2017年4月30日に現地調査(笑)してきました。
地の平林道は福島県、茨城県で山頂を分ける八溝山(1022m)の山域の林道です。
*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*
八溝山は以前、オンロードで栃木県側から山頂まで登坂したことがあります。
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=6538&forum=124これより遥か以前には登山道を登った(無論、歩きで)こともあり、舗装路、未舗装路、登山道の三冠(笑)を達成すべく今回は未舗装林道をMTBで登坂して八溝山頂に行ってみようと思い、800mの標高差も魅力的な福島県側の「真名畑林道」を登坂しようと企てていたのですが。。。
以前、茨城県の一本杉峠で酷い状況に出くわした教訓を踏まえ、まずは、WEB上の走破レポートを辿って八溝山系の林道を少々調べてみました。
この辺りの林道は、林野庁関東森林管理局棚倉森林管理署の管轄となっています。主に二輪関係のレポートを有り難く読ませていただいた後、棚倉森林管理署の文書を調べるうちに、「平成23年度 棚倉森林管理署 公共工事発注見通し」という、林野庁関東森林管理局棚倉森林管理署の署長名で記された文書に行きつきました。
http://www.rinya.maff.go.jp/kanto/tanagura/koubai/pdf/h23koukyoukoujihattyuumitoosi.pdfここに「地の平林業専用道新設工事」、「地の平林道改良工事(H23補正)」との記述があります。
さらにこの文書。
http://www.rinya.maff.go.jp/kanto/tanagura/koubai/pdf/h25hoseirindoutinotaira.pdfこれは「平成26年度 棚倉森林管理署公共工事契約状況」となっています。ここに再び「地の平林業専用道新設工事」が現れます。
さらに次の文書。
http://www.rinya.maff.go.jp/kanto/tanagura/koubai/pdf/160317-22.pdfこれは「平成27年度 棚倉森林管理署公共工事契約状況」。ここにも「地の平林業専用道新設工事」が再出します。
「地の平林道」・・・WEB上の走破レポートには登場してこない林道です。比較的新しい林道なのでしょうか?しかも、毎年のように「新設工事」を行っているようにも読み取れます。新しすぎてあまり知られていないとか?それとも一度も開通したことのない不遇の林道なのか?山系MTBerの報告も見つからないとなれば、ますます確認したくなってきました。その筋(?)の知人に尋ねて地理院地図上の所在も判明しました。行き止まりの道のようです。
というわけで現地調査に出かけてしまいました。八溝山直登は後日ということで。
(悪い癖です・・・)
*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*
朝4時前に自宅を古い小型車で出発。林道起点から500m手前の県道196号線の駐車スペース(福島県塙町真名畑折戸)に5時15分着。水を900ccほど一気飲みしてからスタート。
●5時25分 走行開始
標高234mからのスタートは靄の中。気温は6℃程度でしょうか。県道からすぐに左に入ると、林道真名畑線。最初の2.5kmは舗装路です。上の概略図では舗装路を黒線で示しています。緩い上り勾配を進みます。
●5時35分舗装路終点
ダート入り口に「通り抜けできません」の自動車向け表示があります。
ダートに入ってからも良好な路面で緩い登坂を楽に進みます。そりゃもう、いい気分。眼下の八溝川に転落しないように多少気を付けます。やがて二股分岐で、右手が畑の沢林道。左に進みます。
再び二股分岐。右が八溝山に至る本線、左が真名畑林道茗荷分線です。左に進みます。
●5時51分、ダートに入って3km付近に八溝橋。八溝山から流れる渓流、八溝川を渡る橋です。申し訳程度の鎖が道路を塞いでいます。薄暗いと見えずに突っ込んでしまうかも?
