購入(出資時)価格 $199 (参考:現時点(2016/11初)の販売金額は$349)
Selle Anatomica(セレ・アナトミカ)の革サドルは、長距離乗った場合の座り心地から、パリ-ブレスト-パリなどのロングライドでの愛好者が多いことで有名です。
その会社がカーボンサドルをCシリーズとして発売しました。
最近入手し、300kmブルベで使いましたので所感を含めて書きます。
●製品の成り立ち
この製品は、当初はSelle Anatomicaが2015年春ごろに"Comfy Carbon Project"として、製品のクラウドファンドへの出資を募る形でスタートしたものです。
クラウドの案内に書かれていた主な内容:
・カーボンの専門家およびカリフォルニア大学サンディエゴ校と組む。
・リーフ・スプリングを用いた軽量で快適なサドルを実現する。
・2016年1月に出荷する。
私が出資金額を振り込んだのが2015年4月で、入手したのが2016年9月だったので、出資ではよくある話ですが、案内に書かれていた予定より大幅に遅れておよそ1年5ヶ月待ちました。
なお現在(2016/11初時点)のSelle Anatomica社サイトでの販売価格は$349ですが、出資した際の金額は$199(送料別)でした。
●まず受領してみて
カーボンファイバーの折り込みが見える、まさにカーボン然とした外見です。
よくあるレールだけカーボンではなく、座ったときに尻にあたる部分もカーボンです。
座る部分をたたくとカチカチと音が鳴ります。
どんな感触なんだろう?と思うかたには「この見た目から想像されるとおりです」と伝えればおよそ合っていると思います(笑)。
重量は公称190gで実測197gでした。
重さだけで言うと、私のロードバイクについていた純正サドルは実測140gなのでそれよりは重いですが、そのサドルは30kmも乗ると私の場合尻が痛くなるため、ヒルクライムや短いレース以外ではこれまで使っていません。
なお革サドルのSelle AnatomicaXシリーズの未使用品が手元にあるため量ったところ509gでした。
従って革のXシリーズをカーボンのCシリーズに替えるだけで約300gも軽くなることになります。
●留意点
革サドルのXシリーズとは、シートポストに固定するクランプの形状が異なります。
これまではレール断面は7mm×7mmですが、Cシリーズでは以下のような7mm×9mmのものを準備する必要があります。
クランプはレールを横から締めるタイプでも上下から締めるタイプでもどちらでも良いとのことです。
●300kmブルベで実際に使ってみて:
触った感触はSelle Anatomicaの革と全く違いますが、尻にあたる形状が近いです。Selle Anatomicaの革サドルはボルトでテンションの調整ができますが、その革を最大限にぴんと張ったときの感じとこのカーボンサドルの座り心地が似ています。
座面が広く、圧力が分散される感じがします。
革サドルのSelle Anatomica Xシリーズと比較した場合の長所と短所を書きます。
■長所
・今回のブルベで使った限りにおいて、200kmまでは革と比べて尻の負担があまり変わらず良好だった。
・サドルという自転車の最も高い部位が300gも軽いのは体感的に違うほどで、走行時の負担軽減としてはメリットがある。
・形状のためか、あるいはつるつるした表面のためか、ケイデンスを上げやすい感じがする。
・Selle Anatomicaの革は使い続けていると伸びていくので、ボルトを回して革のテンションを維持する必要がある。また、革をレールに固定するピンが取れたり、革の固定部からキシキシと異音がなる問題がある。このカーボンサドルではそういった面倒な点から解放される。
■短所
・200kmを越えたぐらいから、革に比べた固さのためか、何度も尻をサドルから離したい局面があった。
(ただ、私の場合は新品の革サドルを使ってもそうなる場合があるので、このサドルの特性かどうかはまだ断言できない)
なお、使った自転車は振動吸収型のシートチューブで、かつ私は尻の部分に厚めのパッドを使ったウェアをはいているので、人によってはかなり違う感想になるかもしれません。
Selle Anatomicaの革サドルより座り心地はある程度落ちるかもしれません。一方。総じて現時点では満足度は高いので、当面は不具合がない限りこれを使い続けるつもりです。
価格評価→★★★★☆ (現時点の販売金額は革よりかなり高い)
評 価→★★★★★ (軽さや使いやすさで満足)
年 式→ 2016年
カタログ重量→ 190g(実測重量 197g)