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[ROAD] FTB QUARK (2017)

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baru  2017-5-19 21:20
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[ROAD] FTB QUARK (2017)
購入価格 ¥150000 (フレーム+フォーク+塗装)


自転車工房・細山製作所のロードバイクフレーム。私の中では、初めてのオーダーフレームです。

余りにも長くなりそうなので、「前編(オーダー完了まで)」「後編(納車・実走まで)」に分けてレビューします。



■製作動機
「いつかはオーダーフレーム」と言うのは、自転車乗りの多くが持っている夢だと思います。私も毎年開かれている「ハンドメイドバイシクル展」は欠かさず見に行っており、年々自分の中での関心も高まっていました。

そんな中、ロングライド・ブルベ用のメイン機として使っていた「LAPIERRE XELIUS」がそろそろ限界を迎えようとしていました。「カーボンフレームに寿命は無い」とも言われますが、走行距離は5年で5万km。そろそろ休ませたほうが良いでしょう。本来は、ディスクロードである「SCOTT SOLACE DISC」がその位置に収まるはずでしたが、走行性能には全く納得が行っていませんでした。

そんなある日。不定期に行っている企画「サイクルショップ巡り」で、細山製作所を訪れる機会を得ました。そこで、連れが長いこと探していたパーツを発見。その日はパーツを買っただけで帰ったのですが、実際の工房を見たインパクトは中々頭を離れませんでした。

その後、次期ロングライド用フレームを考える中で浮上してきたのが、オーダーのスチールフレームという選択肢です。

候補に挙がっていたのは、RAVANELLO、MAKINO、LEVEL、NAKAGAWAなど。どこも魅力的ではあったのですが、一番縁を感じた細山製作所を選ぶことにしました。

第一の理由は、ビルダーの細山さんが「東京~糸魚川ファストラン(以下、糸魚川)」の常連であったこと。私の原点も「糸魚川」。やはり、使い方を具体的にイメージが出来る人の方が、希望に合ったフレームが出来るのではないかと考えました。

第二の理由は、「CBNの仙人」Glennさんが細山製作所を選んでいたこと。仙人をして、「数十年経ってもベンチマークであり続ける」と言わしめるフレームを体感してみたくなりました。

こうして、オーダーを決意。まずは、オーダーに向けて、自分の構想を固めていくことにしたのでした。



■構想
せっかくオーダーをするという事で、まずは自分の要望を具体化していくことにしました。具体化した情報は、印刷してオーダー当日に持参しました。


(1) 用途
前述のように、ロングライド(ファストラン・ブルベ・ツーリング)用途。レース用のロードバイクはSCOTT FOILがあるので、ロングライドに振った性格のものにしようと考えました。

ただ、ファスト志向と言うこともあるので、「なるべく軽くしたい」とも考えていました。フレームはなるべく軽いパイプを使い、荷物積載のための特殊工作は無し。泥除けなども、ロードバイク用の軽量なものを後付する想定です。


(2) ジオメトリ
基本的にはビルダーさん任せの想定。ただし、スローピングフレームにすることは決めていました。


(3) カラーリング
バイクカラーは「黒メインで赤を刺し色」にすることにしているので、その方向性で考えました。


あまり凝ったカラーリングに出来るセンスもないので、なるべくシンプルに塗り分けたいと考え、ラグのみを赤くする方向でイメージ画像を作ってみました。パワポで。


(4) ブランド
細山製作所は、2ブランドを持つ珍しい工房です。レース用途の「QUARK」、ツーリング用途の「FUTABA」。今回は用途的にはFUTABAなのですが、QUARKブランドでお願いしました。



■オーダー

2016年12月25日。いよいよオーダーです。3日前にメールで予約し、指定時間に東林間の工房へ。

当日は以下のものを持参しました。

 ①普段乗っているロードバイク(LAPIERRE XELIUS)
 ②ロードバイクに乗れる装備
 ③設計書
  ・要件一覧
  ・LAPIERRE XELIUSのジオメトリ
  ・カラー指定


(1) 要件説明

とりあえず、こちらの用途を伝える所から。

私はレースというよりはロングライド党。そしてロングライド党の中でもファストラン派。私と同じく「糸魚川」を好む細山さんに、その方向性でフレームを作りたいことを伝えました。「糸魚川」の名を聞くと少し顔つきの変わった細山さん。ここ数年は出場されていませんが、かつては最速タイムを出したことがあるお方。やはりイベントへの思い入れは今も強いようです。

