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[ROAD] FTB QUARK (2017)


 
baru  2017-5-19 21:20
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[ROAD] FTB QUARK (2017)
購入価格 ¥150000 (フレーム+フォーク+塗装)


自転車工房・細山製作所のロードバイクフレーム。私の中では、初めてのオーダーフレームです。

余りにも長くなりそうなので、「前編(オーダー完了まで)」「後編(納車・実走まで)」に分けてレビューします。



■製作動機
「いつかはオーダーフレーム」と言うのは、自転車乗りの多くが持っている夢だと思います。私も毎年開かれている「ハンドメイドバイシクル展」は欠かさず見に行っており、年々自分の中での関心も高まっていました。

そんな中、ロングライド・ブルベ用のメイン機として使っていた「LAPIERRE XELIUS」がそろそろ限界を迎えようとしていました。「カーボンフレームに寿命は無い」とも言われますが、走行距離は5年で5万km。そろそろ休ませたほうが良いでしょう。本来は、ディスクロードである「SCOTT SOLACE DISC」がその位置に収まるはずでしたが、走行性能には全く納得が行っていませんでした。

そんなある日。不定期に行っている企画「サイクルショップ巡り」で、細山製作所を訪れる機会を得ました。そこで、連れが長いこと探していたパーツを発見。その日はパーツを買っただけで帰ったのですが、実際の工房を見たインパクトは中々頭を離れませんでした。

その後、次期ロングライド用フレームを考える中で浮上してきたのが、オーダーのスチールフレームという選択肢です。

候補に挙がっていたのは、RAVANELLO、MAKINO、LEVEL、NAKAGAWAなど。どこも魅力的ではあったのですが、一番縁を感じた細山製作所を選ぶことにしました。

第一の理由は、ビルダーの細山さんが「東京~糸魚川ファストラン(以下、糸魚川)」の常連であったこと。私の原点も「糸魚川」。やはり、使い方を具体的にイメージが出来る人の方が、希望に合ったフレームが出来るのではないかと考えました。

第二の理由は、「CBNの仙人」Glennさんが細山製作所を選んでいたこと。仙人をして、「数十年経ってもベンチマークであり続ける」と言わしめるフレームを体感してみたくなりました。

こうして、オーダーを決意。まずは、オーダーに向けて、自分の構想を固めていくことにしたのでした。



■構想
せっかくオーダーをするという事で、まずは自分の要望を具体化していくことにしました。具体化した情報は、印刷してオーダー当日に持参しました。


(1) 用途
前述のように、ロングライド(ファストラン・ブルベ・ツーリング)用途。レース用のロードバイクはSCOTT FOILがあるので、ロングライドに振った性格のものにしようと考えました。

ただ、ファスト志向と言うこともあるので、「なるべく軽くしたい」とも考えていました。フレームはなるべく軽いパイプを使い、荷物積載のための特殊工作は無し。泥除けなども、ロードバイク用の軽量なものを後付する想定です。


(2) ジオメトリ
基本的にはビルダーさん任せの想定。ただし、スローピングフレームにすることは決めていました。


(3) カラーリング
バイクカラーは「黒メインで赤を刺し色」にすることにしているので、その方向性で考えました。


あまり凝ったカラーリングに出来るセンスもないので、なるべくシンプルに塗り分けたいと考え、ラグのみを赤くする方向でイメージ画像を作ってみました。パワポで。


(4) ブランド
細山製作所は、2ブランドを持つ珍しい工房です。レース用途の「QUARK」、ツーリング用途の「FUTABA」。今回は用途的にはFUTABAなのですが、QUARKブランドでお願いしました。



■オーダー

2016年12月25日。いよいよオーダーです。3日前にメールで予約し、指定時間に東林間の工房へ。

当日は以下のものを持参しました。

 ①普段乗っているロードバイク(LAPIERRE XELIUS)
 ②ロードバイクに乗れる装備
 ③設計書
  ・要件一覧
  ・LAPIERRE XELIUSのジオメトリ
  ・カラー指定


(1) 要件説明

とりあえず、こちらの用途を伝える所から。

私はレースというよりはロングライド党。そしてロングライド党の中でもファストラン派。私と同じく「糸魚川」を好む細山さんに、その方向性でフレームを作りたいことを伝えました。「糸魚川」の名を聞くと少し顔つきの変わった細山さん。ここ数年は出場されていませんが、かつては最速タイムを出したことがあるお方。やはりイベントへの思い入れは今も強いようです。

ファストランだけではなく、ブルベにも使いたいことも伝えました。基本的な方向性としては、ロングライド向けということになります。

また、「クロモリと言えばホリゾンタル」とイメージする人が多いとは思うのですが、今回はスローピングでお願いすることに。私が自転車を始めたのは2008年で、その頃にはスローピングが当たり前だったので見慣れているのです。そこで、軽量かつ高剛性になるスローピングを選択しました。ブルベやツーリングで使うことも考えると、大型サドルバッグを付けるためと言う理由もあります。

