購入価格 ¥980(2015年秋に購入)
2015年の秋に、ワーキングウェアブランドであるワークマンから、「サイクリング用ウェアが出る」というニュースが流れた際、サイクリング用手袋として紹介されていた製品です。
とにかく安価で入手できることと、ワークマンという、今まで自転車用として意識していなかったブランドからの参入、という所に興味があったため、2015年から今年までの低温期に試用してみました。
●外観
良くある、作業用のグローブという外観です。
工具を使う際の掌の保護や、コストダウンを考えた縫製を考慮した結果、何となく似通った外観になるのだと思われます。
なお、本製品は既にディスコンのようであり、2017年1月段階では「PU作業手袋」がその後継になっているようです。
まあ、こういった製品は、年々、マイナーチェンジを重ねていますので、毎年、少しずつ素材や形、色などが変わっていくと思います。
ちなみに、製品パッケージには、特に「自転車用」という表記はされておらず、作業時の手の保護機能や防風性の高さをアピールする記述が目立っていました。また、店頭でも、自転車用としては扱われていませんでした。
●使用感
いわゆる自転車用グローブより、全体的に遊びが大きく、特に裏地(起毛フリース)のモコモコ感が強い着用感です。
掌側は、パッドというよりは全面に薄くクッションが配置されているような感じであり、どちらかと言えば、工具をしっかり保持するとともに、ハンマーなどを振るった際のインパクトを和らげることを考慮したものと思われます。
ドロップハンドルの上ハン等、円筒形の物を握る場合、しなやかに変形してくれるのですが、不定形の物を握ろうとすると、少々、生地に余裕がない感じがします。
しかし、もともとが工具を扱う場合に使うグラブですから、それは仕方がないでしょう。
なお、このグローブ、気温10℃ほどの晴天下、20kmほど走った段階で、発汗で激しく蒸れてきました。
表地と裏地の間に、樹脂フィルムを挟んで防風性を持たせている(一応、透湿性もあるとの事)らしいのですが、このフィルムの透湿性は、負荷の高い運動による発汗には全く追い付きません。
通勤程度の短時間利用ならば、あまり問題になりませんでしたが、ロングライドなどに使うのは厳しいでしょう。
短時間利用、あるいは負荷が軽い、ファミリーレジャーとしてのサイクリング程度の使用にとどめるのが良いと思います。
蛇足ながら付け加えると、アトピー持ちの私の体の場合、ロングライドで使用した際、汗で濡れた裏地が肌に対して攻撃性を持ったのか、かなり酷い皮膚炎になりました。
これは「私の場合」という特殊なケースですが、肌が弱い体質の皆様は注意した方が良いかもしれません。
●まとめ
ワーキングウェアのブランド、ワークマンが、かつて「サイクリング用」として紹介していたグローブ。
通勤・通学や、ファミリーレジャーレベルのサイクリングなどには活躍してくれそうです。
というか、一般の皆様が「サイクリング」と聞いて思い浮かべるのは、ファミリーレジャー程度でしょうから、そういう意味では、メーカーの想定通りだと評価しても良いかもしれません。
とにかく、本製品は工具を使う際のすっぽ抜けの防止や、衝撃の緩和が本来の用途であると考えられ、ロングライドやレースのトレーニングまでフォローするのは、さすがに厳しいと思われます。
そのレベルの性能を求めるなら、最初から自転車用品を求めるべきです。
しかし、全く異なる業界からの参入というのは、可能性の幅を広げることが多々あります。
あの、おたふく手袋インナーウェアも、パッケージ等を見る限り、もともとはワークウェア系統の製品だと思われますからね。
そんな訳で、自転車乗りの観点からは厳しい評価になりますが、何かの機会に魅力的な製品を出して頂けることに期待したいものです。
価格評価→★★★★★(←文句なしに安価。本来の用途の製品として見ても、お買い得価格だと思う)
評 価→★★☆☆☆(←ファミリーレジャー程度のサイクリングなら大丈夫だと思うが、CBNを訪れる皆様が求めるレベルの用途には厳しい)
<オプション>
年 式→2015年