購入価格: ¥972 (税込) ※10cmあたり¥30を3m購入
標準価格: ¥2,425(10m、税込)、¥11,446(50m、税込)
『シリコングリスのおかげで軽く滑らかな変速操作が可能』
■ OT-SP41 シフトアウターケーシングとは
SHIMANO OT-SP41 シフトアウターケーシングは、インナーケーブルの抵抗を小さくするために、シリコングリスが封入されていることが特徴だ。全8色がラインアップされている。デュアルコントロールレバーやシフトレバー、シフトケーブルセットにも同梱されている。10m入りなら単品で購入可能。OT-SP41 アウターケーシングボックスという50m入りの業務用がショップで計り売りされていることもある。
SHIMANO OT-SP41 シフトアウターケーシング ※取り付け後に余ったもの
■ クロスバイクのケーブルに使用
クロスバイクにはJagwireのアウターケーブルにWAKO’S メンテルーブを注油して使うことが多かったが、これで性能や耐久性に大きな問題はなかったこともあって、シマノ純正のアウターケーブルを使う機会がなかった。現在、ロードバイクではOT-SP41とオプティスリックシフトインナーケーブルを使っており、軽くスムーズな変速操作とその持続性を実感したので、クロスバイクにも採用することにした。
アウターケーブルを単品で購入したのは、私のクロスバイクのシフトインナーケーブルがすべてアウターケーブルに覆われているため(いわゆるフルアウターのため)、シフトケーブルセットのアウターケーブルでは長さが足りなかったからだ。私が購入したショップでは10cm単位で計り売りされており、必要な分だけ手に入れることができた。
GIANT SEEK R3のシフトケーブルの仕様は”フルアウター”
■ 業務用のOT-SP41の特徴
ST-RS505に付属するOT-SP41はロゴが印刷されており、ロゴに対してケーブルカッターで切断する向きが決まっている。一方、私が手に入れた業務用のOT-SP41は、シマノのロゴが小さくデボス加工されているだけだ。このロゴの大きさなら、シマノ以外のコンポーネントに使ってもほとんど目立たないだろう。
脱脂した針を業務用のOT-SP41に挿入して取り出してみると、目で確認できるほどシリコングリスの付着量は多くないが、シリコングリスに特有のスベスベとした感触は確かにある。だが、ST-RS505に付属するOT-SP41は、微量ではあるがシリコングリスの白い塊が付着していた。もしかしたら、50m入りの方がシリコングリスの量が少ないのかもしれない。
50m入りの業務用のOT-SP41(左)、ST-RS505に付属するOT-SP41(右)
■ 変速性能とレバーの操作感
OT-SP41にはシリコングリスが入っているので、オプティスリックシフトインナーケーブルをそのまま挿入。ケーブルの出入り口やシフターに内蔵される部分のみ、シフトインナーケーブルにKURE シリコングリースメイトを、グリスの白さが消えるまで薄く伸ばして塗布した。
OT-SP41とオプティスリックシフトインナーケーブルの組み合わせによる、軽く滑らかな変速操作は私の期待どおり。レスポンスもよく、レバーのタッチにケーブルの繊維のざらつきをほとんど感じない。変速調整にもよるが、メインレバーの操作に要する力は、体感的には1~2割程度減少。OT-SP41ならフルアウターでも軽い変速操作が可能になる。また、大きく曲がった部分でも抵抗を感じにくい。
フルアウターでも軽い変速操作が可能。大きく曲がった部分でも同様に抵抗を感じない
■ 耐久性
ロードバイクのOT-SP41を使って約1年になるが、変速の軽さや滑らかさは現在も持続しており、アウターケーブル自体にも目立った劣化はみられない。私の場合は他のアウターケーブルと同様に、少なくとも2年くらいは問題なく使えそうだ。封入されているシリコングリスも変速性能を維持しやすい。シリコングリスはWAKO’S メンテルーブよりも付着性が高く、このことが潤滑剤の耐久性の差につながっていると感じた。
■ インナーケーブルのみを交換する際の注意点
先月はリアのインナーケーブルがほつれたので交換したが、OT-SP41の内部のシリコンが少なくなっていると考え、インナーケーブルにシマノのケーブルグリスを塗布しておいた。OT-SP41のグリスの量は少ないので、インナーケーブルのみを交換する場合はグリスアップの必要があると思う。ちなみに、シマノのケーブルグリスは粘度が低く、グリスの白さが少々残る程度に塗っても、変速操作の軽さは変わらない。
インナーケーブルのみを交換した際に、シマノのケーブルグリスを塗布した
■ 総評
上位グレードにも採用されるだけあって、OT-SP41 シフトアウターケーシングは高品質・高性能だ。アウターケーブル自体の品質も良いが、OT-SP41の価値はあらかじめシリコングリスが封入されている点にある。シリコングリスは軽く滑らかな変速操作に貢献し、付着性も高いので変速性能の高さが持続しやすい。好みの潤滑剤を使いたいならシリコングリスの入っていない他社製品を使えばいいと思うが、そうでないならOT-SP41を使えばいいだろう。
価格評価→★★★★★ (コストパフォーマンスに優れる)
評 価→★★★★★ (個人的にはこのシフトアウターケーブルが一番使いやすい)
<オプション>
年 式→ ー
カタログ重量→ ー