●6時5分、真名畑林道茗荷分線銘板。
●6時5分、林道分岐を右へ、ちなみにここを左に行くと茗荷川沿いの林道高笹山線で標高700mを越えて行き止まりとなるようです。
●6時14分、ヘアピン分岐でゲートが双方にあります。右にヘアピンカーブすると茗荷線本線で、やがて行き止まり。まっすぐ進んで茗荷林道を出口方面へ進みます。
●6時22分、茗荷線から右折して茗荷川を渡る高笹山第一号橋は高笹山の山麓部。
●6時30分、ついに、「地の平林道起点」の標識が出現。ゲートがありますが、なかなかよさそうな道です。(と最初は思った・・・)
●6時36分、11kmあたりで道が荒れ始めますが、あとから思えはまだ普通の道、でした。
●6時41分、11.56km。結構ひどいですねぇ。
●6時47分、「自転車と人は左」の注意書き。現場の状況から察するに、右側を歩くとヘタすれば奈落の底に落ちて、生きて帰れませんよ、という意味らしい。まるでJOKEのような注意書きですが、そんなに古くないように見えます。どうも、自転車が通行できる平和な時代が存在したようですが、その期間はかなり短いと思われます。
●6時50分過ぎ、軽ワンボックスに乗った地元の百戦錬磨なお年寄りがたばこをくわえて下ってきました。ご老人曰く、
「この先、行けねえヨ、石がすごいし、木もたくさん倒れてんだぁ。歩ってくのも大変だぞぉ」
「はい、ダメだったら引き返しますので、どうもありがとうございます」
「きいつけてな」
山菜取りの帰りだと思われます。地元の人はゲートを開ける鍵を持っている、というあれですね(?)。
●7時、ガレ場本格始動・・・なるほどこの先、よせては返す波のような凄いガレ場が、延々と。先ほどのお年寄りはこんなところまで山菜取りに来ているのか!やっぱり百戦錬磨。それにしてもえらくフレッシュな石ころで、いちいち角が尖っています。こんなものをサイドでスカッと踏んだら簡単にパンクしそうです。というわけでほとんど押しですが、押すだけでも多少の慎重さが必要となります。下に敷かれた路面普請用の小石がずいぶん新しいような気がしますが、法面から崩れ落ちた石たちは、さらに新しい、ということになります。結構危険な道です。ときどき担ぎが入りますが、まあそれにしても今どきのMTBはきついスローピング角度のおかげで、本当に担ぎにくい。奈落の底にMTBを落とさないように注意しないといけない箇所もあったりします。
そんな中にも癒しの景色が・・・
●7時45分、ついに終点到着。標高532m。17.29km。最後の3km、45分間はまさに死闘(笑)。しかし、ここから折り返して再びガレ場と格闘するのかと思うと、急に腹が減ってきて、持ってきたバナナを食します。まあ、あとは戻るだけだし、大したこと無いゼ!と思うことにして、Uターンします。茨城の一本杉峠を大きく超えるヤバい道で、またしてもヘンな度胸がついてしまいそうです。まあしかし、鎖場やトラロープ、梯子が連続する栃木県足尾方面の某山域の登山縦走よりは安全かも?比較しても仕方ありませんが。
●8時27分、このシューズ、歩けるSPDシューズじゃないとダメだということで、近所の自転車店で注文して新しく購入したシマノのクリッカー・シューズですが、たった一日でとんでもない酷使を強いたものです。角が尖った石の上を延々歩いたので、もうザクザクじゃないか?まあ、それは良しとして、思いました。
このシューズ、ガレ場踏破性が結構いいぞ!
底の硬さが奏功しているとはいえ、それにしてもガレ場で歩きやすい。普段着の時に履いているMontrailのトレランシューズより良好。底の滑りにくさもまずまずで、意外な発見と相成りました。ちょっとした山なら登れます。本日最大の収穫。
●8時29分、ようやくいいところまで脱出!スッキリした~。20.92 km
●8時39分、地の平線のゲートまで戻ってきたところで、地元の軽ワンボが麓から上がってきてゲート前に停まりました。このご年配に話を伺ったところ、昔この付近で植林作業に従事された方だそうな。どうやらこの方もゲートを開けて山菜を採りに行くみたい。
●9時1分、ケータイ通話可はドコモだけだったようです。
●9時32分、帰還
いやはや、またしてもヘンな度胸がついたサイクリングになってしまいました。次は普通に真名畑林道で八溝山に上って舗装路、未舗装路、登山道の三冠(笑)を達成したいと思います。
・・・振り返れば八溝山
時間 4h07min
走行距離 34km
乗車率80%
平均速度 10.7km/h
最高速度 38.6km/h
危険度★★★★★
体力度★★★☆☆
現地調査結果・・・危険すぎて全くお勧めできないことが判明
評 価→★☆☆☆☆
年 式→2017