購入価格 ¥15000(税別)
http://www.giant.co.jp/giant17/acc_datail.php?p_id=A0000154ポストマウント版を購入。フラットマウント版も用意されています。
・概要―――――――――
GIANTのCONNETENDやAVEILの一部グレードで純正採用される、ワイヤブレーキをを油圧に変換するパーツ。
考え方としてはTRPのPARABOXと一緒。
作っているのもTEKTRO(TRP)で一緒。
PARABOXはいろいろと問題があったのだが、GIANTが純正採用するくらいなのである程度の信頼性も確保できたのではないかと考えて購入。
私は近所のジャイアントストアで購入したが、GIANTを扱ってる店ならどこでも注文可能。
ただし、インストールにTEKTRO(TRP)のブリーディングキットが要るので、購入店でインストールできない場合があるかもしれない。
GIANTのステム、CONNECTとCONTACTシリーズのハンドルキャップと置き換えることによって搭載される。
パッケージ内容は油圧コンバーター、前後キャリパー、キャリパー取り付けボルト、180mmローター用のスペーサーと取り付けボルト、ステムへの取り付けボルト。
ブリーディングツールは付属しない。
別途用意する必要があるのは、
ブリーディングキット一式、
8mmのレンチ、
5mmと4mmと2.5mmのアーレンキーレンチ、
T15のトルクスレンチ
・使用環境―――――――――
CONDUCT以外の使用機材は、
フレーム:MERIDA RIDE DISC7000(ポストマウント)
ハンドル:PRO PLTコンパクト400mm(リーチ70mm)
ステム:GIANT CONNECT 90mm
ローター:シマノRT-86(6穴アイステック)
ホイール:EASTON EA90XD
ブラケット:ST-6870
(比較対象は同じ構成で使用していたST-R505+BR-R785となります。)
・スペック―――――――――
使用オイルはミネラルオイル。
経験上、TRP(TEKTRO)のミネラルオイルはシマノの物と置き換えても問題ないはず。
使用するホースは外径5.5mmのTEKTRO(TRP)サイズ。
もちろん、ニードルとオリーブもTEKTRO(TRP)の物が必要。
使用するブレーキパッドはシマノのBタイプと同寸の物。最初からついているパッドはシマノのレジンB01Sと同程度の物だと思われます。
Bタイプはシマノ純正ではメタル仕様が無いので、メタルにしたい場合はサードパーティーの物を使用することになります。
・重量―――――――――
コンバーター部分 223g
キャリパー前171g(1200mmのライン付き)
キャリパー後188g(1800mmのライン付き)
今回使用したコネクトステム90mm 165g
(ステムのキャップ 23g)
ハンドルまわりの重量増加は差し引き200gとなる。
・インストール―――――――――
まず、ハンドルとブラケットの位置を決めて、それに合わせてジャストな長さでブレーキアウターをカットする必要があります。
ブレーキアウター+非圧縮性アウターが付属していますが、私のブラケットポジションでは使えないので、普通のブレーキアウターを使用しました。
ブラケットポジションを変更する際はブレーキアウターの長さ調整と、おそらく新品のインナーワイヤが必要になると思います。
インナーワイヤとシリンダーの締結にはT-15のトルクスレンチが必要です。
コンバーター、キャリパーともにミネラルオイルが充填され、ブリーディング済みの状態でパッケージされています。
当然ですが、オイルラインの長さをカットする必要があるので、結局ブリーディングが必要です。
キャリパー側のブリーディングがだいたい終わっているので比較的ブリードは楽にできると思います。
(私は構造を調べたかったので、コンバーターの蓋を開けたため、ブリーディングに手間がかかりました。)
当然ですが、ローターとパッドにミネラルオイルがかかると厄介なので、ブリーディングはフレームから取り外して、パッドも外して行った方が良いです。しかし、ダミーのパッドスペーサーが付属しないので、適当な厚みの物をかませる必要があります。
オリーブとニードルの入れ方はシマノとほぼ同じです。
オイルラインの締結には8mmのレンチを使います。
本体側のリザーバーの入り口はコンバーター上部にある2.5mmアーレンキーで開けるイモネジです。
一応シマノのジョウゴが使えるのですが、ちょっと穴径が合わないのでミネラルオイルが漏れてきます。
ミネラルオイルなので漏れたりしたところで大した問題は無いのですが、ローターにかからないよに注意しましょう。
キャリパーのブリーディング穴はT-15のトルクスレンチで開けます。
単なるM6のネジ穴なので、アダプタまたはM6のホーローネジなどでブリードホースと連結する必要があります。
私はアキ扱いのTRP用ブリーディングキットを使用しました。
コンバーター側もキャリパー側も内部流路が複雑なのかなかなかエアが抜け切ってくれません。
結構根気が必要です。
組み込んだ後は必ずパッド(新品ローターの場合はローターにも)に「焼き」を入れましょう。
十分に焼きが入るまでは本来の性能は出ません。
組みあがり
別途メーターマウントを取り付けだ状態
・調整―――――――――
新品状態だとピストンが左右均等に出てくるので、キャリパーのセンター出しは凄く簡単です。
パッドクリアランス(ブレーキ効き始めのレバー角度の調整)の調整が少し面倒です。
私の好みとして、パッドクリアランスを比較的少なくとりたいのですが、普通にセッティングするとかなり握りこんだところで効き始め、すぐにレバーがハンドルに当たりブレーキが効かない状態になります。
調整のためには以下の手順を取りました:
①ST-6870のブレーキリーチ調整ねじを遠くなるように戻す(私の場合は3回転分)
②その状態でコンバーターのワイヤ接続をいったん開放
③ピストンが完全に戻った状態でもう一度締結する
④ST-6870のブレーキリーチ調整を元に戻す。
これで効き始めの位置とハンドルに当たる問題が解決しました。
ネジではなくシムでブレーキリーチ調整をするタイプでもやることはだいたい同じだと思います。
・使用感―――――――――
シマノのST-R505+BR-R785と比較して、
立ち上がりは穏やか、全体に同じようなレートでブレーキがかかる。
リムブレーキ(BR-9000)を2割ほど強力にしたような感じ。
軽い力で最初の方にガツンと効いて欲しい人はシマノの油圧の方が良いと思います。
フロントがスリップするギリギリのストッピングパワーを引き出すためにはシマノの油圧に比べて少し強く握る必要があります。
GIANT本国サイトにはシマノの油圧との比較が載っていますが、この特性は狙ってそうしたようです。
https://www.giantcyclingworld.com/technology.php?id=20048513・問題点―――――――――
GIANTからの補修部品はショップ向けの物しか出ない事。オリーブ&ニードル50セットとかそういう感じ。
GIANT以外のローターとの組み合わせだと保障外になる事(アホか……)
基本的にショップにインストールとメンテナンスを任せて、ユーザー側で触ってほしくないような雰囲気でした。
付属のマニュアルにもブリーディングの仕方が載っていないという状態。
ひとつしかないリザーバータンク注入口の先の構造はこんな感じ。
片方のラインが死んでも、もう片方のラインに影響が及ばないような構造になっています。
ただし、ここを開けると保証対象外。
また、ダイヤフラム裏側にエアを噛んだり、ダイヤフラムを傷つけると困ったことになるのでこの蓋を開けることはお勧めしません。(そもそも開ける必要が無い)
価格評価→★★★★★(自分で整備ができるならば安いと思う)
評 価→★★★★☆(セッティング幅を除いて性能的にはとてもいいものだと思います。)
年 式→ 2016