぼ同じですが、手でリムを持つとワイドリムのボリューム感のせいかXR-300より若干軽く感じます。比重(?)リム体積重量比(?)のせいなので多分気のせい。
継目や仕上げ等はXR-300同等。奇麗で高品質です。
オフセットに関しては、触るとすぐに左右非対称なのが分かりますが見た目はあまり分からないです。なんせ分かりにく過ぎて写真撮影を断念した程だ。(笑)
【外観】
パックスリムの外観は色も仕上げもXR-300のブラックと酷似していますが、リム単体でXR-300と並べて比較すると幅が全然違うのですぐ違いに気付きます。
左:パックスリム前輪
右:XR-300
左:パックスリム前輪
右:XR-300
しかし、ホイールを組み上げ、タイヤ(GP4000SⅡ 23C)を装着した状態ではよーく見ないとXR-300と見分けが付きません。遠目から見たら間違えること必至。
左奥:XR-300で組んだホイール(妻の平地メイン用普段履きホイール)
右手前:パックスリム後輪用で組んだホイール(私の実験機2号)
※タイヤは妻も私もGP4000SⅡ(23C)を使用。
※ホイールは両方とも私が組んだものです。念のため。
前後方向から見るとこんな感じ。よく見ると、パックスリムの側面とGP4000SⅡ(23C)のサイドウォールがツライチになっているのがお分かり頂けるかと思います。それに対し、XR-300はタイヤ側面が丸くリム側面よりも出っ張っています。
左:XR-300
右:パックスリム後輪
左:XR-300
右:パックスリム後輪
※今更ですが、写真内のホイールの並びが前半後半で左右テレコになってますね(^^;
見辛くて申し訳ございません。
【組んでみた感想】
TNIエボライトハブ(11s)と星の#14プレーンスポークの組合せでパックスオリジナルリムとノーマルのXR-300の両方の後輪を組みましたが、パックスリムはオフセットの効果で左右のスポークテンションが小さく、動的リムセンタ(※私の造語です。下記URL先のレビュー参照)も比較的出し易い。これが本当に11sハブで組んだ後輪なのかと思う程組み易かったです。
【参考文献】組みかけ又は分解しかけのホイールを使った応力解析シミュレータ
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=15181&forum=48&post_id=26320#forumpost26320※ちなみに、シミュレータホイールに使っているリムはパックスオリジナルリムです。
XR-300の弱点と言えばリムの継ぎ目の重量がやたら重くホイールバランスが悪い事が上げられますが、パックスオリジナルリムはこれも改善されている模様。ホイール完成後に普通にタイヤを装着したらチューブ(Michelin AIRSTOP A1 BUTYLの40mm)のバルブと釣り合ってバランスがほぼ取れてしまった。
【まとめ】
11s仕様のアルミWO手組ホイールを自作するなら非常に組みやすく扱いやすいリム。ちょっと高めの値段設定ですが買って損は無いと思います。
11s&ワイドリム時代になって自作手組みホイール派自転車乗り(絶滅危惧種)には生きづらい世の中となっておりますが、このリム以外にも各社よりひっそりと(そして続々と)手組み用新作オフセットリムやディスクロード専用リムがリリースされております。
近い将来、自分でパーツを選ぶ手組ホイールがもっと面白くなっていることを期待。
価格評価→★★★★☆
評 価→★★★★★
<オプション>
カタログ重量→ 470g