ラグについては、「使う」ことを選択。性能的にはラグが有っても無くても大して変わらないそうですが、ラグを差し色に使いたいという理由で「ラグ有り」を選択しました。


(2) 採寸
まずは、今使っているロードバイクの採寸から。

身体を採寸して最適なジオメトリを割り出すビルダーさんも多いですが、細山製作所ではその車種を初オーダーする人にしかそういったことは行わないようです。基本的には慣れている愛車合わせ。ただし、変なポジションなら修正が入るようです。

持参したロードをメジャーで計測。すると、ホームページ上のジオメトリと現物とでは、トップチューブ長が異なることが分かりました。ホリゾンタル換算で550mmの設計のはずが、現物は560mmほど。「よくあることです」と細山さん。

他にも、フロントセンター、リアセンター、シートチューブ長を計測。割りと細山さんの設計思想に近いジオメトリだということが分かり、基本的にはXELIUSのジオメトリをそのまま引き継ぐことになりました。ヘッド角、シート角、リアセンター、フロントセンターは同じ値です。BB下がりは70㎜です。ヘッドセットの厚みを考慮して、ヘッド長はXELIUSから15mmほど短くしています。

続いて、乗車姿勢もチェック。骨盤の角度と揺れを見ている様子。「綺麗に回せていますね」とのご講評。特に現在のポジションで問題がないとのご判断です。

ということで、ジオメトリもポジションもほぼそのままとなりました。今まで乗っていたXELIUS、非常に私に合っていたようです。


(3) パイプ
細山製作所での扱いは、KAISEIが主。基本のパイプは「KAISEI 019」というものです。その他に、TANGEとCOLUMBUSが選べます。

「こんなのもありますよ」と見せてもらったのは、COLUMBUSのオーバーサイズの軽量パイプ。太いパイプの方が好みなので使いたいなーと思ったのですが。「レース用ではないんでしょう? クロモリらしい乗り味を求めるならば、ノーマルサイズのほうがオススメです」という達人の言葉によって、軽量チューブである「KAISEI 8630R」のノーマルサイズに決定しました。それでも8630Rはクロモリの中では硬い乗り味だとか。

その際に聞いたのが、こんなお話。

 「昔ね、短距離タイムトライアル用にかなり太いパイプを使って、ガチガチのフレームを作ったんですよ。
  走り終わったときに、"これは速い!"と思ったのに、タイムはあまり良くなかった。
  多少しなりが合ったほうが、最終的には速いんですよ。」

  
この話は雑誌などでもされていたので、細山さんの哲学なのかもしれません。


(4) 小物
ワイヤー受け等の取り付け方について、まずは「ブレーキはどちらが前か?」ということを聞かれました。左が前ブレーキなのか、右が前ブレーキなのかでワイヤーガイドの位置が変わるそうです。

私は右前ブレーキなので、ヘッドチューブ側のワイヤーガイドはトップチューブの右下に、シートチューブ側のワイヤーガイドはトップチューブの左下に付けることになりました。こうすることでヘッドチューブとアウターワイヤーが擦れることがなくなるそうで。基本的に売っているフレームは左前ブレーキで組むことを前提にワイヤーガイドが設置されており、だから右前ブレーキで組むと不都合が出るということを今回初めて知りました。

その他、チェーンステーのワイヤーガイドと、ダウンチューブのワイヤーガイドについても決定。ラグは、カラビンカのイタリアンショート。特に意匠などの工作は依頼していません。ステー形状は、半集合ステーでお願いしました。


(5) 工作
今回お願いした特殊工作は、ダウンチューブ下にボトルケージを付けるためのダボ穴のみです。その他、キャリア用のダボ穴などは一切無し。あとの積載物は現代的なバイクパッキンググッズでなんとかするつもりです。


(6) フォーク
一番紛糾したのがフォーク。私の当初の要件は以下でした。

 ①ストレートフォーク
 ②コラム径1-1/8のオーバーサイズ
 ③アヘッド式
 
①については、細山さん的にはストレートフォークは出来れば作りたくない様子。「ベンドフォークが好きな細山さん VS ストレートフォークが好きな私」という構図です。ただ、私は先の方だけ曲がったクラシカルなベンドフォークが好みではないだけなので、根本近くから緩やかに曲げたベンドフォークにするということで落ち着きました。

②については、「強度的には1インチで十分」「1-1/8インチはフォークとヘッドチューブでかなり重くなる」「1-1/8のヘッドだとラグの選択肢が減る」という理由から、今回は1インチで作ってもらうことにしました。元々は手持ちの1-1/8インチのカーボンフォークとの差し替えという目論見もあったのですが、それは一旦置いておくことにしました。

③についても、「スレッド派の細山さん VS アヘッド派の私」という構図に。ただ、今回はアヘッド派の私の意見で押し切りました。今まで集めたステムを使いたいので。スレッドは無段階でハンドルの高さを設定できるという利点は知っているんですが、現状スレッドステムの選択肢は少ないのでアヘッドにしています。


