購入価格 ¥往復3,900円+手荷物料金1,000円×2
伊豆大島への往復航路の割引は、竹芝桟橋を前日の夜に出発して当日朝に到着する大型船でのツアーが知られているかと思います。自転車旅行の準備を済ませて乗船し、寝て起きれば目的地!というのは、非常に理想的な旅の形です。
とはいえ、裁量労働制(裁量があるとは言ってない)で働き、日々深夜残業を強いられている社畜には金曜日の22時は普通に会社にいる可能性が高い時間。その行程でツアーを組むのは、エスポワール号に乗船するより危険すぎる賭けです。
そうなると、熱海からジェット船で往復すれば…という選択肢が浮上してきますが、往復1万円近い通常価格は、瀕死状態の懐事情にトドメを刺しかねません。
先生……!! 格安料金でジェット船を使って伊豆大島に行きたいです…
そんな哀れな子羊の願いを、東海汽船さんが叶えてくれました。「往復高速ジェット船利用!驚き価格!便限定の大島往復きっぷ (東京・熱海・伊東)」なら、1月の通常価格8,920円が、実に56%オフの3,900円に!これなら手が出せます。
そしてもう1点。伊豆大島は一周すると約46.6km。この距離なら貧脚の自分でも、帰りの便の出航時間までに一周して、日帰りすることが全然可能。つまり宿泊のための費用も、家庭内での調整も不要なのです!
しかし、よく見てみると出発が昼近くだったり、復路の時間が早かったりと、なかなか日帰りに使えそうな便がありません。そんな中、土曜日で往路は朝9時10分発/10時30分着。復路は16時10分発/17時30分着、という日程を見つけて早速予約しました。
ちなみに2018年4月1日に発表されている、4月9日~6月30日実施分の格安ツアーは往復3,500円で、5月7日以降なら土日に日帰りできそうな予定が組まれています。
(参考)
http://www.tokaikisen.co.jp/info/info_0000854.html熱海港を朝9時10分に出発する便に間に合うよう熱海駅に到着するのは、新幹線でも東海道線でも容易でしょう。ですが問題は、そこから熱海港までの行程です。自走してもいいのですが、ジェット船には輪行状態での乗船になるので、輪行解除→輪行準備という手間が2倍になります。それは面倒すぎる…。と、頭を抱えているところに、熱海港までの路線バスには輪行状態の自転車をそのまま乗せられる。しかも通常料金で!という情報が。
東海バスのサイトにはその記述が見つかりませんでしたが、結論から言うと熱海駅から熱海港まで、輪行袋を持って普通に乗車できました。さすがに混雑している便は避ける必要があると思いますが、片道230円で輪行の手間が一回省けるなら安いものです。
熱海港では、窓口で予約番号を伝えて発券しますが、その際に自転車を持っていることを伝えて手荷物料金1,000円を別途支払います(船内の限られた荷物スペースに置かれるため、混雑時は持ち込みを断られるリスクがあるそうです)。
ジェット船の旅は、快適そのもの。シートはリクライニングこそしませんが、乗船時間は1時間と少しですし、シートピッチも狭苦しさを感じるレベルではないです。私が乗船した日の揺れは、新幹線ぐらいの印象。非常に安定しているので、船が苦手な方でも何とかなる…かもしれません。
今回は、元町港への着岸。船を下りたら桟橋を百メートル以上歩く必要があり、地味に堪えます。桟橋の端に着いたら、すぐに自転車を組み立てて出発です。走り出したのは11時少し前。帰りの便は16時10分発ですから、15時30分には港に到着しておきたい。となると、走行可能時間は実質4時間半。登りでペースがダダ下がりすることを考えても、まぁ問題なく戻ってこれるだけの余裕はあります。とはいえ、よく考えてみると、なにかトラブルが発生したら途端にスケジュールがヤバくなるというリスキー具合。実は時間的な余裕、全然ありませんでした…。
今回は、「同行したメンバーの非常に強い希望(本当)」により、三原山にヒルクライムしてから大島一周道路に向かうというルートを選択。北側の約3分の1をカットする形にして、およそ3時間半で元町港に戻れました(ただし、途中で食事や観光はほぼ無し)。残った時間で食事をしたり、サンセットパームラインを走ったりしていたら、アッという間に帰りの便の出航時間です。
再びジェット船に乗船して熱海港へ。9時10分の出港から始まって、17時30分に戻ってくる弾丸ライドは無事終了。熱海駅までの路線バスは、1本見送ってから乗車すれば余裕でした。
●ジェット船を使って往復する、伊豆大島日帰り弾丸ライドまとめ。
1)交通費
・熱海港~伊豆大島
¥往復3,900円+手荷物料金1,000円×2
・熱海駅~熱海港
¥230円×2
※ICカードの使えない昔ながらの車両(お釣りがあるときは車内で両替する)も混じっているので、予め小銭を用意しておくと吉。
2)伊豆大島の走行事情
・47.80kmで、1,158mUPの坂地獄(三原山ヒルクライムありの場合)。
・アップダウンの繰り返しで平坦路があまりない。上ってる時間が長く、下りは一瞬。坂ばっかでキツい…という辛い記憶が残る(極めて個人的な見解)。
・海沿いで平坦なサンセットパームラインが最高。ここだけ往復していたい…(極めて個人的な見解)。
・車が極端に少ない(特に島の東側)。路面状態も良好で、非常に走りやすい。最高。だがしかし、島の東側の道路はあまり見晴らしのいい場所が無い…。
あと、わかっていたことですが、日帰りだと本当に「走るだけ」になります。伊豆大島を満喫するなら、やはり1泊するのがオススメです。それと、輪行袋を持って桟橋を延々歩かされたり、狭い路線バスの中を歩いたりするので、走って疲れる以上に輪行でライフを削られます…。
▼元町港に着岸。船から自転車を降ろしたら…
▼桟橋の入口まで、自転車を抱えて延々歩かされます。
▼「来い!ヒル(峠)クライム(罪)の時間だ!」容赦なく三原山方面にハンドルが向けられる。
▼三原山から見下ろす、大島空港付近(多分)と大海原。
▼筆島。前半の坂はとりあえずやっつけた、という安堵に浸る。
▼地層大切断面。通称バウムクーヘン。地球ヤバイ。
価格評価→★★★★★(激安!使わない方が損!)
評 価→★★★★★(伊豆大島に最も手軽に自転車を持って行く手段のひとつ)