購入価格: ¥6,499
標準価格: 59.99GBP ※2016年9月7日現在のレートでは¥6,093
『サドルに体重がかかりやすいアップライトな姿勢に向いているサドル。厚めのパッドが尻の負担を分散してくれる』
■ やや前上がりにポジション調整
私はクロスバイクにfabric Scoop Radius Raceを取り付けている。前々回の投稿では、サドルをやや前下がりにセットしたら快適と書いた。だが、その後のポジションの変更で、ハンドルバーを下げてステムも長くしたところ、尻が前に滑ったり、手に体重がかかって痛くなったりした。だから、現在では尻の前後位置が安定するように、サドルをやや前上がりにしている。
サドルを前上がりにすると、骨盤が後ろに傾いて上体も起きるため、サドルに体重がかかりやすくなり、ハンドルバーを握る手にかかる負担は小さくなる。このとき、パッドが薄いサドルの場合は、サドルに体重がかかると尻が痛くなりやすい。一方、Radius Raceはサドルの中央から後方にかけてパッドが厚いので、尻にかかる負担をパッドが分散してくれる。さらに、チタンレールとナイロンベースのしなりの快適性が加わるため、パッド付きインナーパンツ(レーパンのようなもの)を履かなくても走り回れる。
ハンドルの高さやステムの長さを変えて、Radius Raceのいろいろな角度を試してみたが、私の場合は上体が起きる(アップライトな姿勢になる)ほどサドルが前上がりになる傾向にあった。つまり、サドルに体重がかかるほど前上がりになり、こうすることでサドルの中央部から後方のパッドの厚みをうまく生かせる。尻の収まりもよく、骨盤が前に倒れていなければ、サドル先端の盛り上がりが尿道を圧迫しにくい。
ただ、骨盤や上体の角度に対して前上がりが大きすぎると、パッドがつぶれてベースが坐骨に当たり、サドル先端が尿道を圧迫することになる。また、サドルの前上がりが不十分だと尻の前後位置が安定せず、尻が前に滑ってパッドが最も厚い部分に尻がはまると、パッドが沈み込んで尻の位置が低くなり、ペダリングしにくくなることもある。
これまでのハンドルバーの高さでは前上がりにすべきだったかもしれないが、サドルを前下がりにしていたのは、巡航速度を上げるために肘を曲げて前傾姿勢を取っていたことが原因だ。これにはブレーキレバーの角度も関係する。現在はハンドルバーが低く遠くなったが、サドルとブレーキレバーの角度を調整することで、適度な前傾姿勢を自然に取れるようになった。
凹凸の大きな座面の形状とパッドの厚みが原因で、相変わらずポジションの調整はシビアだ。この評価は以前と同様に変わらない。結局、満足できるポジションが出るまでに1か月半くらいかかった。特に難しいのが角度だが、角度が変わると高さも微妙に変わることがあり、このことがポジションの微調整を長期化させた。
現在はサドルの先端をやや前上がりにセッティング
■ 向いている車種(乗車姿勢)
以前、Scoop Radius Eliteをロードバイクに使っていたことがある。Radius Raceとの違いはレールの材質だけだ。個人的には、Radiusはロードバイクよりもクロスバイクに向いていると感じている。アップライトな姿勢をとるクロスバイクの方がサドルに体重がかかりやすく、パッド厚みを生かして尻の負担を軽減しやすいからだ。
一方、ロードバイクはクロスバイクよりもハンドルの位置が低く、クロスバイクほどサドルに体重がかからないので、Radiusほどパッドの量を必要としない。パッドの量が多いぶんには十分な快適性が得られるが、クロスバイクほどパッドがつぶれないため、サドルがふわふわとしてペダリングにロスを感じることがあった。だから、現在はパッドを少し薄くしたScoop Shallow Eliteをロードバイクに使っている。
フィジークのスパインコンセプトEVOのように、骨盤の回転具合(傾き)や脊柱の柔軟性でサドルの形状を決めれば、Radiusでもロードバイクの乗車姿勢に対応することはできる。ロードバイクに使っても十分快適だが、同じ形状ならパッドの量を少し減らした方がペダリングしやすい。
同じような形状のサドルは他にもあるが、Radiusはパッドが柔らかく厚みもあるため、クロスバイクのようなアップライトな姿勢でサドルに体重がかかりやすい車種に向いている。Radiusのパッドの厚みによる乗り味への影響は大きく、グレード間のレールの材質の差は考慮していないが、だいたいの傾向は同じだと思う。一応、これがクロスバイクとロードバイクの両方でRadiusを使った私の結論だ。
以前は、ロードバイクにScoop Radius Eliteを使っていた
価格評価→★★★★★ (コストパフォーマンスが極めて高い)
評 価→★★★★★ (アップライトな姿勢なら特に快適)
<オプション>
年 式→2015年
カタログ重量→250g