クラウンの形状は、「いかり肩」「なで肩」とありましたが、なで肩を選択しました。こちらの方が重量はあるみたいですが、見た目が好みだったので。

フォークのクリアランスについては、ブルベで使用することも考えて、26Cタイヤが入る程度のクリアランスをリクエストしました。


(7) カラーリング
塗装屋さんの用意したカラーチャートを元に各部の色を指定します。

今回、ラグはメタリックレッド、その他のパイプはパールブラックで依頼しました。メタリックレッドは色サンプルが合ったのですが、パールブラックはサンプル無し。という事で、過去の塗装屋さんの作例からイメージに近いものを指定してお願いしました。

ロゴは通常、ヘッドチューブ・ダウンチューブ・シートチューブの3箇所に入れられるのですが、今回はダウンチューブとヘッドチューブにロゴを入れてもらうことにしました。

揉めたのはロゴの色。てっきり塗装で作っているのだと思っていたんですが、デカールを埋め込んでいるとのこと。デカールのパターンは3種類です(白字に金縁、赤字に銀縁、黄字に黒縁)。当初は赤い文字でロゴを入れたかったのですが、白字を金縁取りしたロゴでお願いすることにしました。


修正後の完成イメージ。


(8) その他
想定から完全に漏れていたのはヘッドパーツです。

ヘッドパーツの規格がITAかJISかによって、径が微妙に変わるとのこと。また、スチールの場合はヘッドチューブの下にもヘッドパーツが入ってくるので、ヘッドパーツの厚みでポジションが微妙に変わってしまうことも知りました。そのため、ヘッドパーツは予め用意し、それを織り込んだ設計にする必要があります。


後日、CHRISKINGのヘッドパーツを購入し、細山製作所宛に送付しました。


(9) 発注

こちらが出来上がったオーダーシートです。

内金を納め(今回は4万円)、住所や電話番号などを記入し、発注完了。合計料金は塗装の値段で変わるので、残りの支払いはフレームの納品時となります(最終的にはフレーム+フォークで15万円になった)。納期は3ヶ月が目安とのこと。

 「糸魚川ファストランまでには間に合わせます。」

と言って頂きました。

13時半に工房に入ったはずですが、発注を終えて外に出ると、既に真っ暗になっていました。こんなに時間が掛かる客も珍しいとのこと……失礼致しました。長く付き合うことになるはずの一台、やはり隅々までこだわりたかったのです。



■まとめ
これにて、一旦はオーダーが完了。あとは完成を待つばかり……なのですが、今回は塗装に出す前に、一旦無垢のフレームを見せてもらうお願いをしました。塗装前しか見られないものですので。

今回は初めてのフレームオーダーでしたが、オーダー時には決めるべきことが多くて驚きました。事前に書籍や経験者に話を聞いて、決めることは決めてからオーダーに赴いたつもりでしたが、それでも考慮から漏れていることが多かったです。

次回は、後編です。フレーム完成~塗装上がり~納車~実走までをレビュー予定です。


価格評価→★★★★★(これだけこだわりを詰め込んで、この値段)
評   価→★★★★★(私だけの一台!)
<オプション>
年   式→2017
カタログ重量→ -g(実測重量 1590g+720g)
 
baru  2017-5-27 22:46
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[ROAD] FTB QUARK (2017)
購入価格 ¥150000 (フレーム+フォーク+塗装)

自転車工房・細山製作所のロードバイクフレーム。

後編では、フレーム製作中の話から、納車、実走までをレビューします。



■フレーム完成
12月25日のオーダー後、年明けの1月7日にヘッドパーツを届けました。これが届かないと設計が開始できないので、納期の3ヶ月は恐らくここからカウント。

3月16日、ロウ付けが完了し、無垢のフレームが仕上がったとのことで見に行ってきました。本来はそのまま塗装に出してしまうのですが、今回は事前に見せて頂くようにお願いしていました。


……おお! まだ塗装も何もしていないのに、やたら迫力を感じます。


すっぴんのフレームに会えるのは、基本的にはこれが最初で最後。しかと拝んでおくことにしました。


重量も測定。フレームが1590g、フォークが720g。フレームサイズ(ホリゾンタル換算時のシートチューブ長)としては550mmサイズのフレームなので、1600g切りはかなり軽量ですね。フォークは、コラムのカットをする予定なので、カット後は700gを切りそうです。

塗装に関して追加注文は無かったので、そのまま塗装をお願いしました。塗装を担当するのは、大阪のウエムラ塗装です。自転車塗装では一番有名な所かもしれません。

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そして、ここで細山さんから衝撃の一言が告げられます。

 「今年は久しぶりに、糸魚川に出てみようと思うんですよ。」
 
細山さんが「東京~糸魚川ファストラン(以下、糸魚川)」に最後に出たのは2011年。まだ、高尾山口スタートだった時代です。その翌年からコースが変更され、スタート地点は山梨県の石和温泉に移りました。

5回出ていなかった「糸魚川」に何故急に出ようと思われたのかは不明ですが……、作って頂いたフレームで情けない走りを見せるわけにはいかないので、気が引き締まる思いでした。



■塗装上がり
4月14日。塗装上がりの連絡がありました。塗装に掛かる時間は2週間程度と考えていましたが、結局塗装に1か月ほど掛かりました。既に、「糸魚川」のスタートまで1か月を切っていたので、内心ヒヤヒヤしていました。

