購入価格: 完成車付属品
標準価格: ¥2,000 (税込)
『音鳴りしやすいのがデメリットだが、シマノのレジンパッドと組み合わせればだいぶ静かになる』
■ GIANTの完成車に付属
私が所有するGIANT DEFY1 DISCには、6ボルトタイプの160mmローターが標準で搭載されている。GIANTの2017年モデルでは、このローターが「CONDUCT HYDRAULIC DISC BRAKE (ROTOR 160mm)」という商品名で単品で販売されるようになった。TEKTRO TR140-2のOEM品だと思われる。
GIANT独自の油圧式ディスクブレーキであるCONDUCT HYDRAULIC DISC BRAKE専用ローターだが、TRP SPYRE-Cなどの機械式ディスクブレーキを搭載した2017年モデルの完成車の多くにもこのローターが用いられている。CONDUCT HYDRAULIC DISC BRAKE (ROTOR 140mm)もラインアップされているが、こちらはAdvancedグレード以下の油圧式ディスクブレーキを搭載した完成車に採用されている。
GIANT CONDUCT HYDRAULIC DISC BRAKE (ROTOR 160mm)
■ 制動力とコントロール性は良好
キャリパーがTRP SPYRE-Cなら、高い制動力とコントロール性を両立できる。短い距離で止まれるよく効くブレーキなのに、キャリパーブレーキのようなコントロール性も兼ね備えた感じ。意外にもマイルドな効きで、高い制動力を安心して扱える。
ただ、TRP SPYRE-Cに付属するセミメタルパッドでは、シマノのレジンパッド B01Sよりも制動力が高いがコントロール性で劣る。レジンパッドの方が効きがマイルド。それに、160mmローターならレジンパッドでも十分に高い制動力を発揮できる。
TRP SPYRE-Cでの制動力とコントロール性は良好
■ 音鳴りが生じやすい
キャリパーブレーキやVブレーキのドライコンディション用のブレーキシューを経験した後では、音鳴りがちょっと気になる。スピードのコントロールではほとんど気にならず、停止や急制動の際に「シューッ」という音が生じやすい。頭部とキャリパーが離れていることもあり、音量の大きさをあまり感じないのがまだ救いだが、人によってはこの音鳴りでディスクブレーキにネガティブな印象を抱くかもしれない。
TRP SPYRE-Cのセミメタルパッドではほぼ確実に音鳴りし、フロント側は「ブオーン」とブレーキの鳴きが生じることもあった。シマノのレジンパッド B01Sに交換したところ、カサついた音が小さくなり、ブレーキの鳴きが一切生じなくなった。ただ、音鳴り自体をなくすことはできないので、キャリパーブレーキとほぼ同等の静粛性にするには、ローターも交換する必要がある。
TRP SPYRE-Cのセミメタルパッドでは、ブレーキの鳴きも生じやすい(左)
このローターを快適に使うならシマノのレジンパッドがオススメ(右)
■ 引っかかりのあるブレーキタッチ
ローターの穴の多さが影響しているのか、ブレーキタッチはあまりよくない。ブレーキパッドがローターの穴に引っかかるような感じ。TRP SPYRE-Cのセミメタルパッドからシマノのレジンパッドに交換すれば、ブレーキタッチがある程度は改善されるが、引っかかりは少し残る。
ローターの厚みは約1.8mmで、ローターの歪みによるブレーキタッチの悪さは特に感じなかった。TRP SPYRE-Cのようなデュアルピストン式のディスクブレーキなら、左右のパッドクリアランスが同じになるように調整しておけば、ローターの影響を受けないカチッとしたブレーキタッチを得やすいと思う。
■ シマノのレジンパッドとの組み合わせがオススメ
TRP SPYRE-CとGIANT CONDUCT HYDRAULIC DISC BRAKE (ROTOR 160mm)の組み合わせは、良くも悪くもロード用ディスクブレーキといったところで、キャリパーブレーキよりも制動力は高いが静粛性ではかなり劣る。ローターに関していえば、音鳴りしやすいデメリットが際立つ。
音鳴りが許容できるかどうかは使う人次第、ブレーキパッド次第といったところだ。このローターを生かしつつ静粛性を高めたいなら、シマノのレジンパッドに交換するのがオススメ。ブレーキパッドとローターのカサつく音がだいぶ小さくなり、コントロール性とブレーキタッチも同時に改善される。個人的には買ってまで使いたくないローターだが、ブレーキパッド次第では快適に使い続けることも可能だ。
価格評価→★★★★★ (完成車付属品としての評価。単品で購入するなら星3つ)
評 価→★★★☆☆ (音鳴りしやすいが使おうと思えば使えるのでこの評価)
<オプション>
年 式→ ー
重 量→123g