ファストランだけではなく、ブルベにも使いたいことも伝えました。基本的な方向性としては、ロングライド向けということになります。

また、「クロモリと言えばホリゾンタル」とイメージする人が多いとは思うのですが、今回はスローピングでお願いすることに。私が自転車を始めたのは2008年で、その頃にはスローピングが当たり前だったので見慣れているのです。そこで、軽量かつ高剛性になるスローピングを選択しました。ブルベやツーリングで使うことも考えると、大型サドルバッグを付けるためと言う理由もあります。

ラグについては、「使う」ことを選択。性能的にはラグが有っても無くても大して変わらないそうですが、ラグを差し色に使いたいという理由で「ラグ有り」を選択しました。


(2) 採寸
まずは、今使っているロードバイクの採寸から。

身体を採寸して最適なジオメトリを割り出すビルダーさんも多いですが、細山製作所ではその車種を初オーダーする人にしかそういったことは行わないようです。基本的には慣れている愛車合わせ。ただし、変なポジションなら修正が入るようです。

持参したロードをメジャーで計測。すると、ホームページ上のジオメトリと現物とでは、トップチューブ長が異なることが分かりました。ホリゾンタル換算で550mmの設計のはずが、現物は560mmほど。「よくあることです」と細山さん。

他にも、フロントセンター、リアセンター、シートチューブ長を計測。割りと細山さんの設計思想に近いジオメトリだということが分かり、基本的にはXELIUSのジオメトリをそのまま引き継ぐことになりました。ヘッド角、シート角、リアセンター、フロントセンターは同じ値です。BB下がりは70㎜です。ヘッドセットの厚みを考慮して、ヘッド長はXELIUSから15mmほど短くしています。

続いて、乗車姿勢もチェック。骨盤の角度と揺れを見ている様子。「綺麗に回せていますね」とのご講評。特に現在のポジションで問題がないとのご判断です。

ということで、ジオメトリもポジションもほぼそのままとなりました。今まで乗っていたXELIUS、非常に私に合っていたようです。


(3) パイプ
細山製作所での扱いは、KAISEIが主。基本のパイプは「KAISEI 019」というものです。その他に、TANGEとCOLUMBUSが選べます。

「こんなのもありますよ」と見せてもらったのは、COLUMBUSのオーバーサイズの軽量パイプ。太いパイプの方が好みなので使いたいなーと思ったのですが。「レース用ではないんでしょう? クロモリらしい乗り味を求めるならば、ノーマルサイズのほうがオススメです」という達人の言葉によって、軽量チューブである「KAISEI 8630R」のノーマルサイズに決定しました。それでも8630Rはクロモリの中では硬い乗り味だとか。

その際に聞いたのが、こんなお話。

 「昔ね、短距離タイムトライアル用にかなり太いパイプを使って、ガチガチのフレームを作ったんですよ。
  走り終わったときに、"これは速い!"と思ったのに、タイムはあまり良くなかった。
  多少しなりが合ったほうが、最終的には速いんですよ。」

  
この話は雑誌などでもされていたので、細山さんの哲学なのかもしれません。


(4) 小物
ワイヤー受け等の取り付け方について、まずは「ブレーキはどちらが前か?」ということを聞かれました。左が前ブレーキなのか、右が前ブレーキなのかでワイヤーガイドの位置が変わるそうです。

私は右前ブレーキなので、ヘッドチューブ側のワイヤーガイドはトップチューブの右下に、シートチューブ側のワイヤーガイドはトップチューブの左下に付けることになりました。こうすることでヘッドチューブとアウターワイヤーが擦れることがなくなるそうで。基本的に売っているフレームは左前ブレーキで組むことを前提にワイヤーガイドが設置されており、だから右前ブレーキで組むと不都合が出るということを今回初めて知りました。

その他、チェーンステーのワイヤーガイドと、ダウンチューブのワイヤーガイドについても決定。ラグは、カラビンカのイタリアンショート。特に意匠などの工作は依頼していません。ステー形状は、半集合ステーでお願いしました。


(5) 工作
今回お願いした特殊工作は、ダウンチューブ下にボトルケージを付けるためのダボ穴のみです。その他、キャリア用のダボ穴などは一切無し。あとの積載物は現代的なバイクパッキンググッズでなんとかするつもりです。