4月15日、工房へ。そこには、段ボールが巻かれたフレームがありました。


……これが私だけのフレーム! 塗装が予想以上に綺麗で驚きました。時間は掛かりましたが、非常に満足の行く仕上がりです。


特に、半集合ステーの赤塗り分けは、細山さんも「どうやったんだろう?」と驚いていました。

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塗装も終わったので、いよいよ受け渡しです。価格は、合計で15万円ジャスト。明細は頂いていませんが、恐らく内訳は以下のような感じ。

 ・フレーム+フォーク: 12万円
 ・パイプのアップチャージ: 1万円
 ・塗装代: 2万円

内金として入れていた4万円を除いた11万円を支払い、無事フレームを受け取り。組み付けは新宿の「エルブレス」にお願いすることになっていたので、工房を後にしました。



■納車
5月2日。いよいよ納車です。本来はGW前に納車の予定でしたが、使おうとしていたホイールが実は死にかけていた等々、トラブル続発。結構時間が掛かりました。


ようやく完成! フレームのオーダーから約4か月での納車となりました。中々長かったですが、これだけ格好よく仕上がれば文句はありません。

納車直後は暫定的にRACING ZERO CARBONを入れていましたが、最終的にはSHAMAL ULTRAで運用していくことにしました。


こちらがSHAMAL入れ替え後の写真。鉄フレームは銀のリムの方が映えますね。パーツ構成は以下です。



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細部について。


コンポーネントはDura-Aceで、9000系と9100系のミックス。基本的にはデザインが好みな9000系で固める予定でしたが、新しくなったディレイラー類を試したかったので、そこだけ9100系にしています。シャドーディレーラー、扱いは面倒ですが変速性能は良いです。


エンドは定番のリッチーエンド。変速性能の良さは、このエンドの影響もありそう。


シートポストはBontragerのXXX Seatpost。しなりで快適性を出すシートポストです。サドルはFabricのScoop Radiusのカーボンレール版。半集合ステーの赤と黒の塗り分けは、特に気に入っているポイントです。


当初はヘッドチューブにはブランドロゴを入れない予定でしたが、塗装直前に気が変わって入れてもらうことにしました。通常はダウンチューブとヘッドチューブのロゴは同じ色ですが、今回は違う色に。ダウンチューブは白×金、ヘッドチューブは赤×銀です。ヘッドパーツは信頼のCHRIS KING。ベルはあえてのゴールド。フォークにゴールドの塗装が入っていたので、それに合わせています。



■実走
ゴールデンウィークと、その後の期間で「川越~直江津ロングファストラン」「東京~糸魚川ファストラン」の2イベントに参加。走行距離は約700㎞現在の印象を書きます。

比較対象は、これまで使っていた「LAPIERRE XELIUS」「SCOTT FOIL」です。これまで私はカーボンフレームしか使ってこなかったので、QUARKが初スチールフレームとなります。


(1) 重量
フレームセットで約2300gと、XELIUSやFOILに比べて約1kg重い計算になります。それでも、このサイズのスチールフレームとしてはかなり軽い部類。8630Rパイプと、職人の腕の良さが効いているのだと思います。

車重は、7.8kg(ペダル含む)となかなか軽量に仕上がりました。


(2) 剛性感
最新のカーボンフレームと比べると、剛性感は高いとは言えません。信号スタートでは、やはりカーボンに比べると踏み出しの重さがあります。

ただ、これがスチールフレーム全体に言える話ではないはず。1インチの細いパイプ故の性格なのだと思っています。先日、知人のスチールフレーム(RAVAANELLO SAT)に乗る機会を得ましたが、レース用のカーボンフレームと変わらないくらいの剛性感がありました。使われているパイプは私のフレームよりも2周りくらい太いので、こうした剛性感が出るのだと思います。

私のフレーム……と言うか、細山製作所のフレームは、狙って1インチ然とした乗り味を前面に出してきているようです。これが注文時に細山さんが言っていた「クロモリらしい乗り味」なのでしょうね。


(3) 快適性
以前使っていたクロスバイクのアルミフォークの乗り味がイマイチだったので、「スチール製のフォークは乗り心地が悪そうだなー」とイメージしていました。

実際にはそんなことはありませんでした。最初は大きめの段差を越える際の衝撃の大きさが気になりましたが、これはフォークが原因ではなく、ホイールが縦振れしていたためと判明。ホイールの振れを取ったら、非常に快適になりました。緩やかに曲げられたベンドフォークが、衝撃を吸収する仕事をしているのだと思います。ただ、小さな振動の処理についてはカーボンフォークに軍配が上がるでしょう。この辺は空気圧で調整でしょうか。

後輪側についても、非常に細いシートステーの効果なのか、サドルの突き上げは少なくマイルドです。


(4) 巡航・スプリント
踏み込んだ際の脚への当たりは柔らかで、少し遅れてから加速する感触があります。剛性至上主義者の立場に立つと「変形によってロスをしている」ということになるのですが、不思議と気持ちよく加速できるので「結果的に」巡航は速いです。「しなりで加速する」という表現には否定的だったのですが、体感的には確かにそう感じます。

