利根川の支流、渡良瀬川に流れ込む餅ヶ瀬側に沿う林道です。群馬県みどり市と栃木県日光市の境界と渡良瀬川の交差するあたりから西の山岳方面に伸びています。5月に咲き誇るアカヤシオ、ミツバツツジ、シロヤシオ、ヤマツツジ、6月のあずまシャクナゲが見事な袈裟丸山にアプローチできそうな林道ですが、林道終点の先に一般的な登山ルートは存在しないようです。
ルートラボ。ただし2.7kmあたりから道がありません。
参考までに地理院地図も示します。中心の十字点がスタート地点。最寄りの駅はわたらせ渓谷鐡道の原向駅です。
http://maps.gsi.go.jp/#15/36.614701/139.409723/&base=std&ls=std&disp=1&lcd=airphoto&vs=c1j0l0u0f1*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*
スタートは、国道121号線上の標高571.5m地点からです。
序盤は舗装路で、民家もいくつかあります。
終点までは標高差で750mほど上ります。緩くはない配です。さすがに舗装路の登坂のようには行かず、荒れた路面も手伝って、俄かMTB乗りでしかない私としては結構、難儀します。
30分ほど走るとお約束のゲート。国有林専用林道に付き、一般車両の進入を禁止します、とのこと。関東森林管理局によるもので、施錠されています。
袈裟丸鳥獣保護区の表示。なかなかリアルなツキノワグマが描かれています。しかし長年、関東信越圏のクマ生息地帯を歩き回ってきましたが、一度も出くわしたことがありません。滅多に見られないオコジョやヤマネは見たことがあっても、です。こちらから信号を出していれば、無為な邂逅を好まないツキノワクマにはそう滅多に、出くわすものではありません。ちゃんとクマさんが遠巻きに避けてくれているんですね。
ちょっといい感じの古い橋。ここだけコンクリート舗装で、一息つきます。
続けていい感じの古い橋。
一体、誰に対してアピールしている看板なのでしょうか。かつては普通にクルマが入れたんですかねえ?または渓流釣りの人への注意喚起か。群馬県前橋営林局のもの。
結構荒れた道ですが、ここは多少マシ。
法面崩落でこの有様。東日本大震災の時の一連の法面崩落のなかの一つでしょうか。あとで地図で確認すると、、林道の終点から数百mほど手前だったようです。ここでUターン。
復路。今度は結構な下りです。調子コイて下ってコケてそのまま遭難したら大変なので、慎重に行きます。
民家のところまで下ると、水場があります。飲料水としてもイケそうです。この水をボトルにもらい、自転車の汚れを流していると、近くの民家からお年寄りが出てきました。
「自転車で上ったんか?どこまで行けた?」
「かなり奥まで行ったんですけど、崩落していて、道がふさがっていました」
「あー、そうか。崩れてそのままなんだな。。。」
「そうなんですか」
「えらい自転車だなこりゃ。電気で動くんか?」
昔はこの林道、奥までクルマで行けたのだそうです。袈裟丸山への登山道について訊きましたが、この林道からは難しいとのこと。後ほど調べると、いくつか報告が見つかりましたが、かなり難しそうなルートのようです。
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かつては奥までクルマで入ることが出来たというこの餅ヶ瀬林道ですが、もはや、廃道に向かって着々・・・というところでしょうか。渓流の美しさが印象的でした。まだ朝7時過ぎですが本日はこれで帰還。
■■ データ ■■
コース乗車率 : 往路60%
体力度 : 〇
危険度 : 〇 (落石注意)
熊よけ鈴 : 必須
※山ガイド本に倣い難易度を次のように示します。
〇1つ・・・初心者レベル/2つ・・・中級者レベル/3つ・・・上級者レベル(単独行はやめた方が無難)
評 価→★★★☆☆
年 式→2016
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春にはつつじやシャクナゲの花、秋には紅葉が美しい袈裟丸山まであと4km(2時間)の賽の河原の案内板。通常ルートで徒歩で上ると、あります(ありました)。渋い案内板ですねぇ。賽の河原、というのは、冥土に通じる三途の河原(完全に脱線)。
袈裟丸通常ルート途中の「賽の河原」案内板 2006年5月21日