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2017年10月21日土曜日。
今年で8回目を迎えた、Japan Cupクリテリウム。
JR宇都宮駅から西に向かう通称 「大通り 」 に2.25kmの15周回(というか往復)コースが設定されます。昨年から少しだけ1ラップが長くなりましたが、その程度の延伸では最早、観衆の増加に対応できないほどの(?)大きなイベントに成長しました。しかし今年は小雨模様。長く続く天候不順と北上中の台風を考慮して、早々と宇都宮行きを取りやめにした方も多かったのかもしれませんが、それでも多くの観衆が集結しました。
レースに先立って今季で現役を退くといわれるコンタドール選手のセレモニーが行われましたが、コンタドール選手曰く、
「大きなサポートに驚いた。また必ず日本に戻ってきたい」
と。
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午後3時40分頃、およそ3分遅れで、明日のコンディションが思い遣られるやや不穏な天気の中、スタート。サッシャ氏の軽快な実況アナウンスを聴きながら池上町の第一コーナー付近で観戦。
全体を通してTREKがレースを支配し続けます。
非常に美しいフォームが印象的なコンタドール。ついに生で観てしまいました。別府選手の三連覇のために走ったのではないでしょうか。3周回辺りでは自らペースメイクをする献身的な(!)コンタドールが見られました。
フォトグラファー・砂田弓弦氏は今年もJapan Cupを撮っています!(真ん中のひと)
レースは最終周回の最終直線で落車が発生し、だからなのか?一気に集団のエントロピーが増大しました。この無秩序をうまく抜け出して、NIPPO・ヴィーニファンティーニのCANOLA Marcoが見事、勝利しています。
何度観ても思いますが、生で観ないとプロ選手のスピードの凄さというのはわからないですねぇ。
Japan Cup クリテリウム・・・
熱気は今年も本物、でした。
鈴木真理選手が12周回目のスプリント賞を獲得しました。宇都宮ブリッツェンの現ゼネラル・マネージャにして同チーム創設を志した張本人である廣瀬佳正氏の長年の盟友であり、同チーム創設時の影の立役者である鈴木真理選手の、同チームでの最終レースが今日のクリテリウムでした。錚々たる戦歴の持ち主である鈴木選手の哲学者のごとき名前にグッときますが、鈴木選手の勇姿を目撃することもでき、ちょっと感激してしまいました。
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ベルギーのヘンドリック・ルダンがゴールを駆け抜けた第一回から明日で26回目のJapan Cupサイクルロードレース。日本での自転車ロードレースの市民権獲得が夢のような話だった時代から四半世紀。Japan Cupサイクルロードレースは日本の秋を彩るアジア最高位の自転車イベントに成長しました。そして、前日開催のクリテリウム。今年も大いに盛り上がりを見せました。Japan Cupがこれほどまでに世界に誇れる大会になるなどと、一体、誰が想像したでしょうか。明日も大勢のファンが古賀志林道に集結し、世界トップクラスの「本気の走り」を目撃することでしょう。
評 価→★★★★★
年 式→2017
えー、さてさて。
今年もやってきました市街地クリテリウム。しかもロード世界選手権の街、宇都宮での開催。一体、弱い雨が降るこの日、ツールドフランス最終日のシャンゼリゼ通りかと見紛う餃子の街・宇都宮は、どうなってしまったのか・・・!?
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宇都宮駅から会場に向かって歩いていると、私の前を20歳前後の若者2名がロードを押して歩いています。どこからか自走で来ているのでしょうが、話す言葉が栃木県の言語ではないので訊くと、
「神奈川です!」
驚きました。
昨年のカンチェラーラのかぶりものに引き続き、この人は今年もやってくれています!!
雨にもかかわらず人気のある露店には長蛇の列が・・・
アーケード商店街「オリオン通り」・・・見上げれば恒例の横断幕がズラリ
県庁へと延びるこの道路はこんな具合に封鎖!
おなじみパイオニアのパワー・アナライザのデモ。ことしもやっていました。
・・・これは私の前に乗られていた方の時の画像
まだ売ってもいない頃からCBN上で散々、これはスゴイと言っていた割に、自分で一度も試したことがなかったので、今年はやってみました!12本の矢印が円の接線をなすようにズラリ並んで、パイオニアの方は
「あれっ!?これはものすごいスムーズですねぇ!パワーメータは初めてですか???」
などと褒めちぎってくれたので、今日が初めてなのに、
「これは計測器。究極のベクトルアナライザですね」
と言い放ってしまいました(笑)。(パイオニアのこれ自体には大変興味があるのですが、実はパワーメータを使うことには興味はほとんどありません!)
バイク・エクセサイズの集団体験コーナー。集団でやる、というのがポイントじゃないでしょうか。手段でやるから高揚感が得られ、もしかしたら宗教的な高揚感が・・・
Welcome クリテリウムと題していくつかの地元バンドが盛り上げていました。欠かせません!・・・ここでゲイリーバートンクインテットみたいなのが出演してたらなぁ。。。(バカ言ってるんじゃねぇ!)
今年もやっていた括目の穴場、Cafe MIHASHIの手作り雑貨。
ずいぶん昔、初めてこのCaféに入った時に自転車本が結構あるなあとは思っていましたが。。。・・・今年はチェン柄の手ぬぐいをゲット。ちょっとはずれにある上、小雨模様だったのですが、お嬢さん二名のお客さんが何やら。
「自転車のお客さんじゃないですよねぇ?」
と思わず訊いてしまいました。
というわけで、弱い雨でしたが、実は気温はそれほど低くはなく、自転車用のレインウエアを着ていれば楽勝の天気でした。夢のようなひと時。今年も楽しかったです!
こんな時はさっと帰るのが、余韻を楽しむコツですよねぇ~♫
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(以下100%脱線!)
宇都宮市行政当局は東側の工業団地とJR宇都宮駅を結ぶ距離15kmほどの新都市交通(LRT)の開業を2022年3月に設定しています。これを、西側に延伸するという動きもあり、そうなると、この大通りにもLRTの軌条が敷設されることになります。これが実現すると、少なくとも西側の工事が開始される頃までには、Japan Cupクリテリウムも一つの転機を迎えることでしょう。これからの暮らしを考えた時、宇都宮市に本当にLRTが必要なのか、という議論は根強くあり、昨年11月の市長選では、LRT反対という争点のみで立候補した新参候補に僅差で勝利した現市長は、LRTという争点に関しては事実上、完全に敗北しており、民意は二分されたままとなっています。
「LRTがここを走れば、このクリテリウムも開催できなくなります」
淡々と訴える宣伝カーが大通りを通過したのを、昨年のクリテリウムの会場で目撃した人も大勢いらっしゃることでしょう。
本気度100%の走りが世界選手権の舞台、古賀志林道で繰り広げられるからこそ意味があるJapan Cup、そして、その前日、大胆にも駅前大通りを封鎖して開催するからこそのJapan Cupクリテリウム。
大規模工業団地を擁する地方都市の市民の足として機能するのか、それとも時代錯誤の負の遺産として税金を食いつぶしていくのか。地方都市での社会実験としてのLRT事業を、Japan Cupクリテリウムの行方とともに注視していくのも一興かもしれません。