スプリント的な動きは苦手な印象。平地で45km/hから先は伸びにくくなります。まだ、その速度域での適切なペダリングが出来ていないのかもしれませんが。ここは研究課題です。元々、「これでレースには出ない」と言う用途で作ってもらったのでその点は問題だとは考えていません。私の平地での速度域は35km/h前後で、その辺りの速度では非常に気持ちよく走れます。


(5) ヒルクライム
登りではフレームに大きなパワーが掛かります。特にダンシング時ではフレームがしなる感覚があります。淡々と登る分には疲れないのですが、タイムアタック的な走り方をすると、少々物足りなく感じることも。「リズムを上手く掴めば速く登れる」と言う話も聞くのですが、まだ私はその段階に至れていません。

ロングライドで脚を残すには正しい味付けだと思うのですが、絶対的なヒルクライム性能はカーボンフレーム側に軍配が上がると感じます。


(6) ダウンヒル・コーナーリング
驚いたのがダウンヒル性能です。特に直線の下りでのスピードが非常に乗りやすい。体感ではそんなにスピードが出ている感じは無いのですが、メーター上のスピードを見ると確実に速いのです。

これはSCOTT FOILに乗った際にも「LAPIERRE XELIUSよりもスピードが乗る」と感じたのですが、FOILよりも輪を掛けてスピードが乗ります。Cannondaleは「細い丸パイプは、エアロフレームよりエアロだ」と言っていますが、そういうことなんでしょうか。

また、「フレームの芯」と言う話も関係があるかもしれません。以下は、同じくスチールフレームを作成している東洋フレームの記事です。

 フレームの辻褄
 http://toyoframe.com/diary/working-diary/19360/

要は「前後のホイールが正しく一直線上に並ぶか」と言うことを「芯」と言う言葉で表現しているようです。「カーボンフレームの場合は後から微妙な誤差を修正することが出来ないが、スチールフレームの場合は曲げて修正(芯出し・アライメント修正)出来る」と。

「自転車生活」と言う雑誌で、「編集部員がフレームを作成する」という特集記事があり、そこで取り上げられていたのは細山製作所でした。そこで紹介されていたフレーム作りの工程を見ると、「芯出し」と言う行程が確かに入っています。

前後のホイールが一直線に並んでいないと、自転車は微妙な蛇行を繰り返すことになります。結果として、左コーナーと右コーナーでハンドルの切れ具合が異なると言った事にもつながってくるようです。その点、今回のQUARKフレームは直線ではスピードが乗り、右コーナーも左コーナーもハンドルの切れ具合は同程度。結果として、ダウンヒルは速いです。変なクセも無いので安定して下れるメリットも。スチールフレームでダウンヒルが速くなると言うのは全く想定していなかったのですが、嬉しい誤算でした。

ジオメトリやハンドル・ステムは前のフレームであるXELIUSと全く同じなので、コーナーリングの操作性にはすぐ馴染むことが出来ました。


(7) 見た目
フレームの性能には関係ありませんが、ここは非常に気に入っている点です。初見から「私のフレームだ」と思えるフレームに仕上がっていました。


ウエムラ塗装さんの塗装は非常に綺麗。難しいだろうなぁと思っていた半集合ステーの塗り分けも綺麗で満足しています。パールブラックの部分も晴れた日だと角度によって微妙に違う色に見えて味わいがあります。

スローピングについては、納車直後は「ちょっと傾きがキツ過ぎたかな?」と思っていましたが、もう見慣れました。ただ、次にオーダーフレームを作るならば、ヘッドチューブは1cm縮めて、シートチューブは2cm伸ばすと思います。


(8) 総合評価
「速い感じはしないのに、結果的には速い」という不思議なフレームです。それを感じたのは、2017年の「東京~糸魚川ファストラン」でした。

2年ぶりの糸魚川。スタート直前に細山さんのDNS(風邪のため)を聞いてテンションは下がりましたが、気を取り直してスタート。走っている際はそこまで速く走れている感覚はなく、心拍も大して上げずに淡々と走っていたのですが。蓋を開けてみれば、現在のコースになった2012年以降で自己ベストのタイム(10時間12分)で完走していました。

それまでのベストタイムは10時間22分。2015年の記録です。機材はSCOTT FOILにFFWD F6R。当時最新のエアロカーボンフレームに、ディープリムと言う平地カッ飛び仕様です。獲得標高2500m程度で平地が多く、単独走になることが多い糸魚川ではこれが最良の組合せだと思っていました。更に、2015年はPBPに向けて走りこんでいた時期で、今年よりも数段走力は上だったはずです。

にも関わらず、スチールフレーム+ミドルハイトホイールの今年の方が10分早かったという結果には驚いています。補給が足りなくなってコンビニに寄ったり、パンクもあったのでロスも多かったはず。風向きが多少良かった面はあるものの、それだけでは片づけられない結果です。先に書いた「実は丸パイプの方がエアロだ」という話や、フレームの芯が出ていることによるロスの少なさ、踏み込んだ際の脚への当たりの柔らかさによって、脚が最後まで残ったというのはありそうです。