(6) フォーク
一番紛糾したのがフォーク。私の当初の要件は以下でした。

 ①ストレートフォーク
 ②コラム径1-1/8のオーバーサイズ
 ③アヘッド式
 
①については、細山さん的にはストレートフォークは出来れば作りたくない様子。「ベンドフォークが好きな細山さん VS ストレートフォークが好きな私」という構図です。ただ、私は先の方だけ曲がったクラシカルなベンドフォークが好みではないだけなので、根本近くから緩やかに曲げたベンドフォークにするということで落ち着きました。

②については、「強度的には1インチで十分」「1-1/8インチはフォークとヘッドチューブでかなり重くなる」「1-1/8のヘッドだとラグの選択肢が減る」という理由から、今回は1インチで作ってもらうことにしました。元々は手持ちの1-1/8インチのカーボンフォークとの差し替えという目論見もあったのですが、それは一旦置いておくことにしました。

③についても、「スレッド派の細山さん VS アヘッド派の私」という構図に。ただ、今回はアヘッド派の私の意見で押し切りました。今まで集めたステムを使いたいので。スレッドは無段階でハンドルの高さを設定できるという利点は知っているんですが、現状スレッドステムの選択肢は少ないのでアヘッドにしています。


クラウンの形状は、「いかり肩」「なで肩」とありましたが、なで肩を選択しました。こちらの方が重量はあるみたいですが、見た目が好みだったので。

フォークのクリアランスについては、ブルベで使用することも考えて、26Cタイヤが入る程度のクリアランスをリクエストしました。


(7) カラーリング
塗装屋さんの用意したカラーチャートを元に各部の色を指定します。

今回、ラグはメタリックレッド、その他のパイプはパールブラックで依頼しました。メタリックレッドは色サンプルが合ったのですが、パールブラックはサンプル無し。という事で、過去の塗装屋さんの作例からイメージに近いものを指定してお願いしました。

ロゴは通常、ヘッドチューブ・ダウンチューブ・シートチューブの3箇所に入れられるのですが、今回はダウンチューブとヘッドチューブにロゴを入れてもらうことにしました。

揉めたのはロゴの色。てっきり塗装で作っているのだと思っていたんですが、デカールを埋め込んでいるとのこと。デカールのパターンは3種類です(白字に金縁、赤字に銀縁、黄字に黒縁)。当初は赤い文字でロゴを入れたかったのですが、白字を金縁取りしたロゴでお願いすることにしました。


修正後の完成イメージ。


(8) その他
想定から完全に漏れていたのはヘッドパーツです。

ヘッドパーツの規格がITAかJISかによって、径が微妙に変わるとのこと。また、スチールの場合はヘッドチューブの下にもヘッドパーツが入ってくるので、ヘッドパーツの厚みでポジションが微妙に変わってしまうことも知りました。そのため、ヘッドパーツは予め用意し、それを織り込んだ設計にする必要があります。


後日、CHRISKINGのヘッドパーツを購入し、細山製作所宛に送付しました。


(9) 発注

こちらが出来上がったオーダーシートです。

内金を納め(今回は4万円)、住所や電話番号などを記入し、発注完了。合計料金は塗装の値段で変わるので、残りの支払いはフレームの納品時となります(最終的にはフレーム+フォークで15万円になった)。納期は3ヶ月が目安とのこと。

 「糸魚川ファストランまでには間に合わせます。」

と言って頂きました。

13時半に工房に入ったはずですが、発注を終えて外に出ると、既に真っ暗になっていました。こんなに時間が掛かる客も珍しいとのこと……失礼致しました。長く付き合うことになるはずの一台、やはり隅々までこだわりたかったのです。



■まとめ
これにて、一旦はオーダーが完了。あとは完成を待つばかり……なのですが、今回は塗装に出す前に、一旦無垢のフレームを見せてもらうお願いをしました。塗装前しか見られないものですので。

今回は初めてのフレームオーダーでしたが、オーダー時には決めるべきことが多くて驚きました。事前に書籍や経験者に話を聞いて、決めることは決めてからオーダーに赴いたつもりでしたが、それでも考慮から漏れていることが多かったです。

次回は、後編です。フレーム完成~塗装上がり~納車~実走までをレビュー予定です。


価格評価→★★★★★(これだけこだわりを詰め込んで、この値段)
評   価→★★★★★(私だけの一台!)
<オプション>
年   式→2017
カタログ重量→ -g(実測重量 1590g+720g)

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