購入価格: これまでのカスタムの総額
『見た目・重量・機能を考慮して、本当に必要なものだけを残し、必要のないものを取り外す』
■ カスタムの足し算と引き算とは
ファッションにおいては、おしゃれだと感じるアイテムを足しすぎると全体的なバランスが悪くなり、シンプルさやさりげなさが失われることがある。着飾るのは楽しいが着飾りすぎてもクドくなることは、ファッションの足し算と引き算と表現されることが多い。
自転車のカスタムにおいても足し算と引き算は当然ある。自転車のカスタムが楽しいことは確かだが、パーツやアクセサリーを取り付けすぎると、ゴチャゴチャとした見た目になり、重量が増え、機能が複雑になりやすい。見た目・重量・機能を考慮して、本当に必要なものだけを足し、必要のないものを取り外すことが、自転車のカスタムの足し算と引き算といってもいいだろう。ファッションとは異なり、自転車のカスタムの足し算と引き算は、見た目だけにとどまらないところが面白い。
私はクロスバイクには何度もカスタムを繰り返してきたが、試行錯誤の連続だった。納得できるカスタムができたと感じたのは去年くらい。カスタムの足し算し続けてきたが、ようやく引き算を意識できるようになった。クロスバイクのカスタム前後を紹介するのもいいが、カスタムの足し算と引き算という視点で紹介した方が面白いと考え、今回の投稿を思いついた。
私が所有するGIANT SEEK R3は、もともとシンプルな見た目のクロスバイクだった
■ カスタムの足し算の例
カスタムの足し算とは、機能の追加やワンポイントアクセントなど目的はさまざまだだが、ただ単にパーツやアクセサリーを自転車に取り付けることだ。私がクロスバイクに施した主なカスタムは以下のとおり。思いつくままにパーツやアクセサリーを取り付け、カスタムの足し算をし続けた結果がこれだ。
・コンポーネントのアップグレード (ACEAR→DEORE、DEORE XT)
・SPDペダル
・その他のパーツ (バーエンドバー、ブレーキレバーエクステンションなど)
・アクセサリー (サイコン、サドルバッグ、ワイヤーロック、携帯ポンプ、キックスタンド、ミラー、気づきベル、トップチューブパッドなど)
・カッティングシートで作ったロゴ
・差し色 (ブルー、ホワイト)
カスタムの足し算によって、私のクロスバイクはますます乗りやすくなった。何より、カスタムの作業自体がとても楽しかった。当時の私は、徹底的にカスタムしたこの姿をかっこいいと思っていたし満足していた。だが、現在では好みが変わったため、パーツやアクセサリーを足しすぎて、ゴチャゴチャとした見た目だったと感じている。もう少しすっきりした見た目や必要な機能を意識して取り付けるべきだった。
思いつくままにカスタムの足し算を行なった結果、ゴチャゴチャとした見た目になってしまった
■ カスタムの引き算の例
カスタムの引き算とは、主にパーツやアクセサリーを自転車から外すことだ。見た目をすっきりさせるだけでなく、機能をシンプルにしたり、軽量化したりすることも含まれる。私は引き算のカスタムをクロスバイクの見た目をすっきりさせるために行ったが、結果的にこのことが機能をシンプルにし、軽量化にも貢献したと感じている。
必要な機能を残しつつカスタムの引き算を行うのは非常に難しいので、カスタムの引き算の方法は詳細に述べようと思う。具体的な方法は以下のとおりだ。なお、足し算のカスタムにおいても同じことを意識すれば、すっきりした見た目のまま機能を追加できる。
・使用頻度の低いパーツやアクセサリーを外す
バーエンドバーとブレーキレバーエクステンションは、走行中にほとんど使わないので外した。また、クロスバイクにはキックスタンドを取り付けており、トップチューブを柱に立てかけることもないため、トップチューブパッドも外した。最近ではGARMIN Edge Remoteも外した。使うか使わないかわからないものは、外したほうがすっきりとして見える。