なぜ速かったのか? 詳細は不明ですが、「東京~糸魚川」を知り尽くしたビルダーの作るフレームが、ピッタリと目的に沿ったものに仕上がっていたと言うことなのでしょう。少なくとも、私の用途と私の乗り方にはマッチしていると思います。


(9) その他
一点だけ残念だったのは、ダウンチューブ下のダボ穴の位置です。「ツール缶を付けたいので、ダウンチューブ下にダボ穴を開けてください」とリクエストしたのですが。実際に完成したフレームのダボ穴の位置は、想定よりも7cmほど上でした。この位置でも小さいツール缶なら付くのですが、私が付けたかったのは大きいサイズのツール缶。結局、ボトルケージ増設用ブラケットを使うことになりました。

この点に関してはオーダー時に細かく指定をしなかったのが良くなかったので、次にオーダーする機会があれば気を付けようと思っています。



■まとめ
私の走行スタイルにマッチした素晴らしいフレーム。恐らく特別な魔法が使われたわけではなく、私の走行スタイルを考えつつ、高い精度で作られた結果がこのフレームなのだと思います。元々、質実剛健で実用的なフレームを作ることに定評があるビルダーさんなので。

このフレームの納車を以て、それまでロングライド用として使ってきたLAPIERRE XELIUSは引退。今後のロングライドは基本的にQUARKで走っていくことになります。まだブルベでは使っていませんが、良き相棒となってくれそうです。

当初の要件通り、レースには従来通りSCOTT FOILを使っていく予定です。やはり加速性能とヒルクライム性能はカーボンに分があると思うので。QUARKはロングライド/ロングファストラン専用機として頑張ってもらいます。


どこに自分を連れて行ってくれるのか。今から楽しみです。

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初のオーダーフレーム。納車までには色々とありましたが、最終的には自分に合った一台が出来ました。思い切ってオーダーして良かったです。



価格評価→★★★★★(これだけこだわりを詰め込んで、この値段)
評   価→★★★★★(私だけの一台!)
<オプション>
年   式→2017
カタログ重量→ -g(実測重量 1590g+700g)
 
baru  2017-11-30 22:29
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[ROAD] FTB QUARK (2017)
購入価格 ¥150000 (フレーム+フォーク+塗装)

オーダーフレームのスチールロードの納車から半年が経ちました。


前回のレビュー以降、600㎞ブルベを2回完走。走行距離は約4000~5000㎞となりました。現時点での感想を書いていこうと思います。

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(1) 装備の変更点
前回レビューからの変更点は以下です。

 ・フォーク: スチールフォーク → カーボンフォーク(OBS-R101)
 ・タイヤ: BRIDGESTONE R1X → VITTORIA RUBINO PRO SPEED → SCHWALBE ONE
 ・ペダル: SHIMANO PD-7900 → SHIMANO PD-M9000

フォークは一時的な変更であり、将来的に元に戻す可能性があります。

(2) 快適性
カーボンフォークに変えたことで快適性は向上。小さな振動が取れたように感じます。

フレーム全体としても乗り心地は良く、600㎞ブルベが終わった後も割とピンピンしていました。前は結構どんなブルベも終わったらグッタリしていたんですが、同じ感じで走っても足が残る感じはあります。

(3) 剛性感
フォークを変えたことで、剛性感は落ちました。スチールフォークの方が山岳や加速の反応は良いです。

OBS-R101はミズノのカーボンフォークを元にしているようですが、ちょっと剛性不足であると感じます。1インチのカーボンフォークだと仕方ないのでしょうか。ただ、東京サンエスのカタログを見るとOBS-R101は更に軽量化をしたとか。これより柔らかくなるとちょっと辛いですね。

(4) 巡航・スプリント
色々な乗り方を試してみましたが、軽めのギヤで高ケイデンスで走った方がスピードに乗せやすいです。半年乗って、ようやくそのタイミングを掴めてきました。

スプリントについては、やはり50km/h以上は中々出すことは出来ません。乗りなれてきてはいるんですが、フォークの剛性低下で相殺されてしまっているのかも。あと、ペダルもSPD-SL→SPDに変更したのもあるかもしれません。

(5) ヒルクライム
こちらもある程度軽めのギヤでケイデンスを上げたほうが進みますね。フレーム自体の剛性は低めなので、変形量が少なくなる方が進みやすいということだと理解しています。

(6) ダウンヒル・コーナーリング
相変わらずダウンヒルとコーナーリングは文句なし。フォークを変更したものの、きちんとオフセットが同じものを選んだので、感触の変化はありませんでした。

(7) 見た目
半年使ってきたことで、結構傷が付いてきました。まぁ、自然に使って出来た傷はある意味勲章なのですが、輪行で付けてしまった傷は自分でも残念です。フレームプロテクターでも使おうかと考えています。


