購入価格: ¥1,000 (税込)
標準価格: ¥1,000 (税込)
『オプティスリックケーブルが登場する以前のディレイラーにも固定可能。低摩擦なのでフルアウターのシフトケーブルに最適』
■ ロードだけでなくクロスバイクにも使用
SHIMANO オプティスリックシフトインナーケーブルは、ステンレス製のケーブルに緑がかった滑らかなコーティングが施されている。105・Tiagra・SORA・DEORE XTグレードに採用されている。実際に使ってみると、変速の軽さやスムーズさはポリマーコーティングケーブルをわずかに下回る程度。オプティスリックケーブルの方がコーティングがはがれにくく、初期の変速性能を維持しやすい。
ロードバイクで使ってとても気に入ったので、私はクロスバイクにも採用することにした。ただ、私のクロスバイクはシフトインナーケーブルが全てアウターケーブルに覆われており(いわゆるフルアウター)、ROAD用のオプティスリックシフトケーブルセットではアウターケーブルの長さが足りない。その上、MTB用のセットにはホワイトがないので、シフトインナーケーブルとアウターケーブルをそれぞれ単品で購入した。
SHMANO オプティスリックシフトインナーケーブル。φ1.2×1200mm。インナーエンドキャップ1個が付属
■ 以前のモデルのディレイラーにも固定可能
私のクロスバイクには、フロントディレイラーにFD-T780、リアディレイラーにRD-T780、シフターにはSL-T780をつかっている。いずれもグレードはDEORE XTだが、オプティスリックケーブルが登場する以前のモデルだ。私が気になったのは、これらの以前のモデルのディレイラーにもオプティスリックケーブルがちゃんと固定できるかということだった。
ポリマーコーティングケーブルやオプティスリックケーブルに対応したディレイラーは、ケーブルを固定するワッシャーに同心円状の溝があり、これらの滑りやすいケーブルを確実に固定できる。一方、以前のモデルのディレイラーにはこのような溝がない。一時期、シマノがポリマーコーティングケーブルを対応するディレイラー以外には使わないようにアナウンスしていたのは、溝がないワッシャーでは固定力が低下する可能性を考えてのことだと思われる。
実際には、私のクロスバイクのディレイラーにもオプティスリックケーブルをしっかりと固定できた。このケーブルのコーティングは、ALLIGATORやJAGWIREのPTFEケーブルのように強固に密着している。コーティングが低摩擦とはいえ、ポリマーコーティングケーブルのようにコーティングが薄皮のようにズレるわけではないので、他のケーブルと同様に固定できる。
以前のモデルのディレイラーにも、オプティスリックケーブルを固定できた
■ 軽くてスムーズな変速に調整しやすい
クロスバイクのオプティスリックケーブルは、JagwireのPTFEコーティングのケーブルからの交換。アウターケーブルも他社製のものから、シマノ純正のOT-SP41 シフトアウターケーシングにした。以前はWAKO’S メンテルーブをケーブルの潤滑剤に使っていたが、今回はアウターケーブル内にシリコングリスが封入されているので使っていない。
この組み合わせで変速操作をしたかぎりでは、リリースレバーの操作は素早く滑らか。このことに加えて、メインレバーの操作は軽くなった。特にケーブルの繊維のざらつきを感じない滑らかなレバーのタッチは私の期待どおりだった。JagwireやALLIGATORのPTFEコーティングよりも滑らかな指ざわりで、実際の変速動作でもオプティスリックケーブルの方がケーブルが滑りやすい。メインレバーの操作に要する力は、変速調整にもよるが、体感的には1〜2割程度小さくなったといったところだ。
リアのメインレバーの操作は、変速調整である程度アジャスターを締め込んでも非常に軽い。フロントのメインレバーの操作を軽くするには、ある程度追い込んだ変速調整が必要になるが、グリップに指をかけたまま親指の軽い力でメインレバーの操作ができるようにはなる。特にこだわりがなければ、アジャスターを締めた状態でも苦痛にならない程度の操作は可能。低摩擦なオプティスリックケーブルは、変速の軽さと変速調整のしやすさの両方に貢献すると感じた。
ケーブルの抵抗でレバーの引きが重くなりやすいフルアウターの場合は、オプティスリックの効果が特に高いと思う。これなら、バーテープ内にシフトアウターケーブルを内蔵するタイプの、以前のモデルのデュアルコントロールレバーにも有効かもしれない。
フルアウターのシフトケーブルには特に効果が高い
■ ケーブルのほつれに注意
実はロードバイクのリアのオプティスリックケーブルは、数日間で二度も交換している。ケーブルのほつれによって、あるギアで音鳴りが生じたり、ローギアにチェーンがかからなくなったりしたからだ。変速調整し直しても変速不良が生じる場合は、ケーブルのほつれを疑ったほうがいいだろう。
一度目はデュアルコントロールレバーのケーブルガイド内でのほつれ。二度目はケーブルの末端処理をせずに変速操作を行ったら、ディスプレイスタンドの脚に当たってほつれが広がった。オプティスリックのコーティングは硬くてはがれにくいが、所詮細いステンレスの繊維を束ねて作ったものなので、ほつれにくさは他のケーブルとほぼ同様だと感じた。これは取り付けや末端処理に気をつけることで、ある程度は防げる問題だと私は考えている。
ロードバイクでは数日間で二度のほつれ。原因はケーブル以外にあると考えている
■ 変速性能の向上を実感
オプティスリックシフトインナーケーブルが、このケーブルが登場する以前のディレイラーにも固定できるとわかったのは収穫だった。低摩擦なコーティングのおかげで、私のクロスバイクは以前よりも軽くてスムーズな変速操作が可能になった。シフトケーブルがフルアウターの車種や、バーテープ内にシフトアウターケーブルを内蔵するタイプのデュアルコントロールレバーには特に有効だと思う。コーティングがはがれにくいのはロードで経験済み。クロスバイクではケーブルがほつれたことがないので、今後は他のケーブルと同等以上の耐久性を期待したい。
(参考) SHIMANO OT-SP41 オプティスリックシフトケーブルセットのレビュー:
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=14015&forum=46価格評価→★★★☆☆ (他のケーブルよりも高価だが、その分の変速性能の違いはある)
評 価→★★★★★ (軽くてスムーズな変速に貢献。ほつれの原因はケーブル以外にもあるのでマイナス評価にせず)
<オプション>
年 式→ ー
カタログ重量→ ー