購入価格 ¥108
ホイールを外して、細く切った布でスプロケの隙間をゴシゴシ掃除する、というのは雑誌でも時々紹介される清掃方法ですが、リア・ホイールをいちいち外すのが面倒、というものぐさな人(自分)向けの清掃方法が、『ダイソー麻縄方式』です。
直径10センチ弱で120mも入っているダイソーの麻縄
前回購入の麻縄が間もなく終わりそうなのですが、120mも入っているため、使い切るのに随分(10年近く?)かかったような気がします。画像は最近買ったものですが、同一銘柄を入手することが出来て一安心。
清掃手順は以下の通り
(1) 麻縄を60~70センチ程度の長さに切ります・・・1~3本程度
(2) チェンをスプロケのローエンドに乗せておきます・・・これ重要
(3) 自転車を壁などに立てかけます・・・ストラップや自作小物でリアブレーキをかけておきましょう
(4) 新聞紙や大き目の広告紙をこんな風に置きます・・・スプロケが汚いと、隙間からポロポロと黒い悪魔(笑)が落ちてきますので
(5) 麻縄をスプロケに通して両端を結んで輪にします・・・適当な結び方でOK
(6) 結んだあたりを左手に持って麻縄に軽くテンションを与え、右手でクランクをゆっくり逆回しします
まずはトップ側2枚のスプロケの隙間を掃除します。次に、左手をひねりながら麻縄をスプロケの隙間から脱線(ディレイル)させて隣の隙間に移動します。というわけで左手をディレイラとして使います。
変速(笑)のコツですが、
『麻縄のテンションを緩めながらゆっくり変速』
します。この手つきが昔懐かしい綾取りをちょっとだけ思い出してしまいます。調子に乗ってグルグル回してその勢いで変速すると、麻縄がギヤ歯に絡め取られて往生します。ゆっくり回してスムーズな変速で快適お掃除!
もう一つのコツは、
『チェンはかならずローエンドにかけておく』
です。クランク逆回しでスプロケを回す際、麻縄によりスプロケにある程度の制動トルクがかかります。この制動トルクに打ち勝ってスプロケを回すのはクランク逆回しでチェンが引っ張られるからですが、この際、チェンがスプロケを回すためのテンションはディレイラ―のテンションスプリングを経由して与えられています。テンションスプリングは麻縄による制動トルクに余裕で打ち勝って微動だにしない、というほど強くはないので、なるべくピッチ円の大きなスプロケにチェンを掛けることでテンションスプリングへの負担を減らします。これで安定な清掃が可能になります。また、やってみればわかりますが、チェンが中途半端な位置にいると邪魔です。
さらにもう一つ非常に重要なことは、
『麻縄の太さ』
です。今回使用したダイソーの麻縄ですが、比較的細いです。この細さが安定な清掃を支えます。太いと麻縄による制動トルクが大きくなるため、楽々快適なスプロケ掃除とは相成りませんので、気を付けてください。また、この細さ故、チェンがかかったローエンドと2段目の隙間にも、チェンに邪魔されつつもギリギリで滑り込んで清掃することができます。もし、太い麻縄を購入してしまった場合はホイールを外して普通にゴシゴシやりましょう。
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左手で脱線させながら隙間を順番に清掃して3,4往復もすると、麻縄が疲労破断しますので、結び目は硬く結んでもだいじょう、ということになります。切れたら2本目の麻縄にスイッチします。私の場合、あまり汚れていないので一回に使う麻縄は1本の場合がほとんどですが、そこは汚れ具合に合わせて適宜、調整します。黒い悪魔がボロボロと豪快に落ちて、麻縄があっという間に真っ黒になる場合は、何本も使うことになるかも知れません。
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このスプロケ清掃法はものすごく簡単なので、今日はやるぞ!と気合を入れる必要もなく、日常的なルーティーンとして気楽に行うことができます。ホイールを外さない、というだけでなぜここまで気楽な作業になってしまうのか、ちょっと不思議な気もしますが。
価格評価→★★★★★
評 価→★★★★☆
年 式→2008?~
以下蛇足。
お気楽スプロケ清掃に加えて120km走行毎に、クランクをぐるぐる回しながらウエスでチェンをゴシゴシやって、日々の走行後には、おしぼりウエッティ1枚でサッと各部を拭き、その際に各部に神経を行き届かせ、この時の気づきに応じて消耗品をメンテし、要所を調整する。これを日常の基本に置くだけで、自転車というのはかなり綺麗な状態と、十分良好な物理特性を保つことができます。チェンやスプロケはクリーナを使わないと汚れを完全に取り去ることはできない、というのは事実ですし、やらないよりやったほうが良いに決まっていますが、そこまで徹底的にキレイにするというモチベーションをそもそも持っていない私のような人、意外と少なくないのではないでしょうか?(そうでもないかな?)
MTBはオフロードを走るたびに大きなナイロンブラシで豪快に水道水洗車して天日干しすると気分も爽快ですが、ロードは乗り始めて35年間、一度も洗車と言えるようなことをやった記憶が無かったりして・・・
まあしかし、その程度の手入れしかしていないロードではありますが、
「なんでいつもそんなに自転車がキレイなんですか?」
と時々質問される程度のレベルに保つことは出来ます。
(それはお世辞ってやつですヨ!)