購入価格: ¥3,791(税込)
標準価格: ¥6,912(税込)
『Edge 520Jなら複数台で使い回せる上、タイヤ周長も自動で補正可能。ただし、こぎ出しでの反応は遅め』
■ シングルスピードに取り付け
現在、私はGARMIN Edge 520Jを使っており、ロードバイクとクロスバイクには、それぞれGIANTのスピード/ケイデンス一体型センサーを取り付けている。シングルスピードにはセンサーを取り付けておらず、距離やスピードをGPSのみで計測している。
Edge 520JはGPSのみでも意外に快適に使えるが、こぎ出してから計測を開始するまでの反応の遅さが気になったので、GARMINのスピードセンサーを導入することにした。スピード/ケイデンス一体型センサーを選ばなかったのは、私がシングルスピードでケイデンスを特に重視しておらず、Gセンサーによる計測方法にも興味があったからだ。
GARMIN スピードセンサー。通信規格はANT+
■ ハブにかんたんに着脱可能
スピードセンサーは、ゴムバンドの付いたカバーをハブに巻きつけて固定する。トラックハブの細いハブシェル(直径約20mm)でもしっかりと固定可能。直径約29mmのハブでも無理なく取り付けられた。ただ、着脱がかんたんなので、私は盗まれないように駐輪の際に取り外して持ち運んでいる。
私が所有するディスクロード用のFulcrum Racing 5 DBのリアハブに取り付けると、スピードセンサーが若干斜めに傾いた状態になるが、取り扱い説明書によるとスピードセンサーの動作には影響しないようだ。
ハブに巻きつけて固定する
■ ペアリングは短時間で終了 ※Edge 520Jの場合
自転車をスタンドに固定してホイールをゆっくり2回転(またはそれ以上)させると、スピードセンサーのLEDランプが点滅し、Edge 520Jとペアリングが可能な状態になる。Edge 520Jならセンサーの検索が早く、ペアリングに時間はかからない。
また、ペアリング済みのANT+センサーが他にある場合は10m以上離す必要があるが、これらのセンサーをスリープ解除しなければ、スピードセンサーのペアリングには影響しないようだ。
ホイールを2回転以上させるとLEDランプが点灯する(左)
Edge 520Jならすぐにペアリングが終わる(右)
■ 複数台で使い回せる上、タイヤ周長も自動で補正 ※Edge 520Jの場合
Edge 520Jでタイヤ周長の設定方法を「自動」にした場合は、700m程度走ればタイヤ周長が確定するポップアップメッセージが出る。だが、タイヤのサイズが異なる自転車にスピードセンサーを付け替えて走る際には、タイヤ周長が自動で補正されたかどうかは、特にポップアップメッセージが出るわけではないのでわかりにくい。
実際には、スピードセンサーの「センサー詳細」という項目を見れば、ちゃんとタイヤ周長が補正されていることがわかる。どの時点で補正されているかは不明だが、約3km走行した後にはすでに補正されていた。Edge 520Jなら、タイヤ周長の設定方法を自動にしておけば、ひとつのスピードセンサーを複数台の自転車で使えるだけでなく、付け替えた後に設定を変更する必要もないので楽だ。
ただ、私の自転車では、700×23Cから700×28Cに付け替えたにもかかわらず、タイヤ周長が小さく表示された。700×23Cでは高圧にし、700×28Cではやや低圧にして走ったことが影響したかもしれない。その他にもタイヤの種類や摩耗の度合いなど、さまざまな要素が影響していると思う。
タイヤのサイズが異なる自転車に付け替えると、Edge 520Jが走行中にタイヤ周長を自動で補正する
■ こぎ出しでの反応が遅めだが許容範囲内
走行中の加速や減速に対する反応は良いが、こぎ出し(ゼロ発進)で反応が遅くなることがある。私のシングルスピードでゆっくりこぎ出した場合、片側1車線の交差点を渡りきって(つまり2車線分の距離を走って)から反応することがあった。ただ、毎回反応が遅いわけではなく、同じようにゆっくりこぎ出してもすぐに反応することもある。また、Edge 520Jが一時停止してからすぐに発進すると、即座に反応する。
スピード/ケイデンス一体型センサーに比べると、こぎ出しでの反応の早さにはばらつきがあり、反応がワンテンポ遅くなることがある。それでも、毎回反応が悪いわけではないので、都内の交差点の多い道路を走ってもストレスを感じるほどではない。ちょっと反応が気になることもあるけど、問題なく使えるといった感じ。それに、一時停止中に自転車が前後にわずかに動くくらいでは反応しないメリットもある。
GPSのみ(センサーなし)よりはずっと快適。GPSのみの場合は、いつもこぎ出してからしばらくしないと反応しないし、走行中の加速や減速に対する反応もスピードセンサーに劣る。GPSのみでも構わないような気もするが、やはりスピードセンサーがあったほうが楽しい。
スピード/ケイデンス一体型センサーに比べると若干遅め
■ その他のメリット・デメリット
スピードセンサーは前後の取り付け向きは指定されておらず、両切りのトラックハブならスピードセンサーを外さずにホイールを反転させて取り付けられる。スポークのマグネットを付け替えないで済むのが、シングルスピードで使うメリットだ。
スピード/ケイデンス一体型センサーよりもチェーンステーがスッキリして見えるが、その代わりにハブがスピードセンサーで隠れてしまうので、個人的には外観上のメリットはあまり感じていない。また、ゴム製のカバー(スピードセンサー用ホルダー)に砂埃が付着しやすい。
スピードセンサーをつけたまま、ホイールを反転させて固定ギアにすることも可能
■ 複数台で使うなら特にオススメ
GARMIN スピードセンサーを使う最大のメリットは、複数台の自転車でひとつのスピードセンサーを使いまわせることだと思う。Edge 520Jなら、タイヤ周長の設定を自動にしておけば、他の自転車に付け替えてもタイヤ周長が自動で補正され、わざわざ設定画面で設定を変更する必要もない。こぎ出しでの反応が若干遅いが、実用上はあまり気にならず許容範囲内だ。
他の車種で1台のみでのセンサーの仕様を考えるなら、スピード/ケイデンス一体型センサーの方がこぎ出しでの反応も良く、低価格で手に入る。自転車の台数・取り付け後の外観・価格・反応などを考慮して、センサーのタイプを決めればいいと思う。今のところ、シングルスピードの両切りのトラックハブを反転する際にしかメリットはないが、新しいタイプのスピードセンサーを楽しめたのはよかったと感じている。
価格評価→★★★★☆ (海外通販がお買い得だが、スピード/ケイデンス一体型センサーとほぼ同価格)
評 価→★★★★☆ (複数台で使うとメリットが大きいが、1台で使うのも悪くはない)
<オプション>
年 式→2014年
重 量→16.5g