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「赤岩渡船は千代田町赤岩から利根川をはさんで向こう岸の埼玉県熊谷市葛和田を動力船で結んでいる、主要地方道(県道)熊谷・館林線上にあります。利根川広しといえども現在県道として1つしか残っていない利根川を渡る橋のない公道の1つです。そのうち主要地方道はこの赤岩渡船だけで、年間1万6千人を超える方々に利用されています。」
(群馬県千代田町HP「赤岩渡船」
http://www.town.chiyoda.gunma.jp/kensetsu/doboku/doboku002.htm より)
重量物、大量の物資の輸送などではまだ主役の舟運。
短距離、少量ではもう完全にその役目を終わってしまっているわけですけど、なんだかロマンとか風情を感じさせますよね。
え、そんなことない?もしかして自分が昔から時代劇好きだったからか?
あなパー!でチラリと書いたように、LZPT2IBさんによる矢切の渡し
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=12841&forum=124というレビューに接して密かに憧れていたわけですが、先日思いがけず渡し船を体験する機会に恵まれました。
「ためにする」渡し船の利用には若干の遠慮がありましたが、県境を越えたいという思いだけで利用してきました。
赤岩の渡しは利根川に残る数少ない渡船の一つだそうです。昔から水深のあるところだったようで、河川舟運の拠点であると同時に渡し船が長く維持されてきたところであるようです。
場所は利根大堰と刀水橋の中間地点あたり。熊谷市葛和田(旧・妻沼町)と群馬県の邑楽郡千代田町の間を流れる利根川を渡る渡船です。
入り口の部分は、埼玉県側からだとアクセスとなる坂路は何の変哲もなく分かりにくい感じです。グライダーの飛行場とサッカー場の間を抜けていく感じ。川岸にある船着き場へ向けて舗装がされているので行ってみれば分かると思いますが、調子良く堤防天端のサイクリング道をかっ飛ばしていると思わず通り過ぎてしまいかねません。えー、当初は渡ってみる気がなかったので写真無し。
群馬県側からは、後述しますが簡単に公園的な整備がされていてちょっとしたモニュメントやトイレが設置されており、また船頭小屋があるのですぐに分かると思います。
埼玉県側には船着き場しかないので、看板とプレハブ小屋の脇にある旗竿のロープを引っ張って、対岸にいる船頭さんへ向けて渡りたい旨を示す黄色い旗を揚げる必要があります。あぁ、これも写真撮っていないよ・・・
船頭さんが旗に気付き次第船を出してきます。その様子を確認したら、後で揚げ直すために旗を下ろして船着き場へ向かいます。
船は20人乗りというエンジン船。他に誰も乗っていないのでバイクは通路に倒しましたが、こういう載せ方をすると定員は精々4人。立てて支えながら乗るとしても10人は無理な感じなので、大人数での利用は迷惑になりそうですね。乗船時間は約5分。400mの川幅を、斜めに渡っていきます。それなりに暑い日でしたが、川面を渡る風は爽やか。
ビンディングシューズでの乗り降りは大丈夫?と一瞬心配になりましたが、この辺は下流の利根大堰の貯水域にあたっていて水位変化がわずかであるためか、ノンステップバス以上に段差がなく、まったく問題を感じませんでした。バイクを持ち上げる必要すらほとんどないくらい。
旗を揚げるだけで随時対応、でなんと無料。と言うのは、群馬・埼玉を結ぶ県道の扱いなんだそうです。さすがに自動車の渡しはしませんが、道路という行政サービスの一環で、県に代わって千代田町が運営しているということで無料で渡ることができるというのは驚き。有料道路ってあるの、知っている?
群馬県側の坂路は中流域河川ならでは?の玉砂利によるグラベルロードで、23Cのロードバイクでは登れませんでした。船着き場へ降りる階段まわりは、こんな感じに往時の船着き場の風情を感じさせる公園整備がされています。
見ているうちに、次の乗客からの報せを受けて船頭さんが船を出していきました。いやぁ、ご苦労さまです。
価格評価→ー(「県道」維持の一貫ということで、税金が投入されているんだよなあ)
評 価→★★★★☆(風情あり、意外と便利よし)