相変わらず、半集合の塗り分けはお気に入りポイント。塗装に詳しい妻曰く、「これは塗装屋さん泣かせ」とのこと。そんな特殊なことをやっていてもらってたんですね……。

あと、老舗自転車店の店主さんからは「お、クロモリ!」と言ってもらえるケースが多いですね。やはり、一周回って目新しく映るのでしょうか。

(8) 拡張性
ここでいう拡張性とは、各種のバッグや泥除けなどの増設性の話です。

私のフレームはオーダー時に26Cタイヤまで対応するクリアランスでの作成をお願いしていました。確かに26Cタイヤを入れても問題はないのですが、キャリパーに金具を共締めするタイプの泥除けの場合はタイヤとのクリアランスがかなりギリギリになります。これは誤算でした。

昨今は太タイヤ化が進んでおり、25Cが標準となりつつあります。次にオーダーすることがあれば、28C対応でお願いすることになると思います。

もう一つ悩んでいるのは、「安定して付けられるトップチューブバッグが無いこと」です。トップチューブが細い上に丸いので、トップチューブバッグが安定しないのです。

私はロングライドでは、トップチューブバッグ+サドルバッグのスタイルが多かったのですが、最近はフロントバッグ or フードポーチ+サドルバッグというスタイルへの見直しを行いました。ただ、トップチューブバッグを使いたい場面も多く、未だにここは悩みどころです。

(9) その他
半年使ってきて感じたスチールフレームの意外な利点は、「変速が狂いにくい」ことです。リプレーサブルエンドではなく一体型のスチールエンドであることに起因しているのだと思いますが、半年乗っても大きな狂いはなく変速が気持ちよく決まります。

輪行の多いロングライド勢なので、カーボンフレームだと気付くと変速が狂っていることが良くありました。原因は、輪行時にリプレーサブルエンドが曲がってしまったことにあると思っています。

もちろん、リプレーサブルエンドは曲がることによってディレイラー本体やフレームを守る仕組みなので、それは正しいんですが、壊れない範囲で変速性能が損なわれないのはスチールフレームの利点だと思います。

(10) 総合評価
半年経って、かなり体に馴染んできた感覚はあります。

やはり今時のカーボンバイクに比べるとゼロ発進やヒルクライムで反応性の物足りなさを感じることはあるのですが、結果として長距離を走っても疲れにくいフレームです。ブルベのタイムを見ても遅くなっているわけでもなく。ロングライドの相棒として、実にふさわしい一台になりました。

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せっかくなのでここ半年で行った場所などを。


東海道で大阪まで。


高松で、うどんツーリング。


東京のパワースポット・神戸岩。


富士山。


そして、日本最北端・宗谷岬。


中々に色々な所に連れて行ってくれました。これからますます頑張って貰う予定です。


価格評価→★★★★★(これだけこだわりを詰め込んで、この値段)
評   価→★★★★★(私だけの一台!)
<オプション>
年   式→2017
カタログ重量→ -g(実測重量 1590g+700g)
 
baru  2018-5-31 23:19
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[ROAD] FTB QUARK (2017)
購入価格 ¥25000 (フォーク+塗装)

追加レビューです。フォークをもう一本作ってもらいました。


■作成動機
スチールフレームを作ってから、2本のフォークを試しました。

 ①スチールフォーク(細山製作所)
  →フレームと同時に作ってもらったもの。
 ②カーボンフォーク(OneByEsu)
  →軽量化を狙って購入したもの。

最初に組んでから一カ月ほどは①を使っていましたが、後に②に切り替えました。主に軽量化のためです。

カーボンフォークに変えた直後はそれほどの不満は無かったのですが(むしろ快適になったと感じていた)、徐々に不満を感じるようになりました。ヒルクライムでハンドルを引いた際、加速する動きをする際に、撓んでしまうと言うか力が逃げてしまう感触がありました。

「1インチコラムにしたことによってフレーム自体が撓んでいるんだろうなー」と考えていたんですが、ある日なんとなく①のスチールフォークに戻してみたところ、明らかに剛性感に差があることに気づきました。信号発進やヒルクライムで明らかに進むわけです。

ただ、それでもスプリントのように左右にバイクを振る動きをした場合に、フォークを振るのとは逆の方向に力が働く感じがありました。どうもフォークがハンドルの動きに付いてきていない印象だったのです。これが2017年の11月くらいのこと。

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2018年1月、例年通りハンドメイドバイシクル展へ行きました。そこで知り合いのフレームビルダーの方と話していた際に、フォークの話になりました。

 「去年作ったフレームなんですけど、どうも剛性が弱い気がするんですよね。
  変形している感じがするというか……やはり1インチフォークは弱いんでしょうか?」
 「いや、鉄なら1インチコラムでも問題ないはずです。
  恐らく問題があるのはフォーククラウンですね。あのクラウンは肩が薄すぎます。」

指摘されたのはフォークの肩部分であるクラウンでした。

 「フォーククラウンが弱いと、力が掛かった時に肩の部分が変形しちゃうんですよ。
  それが原因ではないかと思います。」

私がフレーム作成時に細山さんから提示されたのは、「いかり肩」のNAGASAWA製クラウンと、「なで肩」のクラウン。特に私は何も考えず「なで肩」を選んだのですが……。


