CYCLE SPORTS 2017年2月号 これが本当の自転車の進ませ方 ペダリング最終回答
購入価格 ¥840
自転車雑誌。表紙の特大ロゴ「これが本当の自転車の進ませ方 ペダリング最終回答」に 強い意気込みを感じて購入しました。
“本当に正しいペダリング"を身に付けるために必要なのは 雑誌やネットで耳障りのいい情報を集めることではない。 正しい知識を身に付け、自分で考え、実践し、それを繰り返すことである。(公式サイト内容紹介)
表紙に「大特集」とある通り、P44~P64 21Pも割かれています。 カンチェラーラが表紙の1月号「今更聞けないロードバイクトレーニング基礎のキソ」と同じトレーナーさんが監修されています。 (前号記事と今号記事とで執筆者が異なるようで、印象が随分異なります。比べてみるのも面白いかもしれません。)
「最終回答」への期待は早々に覆されました。 P45には「万人に当てはまる夢のソリューションなど存在しないのだ。 よって、"最終回答"というタイトルが付いているものの、ここからの21ページのどこにも答えは載っていない」
P51では「脚質によってサドルポジションの傾向はあるが、その基準となる"ベーシックなサドル位置"は人それぞれ。 何ともスッキリしない話だが、それが本当なのだからしょうがない。」
次のP52では「良く『骨盤は起こして乗るのが正しい』とか『骨盤は寝かせるべし』などと言われるが、 どちらが正解という話ではない」
P54では大きなフォントで「ペダリングにはさまざまな要素が複雑に絡んでいる」 P56のクランク長とQファクターでは「どちらも人によって正解が異なる」 P57「抜重のタイミングも人それぞれ。本当に何も言えないんです」 P58「ここのところ、サイスポはライディングテクニックにしても機材にしても 『分からない』『正解がない』ばかり書いているような気がするが、それが"スポーツバイクの真実" なのだからやむをえない。(中略)自転車を乗りこなすとは、かくも難しいことなのである。」
締めはP64「これをやればOKという最終回答を皆さんに与える企画ではないと思っています。 自分自身で考え、最終回答を探し出す術を伝えたつもりです。」
… 本文に関しては「判断材料」として、入り口の説明に徹している印象を受けます。 ガチガチの図表や数値よりはフィーリング、文章寄り。アイテムやブランドの具体名は出てきません。
ただ、メソッドについて触れられていないわけでは全くなく、 「軽めのギアで、母指球に力をかけることを意識しつつ、長距離を走るだけ(P60)」という"神経トレーニング"や 「ロングライドには必要ありません。これはいざというときのブースターです(P63)」という 人と場面を選びそうな"キネティックチェーン"などが紹介されていますし、 筋肉の動きに関しては図と共に詳しく説明されています。
記事の読みごたえはありますし、雑誌記事を書くことの難しさはとても伝わってきます。 しかしながら「最終的な答え」を「得られる」ことをイメージした人の中には戸惑ったり、 自転車の進ませ方をとても難しいものだと見なす人が居るかもしれません。
(もしかしたら「プロにフォームを診断して貰え」が答えになり得るかも分かりませんが。。。)
… 内容紹介「耳障りのいい情報」は、本文P45では「耳触りのいい情報」と表記されています。 どちらにしても、中身が伴っていない、実用的ではないといったニュアンスでしょうか。
そういった情報には注意したいです。
価格評価→★☆☆☆☆ 評 価→★★★☆☆(P68~「フレーム&ホイールの空気抵抗」も同じくらい個性的な記事です。)
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