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タイヤの転がり抵抗はどこから来るか。
どこを見ても、タイヤの変形に起因するヒステリシスロスの話しかほとんど目にしない。
もちろん、私が見つけていないだけかもしれないが。
濡れた路面を走ると、あれっ?軽い、と感じたことは無いだろうか。
別に根拠がある訳ではないが、小径で太めの低圧タイヤの方が顕著に表れるような気がする。
これを、ヒステリシスロス説で説明しようとすると、
…
タイヤが水に濡れて、冷えて、固くなるから変形しにくい、とか。
まるで、むりくり(方言?)こじつけているとしか思えない。
自動車のタイヤに関する論文とかを見ると、「凝着」なんて言葉も出てくる。
文章読むの大嫌いだから、ああ、路面に貼りついて剥がすときの抵抗を言ってるんだな、と勝手に解釈してみる。
確かに、自動車で濡れた路面を走っても転がりが軽くなった気がするから、これかもしれない。
でもね、「コンパウンドて何?」とか平然と言ってのけそうな、ロクにグリップしない安物タイヤでも同様の現象に遭遇する。
基本的に円筒面で接地する(対地キャンバー変化が少ない)自動車タイヤとはまた違う、何か面白い理屈は無いかと考えてみた。
分かり易くするために、極端に太くて小径のタイヤをモデリングしてみる。
ちなみに、解析ソフトは持っていないので、形だけ。
接地面をフラットにカット。
真下から見るとこんな感じ。
タイヤに赤い線を引いて左から右に転がしてみる。
(動かなかったらごめんね)
これをボーっと眺めていると、接地中央部と周辺部の速度の違いに気づく。
中央のA点がA'まで距離LA移動する間に、外周のB点はB'まで距離LB移動し、その距離が異なっている。
つまり、接地初めから終わりまでの間に動く速度が場所によって違うので、滑りが起こって摩擦抵抗を生じる。
あるいは、滑らないほどグリップが良ければ、トレッド面のゴムが内部で剪断変形してヒステリシスロスを起こす。
「剪断変形」は、このケースでは、500枚重ねたコピー用紙を下に押し付けながら、水平にグイっとずらすような状態。
(余計分かりにくいか?)
実はこの現象、ボールベアリングの世界では常識の一つ、「差動滑り」に似ている。
http://www.jalos.jp/jalos/qa/articles/012-S56.htmアチラは、ボール半径より数%曲率が大きいだけの溝が相手なので、見かけの回転半径自体が違っていて分かり易い。
こちらは、見かけ上平面(厳密にいえば地面も凹んでいる)で接触するから関係なさそうに見えるが、上記のように差動滑りは起こる。
ちなみに、ころ軸受けでは差動滑りが起こらないのと同様、自動車タイヤには(端っこ以外)無縁のはず。
さて、ここから数式を立てて滑り量を分析すると面白そうだが、実際にはトレッドゴムの変形が無視できないレベルっぽいし、その辺のデータがまるで手元にない。
ということで、本稿は仮説を立てっぱなしでトンズラすることになる。
JOKEカテゴリってことで、ご容赦を。
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