フレームオーダー時の写真がこちら。左が私の選んだクラウンで、右が細山さんおすすめのクラウンでした。

その足で、同じくハンドメイドバイシクル展にいた細山さんを訪ねました。そこでフォーククラウンの話をしてみると……

 「そうでしょうねぇ、あのクラウンは強くないですよ。
  だからNAGASAWAのクラウンを勧めたんですけど。」

なんと、細山さんもそこは認識していらっしゃったようで。ただ、私が「なで肩」を選んだのでそちらで作ったようです。完全に自分の無知のせいでした。まさかフォークのクラウンで剛性に差が出ようとは、最初に買ったロードバイクにカーボンフォークが付いていた私には全く想像の外のこと。先達の言葉はちゃんと聞いておくべきでした。

そこで、新フォークを作ってみようと思い立ち、細山さんにその場で相談。後日、工房に再度伺うことになったのでした。


■設計内容
工房に赴き、細山さんと新フォークについて打合せ。決まった仕様は以下となりました。

 ①肩が中空で太いフォーククラウンを選択(台湾ロンシェン社のLC23)
 ②フォークブレードはパイプのカット位置を太めな方にシフト
 ③フォークのベンド(曲げ具合)は細山製作所のデフォルトに変更
 
①と②は剛性向上施策。③は快適性の向上施策です。剛性を上げるのが主目的ですが、それだけだと快適性が損なわれそうなのであわせて修正。旧フォークは見た目の好みから、ベンドを緩めにしてもらっていました。乗り心地は悪いわけではなかったのですが、やはりカーボンフォークに比べると一段快適性は落ちる印象が。そこも一緒に今回解決出来たらと考えました。

カラーは黒一色を選択。旧フォークはクラウンのみを赤くしてもらっていましたが、今回も同じオーダーにするとフレーム側の赤と差が出そうだと考えたからです。赤っていろんな赤があるので再現が難しいはずなんですよね。その点、黒ならばズレようもないので。

その他の仕様(各部の長さ)は旧フォークと同じとしました。


■使用感
2ヶ月ほどでフォークは完成。価格は25000円でした。安い……。細山さんによると、フォークだけをオーダーしてきた客はかなり稀だそうです。


お世話になっているショップにフォークを持ち込み、クラウンレースの圧入とカットを依頼。重量は741gと、旧フォークより20gほどの重量化。今回は剛性と快適性の向上が目的なので、多少の重量増は目を瞑ります。


取り付け完了。クラウンの肩がずいぶんと太くなりました。


全体図。左が新フォーク、右が旧フォークです。フォークの曲がり具合が変わり、太くなったのが分かって頂けると思います。

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早速、実走。思ったよりも大きな変化に驚きました。

旧フォーク時に、信号発進&ヒルクライムで感じていたモッサリ感が解消。ヘッドが1インチなので最近のテーパードヘッドのカーボンフォークに比べると反応性は一段落ちますが、旧フォークやOneByEsuのカーボンフォークに比べると反応性は雲泥の差です。ブルベにおいて私が欲しいだけの剛性を持ったものとなりました。


快適性も向上。見た目的にストレートフォーク党な私としてはクラシカルなベンドフォークには抵抗があったのですが、ここまで差があるのなら最初からこの曲げ方にしておくべきでした。恐らく細山さんとしても長年の経験から導き出した形状でしょうし、フレームとのバランスも良いのでしょうね。曲げ具合が変わったことにより、ダウンヒルでの操舵性に変化が出るかとも思いましたが、オフセットは変えていないので特に差は出ませんでした。

導入一ヶ月後にはランドヌ東京の600kmブルベ「浜名湖鰻」で使用。向かい風基調ながら、365km地点まで18時間を切る好ペースで走ることが出来ました。あまり山は登らないコースですが、唯一登った熱海峠でも他の参加者に遅れを取ることが無かったのはこのフォークの影響だと思います。快適性の向上によってライド後の上半身の疲れが少なかったのも良かったです。


■まとめ
思い切ってフォークを作り直しましたが、正解でした。この一件から学んだのは、

 「ビルダーの勧めは素直に聞いておけ」
 
という事ですね……。その道一本で何十年もやってきた方が勧めることには、それなりの理由と裏付けがあるということです。フレームオーダー時はの私は自らの理想にこだわるあまり、そういったことに気づけなかったわけですね。反省しています。

それにしてもフォーククラウンとパイプのカット箇所、曲げ具合でここまで差が出るとは、スチールフレームは奥深いですね。ただ、初めてオーダーする時は下手に自分のこだわりを貫くよりは、ビルダーの勧めに従ったほうが良いものが出来上がってくると思います。

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今年は夏休みに北海道で1200kmブルベに挑戦してくる予定です。このフォークなら最後まで走りきれるはず! 今から楽しみです。


価格評価→★★★★★(手作業で作られたフォークに塗装が付いてこの値段)
評   価→★★★★★(満足の行くフォークが出来ました)
<オプション>
年   式→2018
カタログ重量→ -g(実測重量 741g)

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