総費用 20万円~30万円程度
2016年8月開催。ミラノ近郊の町ネルヴィアーノ (Nerviano) を起点に、北イタリアをざっくり1周するブルべ。
約1600kmの行程、獲得標高 約16000m、制限時間140時間。
見応えのある絶景に感嘆し、主催者・スタッフの方のホスピタリティに頭が下がる、すばらしいイベントでした。
ルート紹介などは省略し、経験談のみに絞って記載します。
(1) 参加に掛かった費用
参加費: 185ユーロ
バッグドロップ: 20ユーロ
飛行機代: 約90,000円 (キャセイパシフィック航空、香港経由)
ホテル代: 約45,000円
上記に加え、国内・現地での移動、イベントでの支出、お土産等を含め、全体で20万程度。
但し、イベント向けに準備した機材等の費用は含んでいません。それらを含めると30万円程度です。
(輪行用の樹脂製ハードケースが高価でした)
(2) ミラノまでの移動、ホテルについて
ミラノには空港が2つありますが、今回はマルペンサ空港を利用しました。
空港からはマルペンサエクスプレスという電車を利用し、その停車駅であるサロンノ (Saronno) から徒歩5分のホテルに宿泊しました。
ホテルがあるサロンノからスタート地点であるネルヴィアーノまで、自転車で30分程度です。
ホテルは7連泊でブッキングしました。イベント期間中は泊まれないので、荷物置場代わりですね。
輪行方法については、過去にソフトケースを用いてホイール振れが出たこともあり、今回は樹脂製ハードケースを用いました。
尚、現地で SIM を調達したかったのですが、ホテル近くの携帯ショップは閉店中でした。
夏休みのようで、携帯ショップに限らず多くの店が閉店中でした。
観光客向けの場所であれば少し事情は違うかもしれません。
(3) 走行計画
厳密な計画は立てていません。
当初は計画を立てようとしたものの、無駄を感じて途中で止めました。
未経験の距離かつコースプロフィールがタフであり、計画通りに実行できる自信がなかった為です。
体力面以外でも、トラブルの程度、トレインに乗る・乗らないで走行ペースは大きく変わります。
(4) 持ち物
重要な点だけ記載すると、まず挙がるのはエマージェンシーシートです。
コントロールを含め、寝たい場所に地面の冷たさを防ぐモノ(マット等)が有るとは限らないからです。
また、昼夜の寒暖差は大きく、標高差もあることから 10℃~35℃ に対応する装備がおすすめです。
40℃近くまで上昇する事もあるそうです。私は日焼けによるダメージ防止の為、日焼け止めを使いました。
(5) 車検、ブリーフィング、出走
夜スタートのイベントです。
スタート当日の朝に出走登録を行い、その際にブルべカードやバッグドロップ用バッグを受け取ります。
スタート当日の夕方に、バッグドロップ用バッグを預ける手続き、ブリーフィング、パスタパーティが行われました。
車検自体は出走直前に行われました。
上記は、レギュレーションの記載とは若干異なる流れでした。
(6) ルート概要 - その1
スタートから約400kmは殆どフラット。路面状態も良くスタート直後という事もあり、トレインに乗って一気に距離を稼げます。
本番はその後の 1200km でしょう。
それ以後は斜度10%を超える勾配、アップダウンが続きます。
ガタガタの舗装もあればグラベルロードもあり、どこを走るべきか迷う箇所もありました。
走行中に「センターラインを見て走ると安全だよ」 とアドバイスを受けました。
路肩から外れて落車するリスクが減る為と思います。夜でもセンターラインは認識しやすく、路肩に近いほど路面が荒れがちです。
当然、車が多い道では危険ですし、センターラインが必ずあるとは限りませんが・・・
(7) ルート概要 - その2
普段のブルべよりも、ミスコース?が多く、集団が2方向に分裂する等、正しいルートに迷うことがあります。
ブルべにおいては、キューシートよりも主催者提供の GPS ルートに従って走行する方も多いと思いますが、
キューシートが基本であり、GPS を用いる際もキューシートを事前に確認しておく事で、ルートに迷う事は減ると思います。
「こっちの方が近道だ」
「走るだけなら、キューシート通りに走る必要はない」
「初めての参加なら、キューシート通りに走るべきだ」
・・・ と色々意見を聞くことができました。
ただ、キューシート通りに走ることで美しいイタリアを体感できると思います。
(8) ルート概要 - その3
Paris-Brest-Paris において、ブレスト (Brest) に着いて海を見ることがクライマックスの1つだとすれば、
1001 Miglia Italia において、それに相当するのはシエナ (Siena) に着くことかもしれません。
シエナに着くと、一緒に走行していたイタリア人にシエナの広場を案内してもらいました。
そして気づいた事は、このブルべはイタリア観光であるという事です。
”キツいルートだけど、絶景ルートばかりだから、ゆっくりしていってね!” という感じです。
(9) コントロール
各コントロールにおいて、ブルべカードにシールが貼付されます。
そのシールには通過順位が記載され、自分が何番目にコントロールを通過したかが分かります。
ブルべはレースではありませんが、わずかにその一面を感じる演出ではないでしょうか。
そしてお待ちかね?の食事です。多くのコントロールでは、
[無料] 基本的な食事(パスタ等)、果物、水、ワイン、シャワー、仮眠場所
[有料] 一部の食事、ミネラルウォーター、コカ・コーラ、ビール
・・・でした。ミネラルウォーターはボトル1本だけ無料の場合もあります。
「暑いときはこれだよ」と、ビールをゴクゴクしている方もいましたので、アルコールも需要があるということですね。
コントロール毎に特色があるので、上記はあくまで参考としてください。
次のコントロールはどんな感じかな?というのも、楽しみの1つでした。
コントロールの場所が分からない場合は、イタリア人の後を追っかけてください。彼らもコントロールを探していると思います。
(10) 水分補給
昼間は30℃を超え、湿度も日本より低く、水分補給はとても大事です。
水分補給を兼ね、コントロールではスイカとメロンを食べまくってました。
コントロールとコントロールの間で水分補給する場合はどうすればよいのか。私の場合、以下3か所を用いました。
・店舗
・道路脇にある水道
・お墓
店舗以外は期待しない方がよいでしょう。数が少ない上に分かりづらく、イタリア人の後ろに付いていって初めて気づきました。
従って店舗、特に Bar にお世話になりました。水だけでなくコーヒーも飲めるので、カフェイン補給にも使いました。
(11) まとめ
とてもとても楽しいイベントでした。
海外ブルべ経験は Paris-Brest-Paris のみですが、異なる楽しさを味わえました。
イタリア人の陽気さ?のおかげか、主催者や参加者同士との距離も近く感じられ、フレンドリーな大会でもありました。
実際、様々な面で助けられ、感謝しています。
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