バーエンドバーを外すだけでも見た目はすっきりする
・携帯ポンプやロックをフレームから外す
携帯ポンプは付属のブラケットでシートチューブに取り付けていたが、Airboneのミニポンプに交換してサドルバッグの中に入れた。ワイヤーロックはバッグの中に入れて持ち運ぶようにした。現在はU字ロックを主に使い、パンツの後ろに差して持ち運んでいる。携帯ポンプやロックはサイクリングに必須だが、フレームに取り付けるのをやめれば、ブラケットを取り付ける必要もなくなって見た目もすっきりする。
フレームから携帯ポンプやロックを外すことで見た目がすっきりする
・カラーコーディネートをほどほどにする
フレームのデザインやカラーを引き立てるために、同色のパーツやアクセサリーを追加したり、差し色を入れたりするカスタムは視覚効果が高い。だが、やりすぎるとゴチャゴチャとした見た目になりやすく、フレーム以外の部分に視線が分散してしまう。だから、カラーコーディネートはほどほどにした方がいいと私が考えている。
ハンドル周りのブルーの差し色をやめたらシンプルになった
・ロゴを消す
もともと、私のクロスバイクのフレームとフロントフォークには大きなロゴは入っていなかった。これでは見た目に寂しい感じがしたので、カッティングシートでロゴを追加した。ただ、これもやりすぎると見た目がゴチャゴチャしやすいので、一部のロゴは消した。具体的には、ヘッドチューブのカッティングシートのロゴ、ステムのロゴ(除光液で除去)、ホイールのシールの一部だ。フレームを際立たせたいなら、ホイールやハンドルなどの外側にあるものは、できるだけシンプルにしたほうがよい。
ステムのGIANTのロゴを除光液で除去
・シンプルなデザインのパーツやアクセサリーに交換
シンプルなデザインのパーツやアクセサリーに交換することで、全体的にすっきりした見た目につながる。2色以上のカラーや複雑なデザインのものを、単色のシンプルなものに交換すれば特に効果的。具体的には、グリップ、サドル、サドルバッグを交換した。また、ブレーキレバーを3フィンガーから2フィンガーに変更することにより、パワーモジュレーターを取り付ける必要がなくなり、アウターケーブルもすっきりした。
シンプルなデザインのサドルに交換することで、見た目には引き算のカスタムになる
以上のカスタムの引き算を行なった結果が以下の画像。必要な機能をほぼ損なうことなく、すっきりした見た目を実現できた。取り外したパーツやアクセサリーのぶんだけ軽量化にもつながっている。ディレイラーガードやキックスタンドを外さずに、多目的に使えるクロスバイクらしさを出しているのがポイントだ。
カスタムの引き算ですっきりした見た目になった。機能や乗り味もほぼそのまま
■ 総評
クロスバイクのカスタムで試行錯誤しただけあって、最終的に必要な機能をほぼ損なうことなく、すっきりした見た目を実現できたので満足している。パーツやアクセサリーをどの程度取り付けるか、つまり、カスタムの足し算と引き算をどの程度行うかは、好みや用途の問題になる。特に見た目にこだわると難しくなり、見た目と機能を両立させようとするとさらに難しくなる。
自転車を手に入れたばかりの頃は、何が必要かわからないのでカスタムの足し算になりがちだが、ある程度カスタムが進んできたらカスタムの引き算も意識しやすくなる。個人的には、長年使い続けて愛着があるパーツやアクセサリーを外すことで、自分にとって新しいカスタムの形が見えてくるような気がした。
これまでの経験を生かして、シングルスピードにはサイコン、サドルバッグ、ボトルケージ(増設)をすっきりと取り付けられた
価格評価→★☆☆☆☆ (勉強代)
評 価→★★★★★ (試行錯誤しただけあって満足)
<オプション>
年 式→ ー
カタログ重量→ ー