栃木県日光市足尾町界隈の山中の銀山平から栃木と群馬の県境間近にある信仰の山、庚申山や、県境上に鎮座する皇海(すかい)山への登山口である「一の鳥居」に至る未舗装路です。かつて、庚申山に登るために2度、歩いたことがありますが、MTBで走ってみました。
ルートラボ。ただし2km付近から道がありません。
参考までに地理院地図も示します。中心の十字点がスタート地点。こちらの地図は終点まで表示されています。こういう道は地理院地図(やGARMINの登山用地図など)がわかりやすいです。
http://maps.gsi.go.jp/#15/36.654046/139.410796/&base=std&ls=std&disp=1&lcd=airphoto&vs=c1j0l0u0f1*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*
スタート地点は、銀山平公園。
国民宿舎「かじか荘」の広場に登山口を示す柱が三本。この日走った道の終点が、左側2本の山の登山道に通じています。
すぐにお約束のゲートが登場。落石危険につき車両通行禁止、です。
登山口の「一の鳥居」まで2.7kmの表示。この林道はつまり、登山口までのアプローチなのですが、こんな風に距離表示が出てきます。この類の道標は、山歩きされる方にはおなじみですね。
落石でガードレールもこの有様です。細い林道ではなく、ちゃんとGoogle Mapでも表示されるような基幹林道でも、こういうガードレールというのはよく見かけます。日本中、至る所にこの類の危険個所がそれこそ無数に存在するのでしょう。急斜面を転がってくる石の威力は凄まじいので、耳を澄ませながら通過します。(庚申川の流れも結構音がデカい・・・)
遥か眼下にあるはずの庚申川は木々に覆われて見えませんが、紅葉の時期はきれいだろうなあ。
・・・ここで落ちたら余裕で行方不明者
天狗の投石。持ち上げるには大きすぎる石が斜面に堆積しています。これは一体、どういうことなんですかねぇ?
・・・不思議。。。
さて、道の状況ですが、こぶし大の石が結構転がっていて、落ち着きのない道です。路面の起伏も併せて、フロントがあらぬ方向にとられますので、SPDで走る場合はそれなりのリカバリーや、瞬時のリリースができないと危険です。石ころも尖ったものが多いので、踏み抜かないように走行ラインを細かく選びながら進みます。結構な登坂林道ですので、一度足をつくと、再び走りはじめるのが大変なことも。MTB走行技術の欠如した私の場合、ボケーっと走っているとコケるのは時間の問題でしょう。いい歳してコケると、そのまま遭難するかもしれないので、大真面目に走ります。
一の鳥居。
ここから右に入ると登山道、異界への入り口、と言ってもいいかも知れません。行ってみたい衝動に駆られますが、グッと堪えます。大体、SIDIのMTBシューズEagle6で山歩きなんてムリだし。。。
この先、楽しいですが。。。
一の鳥居のすぐ先の「庚申七滝」が林道の終点。案内板が立派です。
この案内板、ここ5、6年のものかな?
公園に帰還して9.6kmほど、1時間40分の旅でした。それこそ、小さな旅、もいいところですが、ほんの短い時間でも、だれもいない渓流沿いの落葉樹林帯をMTBで走ると、清々します。
さて、銀山平公園ですが、近くに慰霊塔があります。
太平洋戦争の末期、中国から強制連行されてきた257名が、足尾銅山の労働に従事し、このうち109名が「殉難」したそうなのですが、この方々を慰霊するために建立されたということです。
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■■ データ ■■
コース乗車率 : 往路60%
体力度 : 〇
危険度 : 〇 (落石注意)
熊よけ鈴 : 必須
※山ガイド本に倣い難易度を次のように示します。
〇1つ・・・初心者レベル/2つ・・・中級者レベル/3つ・・・上級者レベル(単独行はやめた方が無難)
評 価→★★★☆☆
年 式→2016
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一の鳥居から登山道に入り、2.4kmほど(標高差260m)登ると、山小屋「庚申山荘」が現れます。ここから先も、それはそれは楽しいですよ!
庚申山荘、2002年10月5日
庚申山は岩山で、奇岩怪石のオンパレードです。山歩き可能なSPDシューズが欲しいところですねぇ。こういう案内板も、風情があります。
案内板、2002年8月7日
この先の皇海山で命を落とされた方の慰霊碑も。山で稀に出会う光景です。これは1962年10月に置かれた慰霊碑。
慰霊碑と傍らに咲く花、2002年8月7日