購入価格:送料込み54ポンド(購入時レートで、約7,000円)
定価:79.99ポンド(Proviz直販サイト)
英国のスポーツ用高視認性ウェアメーカー、Provizによる、反射繊維混紡型の自転車用ソフトシェルベスト。
PixEliteという製品群は、要所要所に反射繊維が混紡された生地を使用しており、自転車用としてはこのベスト以外にも、長袖ジャケットや長袖ジャージ、ビブショーツなどが製品化されています。
2016年の夏、イギリスのEU離脱騒動が勃発した時、軒並み外貨が暴落したタイミングで購入しました。
しかし、保温性が高いウェアであり、夏に使えるような物ではなかったため、時間を置いてレビューします。
ちなみに、「PixElite」という製品名の大文字、小文字の配列は、メーカーの記載に従っています。
発音は、多分、「ピクセライト」で良い……と思います。
●外観など
パッと見は、モノトーンのベストに見えますが、先にも書いたとおり、反射繊維を混紡した生地が使用されています。
どの部分に使われているか、フラッシュ撮影で見てみると、ご覧のとおりです。
反射材の配置は、対向車から目立つ首まわりと両肩上側、横方向の被視認性を考慮した両脇、後方からの視認性を考慮したバックポケット部に配置されています。
スポーツ自転車に乗車するときの前傾姿勢を考えると、非常によく考えられた反射材配置になっていると思われます。
なお、この製品は蛍光色が使われていないため、EN ISO20471やEN1150のような、高視認性衣服の規格には準拠していません。
海外のブルベ等に参加する際には、ウェアの規定を見て、適合性を個々に判断してください。
●使用感など
伸縮素材を使用したソフトシェルジャケットで、生地は結構厚く、これ1枚で、半袖ジャージを2枚、重ね着した感じの着用感があります。
身長170cm、ブルベ人的メタボ体形でMサイズを使用していますが、着心地はかなりタイトです(体を絞っている皆様なら、大丈夫だと思う)。
また、襟が首にフィットする形状のため、ネックウォーマーがいらない作りになっていますが、場合によっては息苦しく感じられるかもしれません。
とりあえず、本製品は「反射ウェア」としてみた場合の性能については、非常に良好であると思われます。
実際、自転車通勤時に使用しているところを同僚に見られましたが、反射面積が大きいため、市街地でも非常に良く目立ったとの事でした。
一方で、防寒着としてみた場合、腕の保温を別途、考える必要があるため、中途半端な感じが否めません。
対応気温範囲は、私の体では最低10℃前後まで。それ以下の温度域になると、生地の風抜けによる冷たさが強く感じられるようになってきます。
(恐らく、ウインドブレークジャケットのような、耐風性を高めるような表面加工はされていない)
正直なところ、同じPixEliteシリーズの中では、長袖サイクルジャケットや長袖サイクルジャージの方が、レイヤリングとしても使い易かったと思います。
●まとめ
反射繊維を編み込んだ、特殊な生地を用いたソフトシェルベストです。
防寒性能としては、最低気温が10℃前後までのシーズンで、体幹保温程度と思われます。
反射材の配置は、正面、側面、背面の被視認性を考慮したものであり、春季または秋季など、暗くなるのが早い時期の通勤通学や夜練など、夜間の市街地走行に使うのに最適でしょう。
ただし、蛍光色を使用していないため、高視認性衣服の規格には準拠していません。
海外のブルベなどで使用する場合、装備規定に適合しない可能性があるので、注意してください。
日本で購入する場合、通販などで少量ながら出回っている場合もありますが、面倒でない方は、Provizの直販サイトで購入するのが確実でしょう。
http://www.provizsports.com/en-gb/ ちなみに、Provizでは、全面反射生地を使ったReflect360シリーズなど、ユニークな反射ウェアを多く取り扱っていますので、カタログを見るだけでも楽しいと思います。
なお、Provizの直販サイト、2年ほど前までは、日本語および日本円での表示に対応していたのですが、2016年夏にチェックしたら、既に英語表示のみになっていました。
日本からの利用者は、そんなに多くなかったのでしょうか?(便利そうな製品が多いんですけどね……)
価格評価→★★★★☆(←英国のEU離脱騒動直後のレートでは。)
評 価→★★★★☆(←反射ウェアとして見た場合の評価。レイヤリングを考慮すると、長袖ジャージか長袖ジャケットを推奨)