購入価格: ¥414 (税込)
『パーツやキャリアダボのねじ穴のタップの立て直しに便利』
■ シートクランプのボルトの破断が購入のきっかけ
私はGIANT DEFY1 DISCのシートクランプのボルトを二度も破断させたことがある。破断に関する詳細は別の機会に述べるが、ショップの話では、このクランプに関してはねじ穴のタップを立て直すことが有効な手段であるとのこと。そして、このショップで注文した予備のシートクランプの納期はまだ先だったので、今のシートクランプのタップを立て直して使うことにした。
シートクランプのボルトが破断
■ SK ねじ切中タップ メートルねじ用並目 M5×0.8とは
今後もこのような機会は多くなると考え、自分で作業することを決意。帰宅後に「SK ねじ切中タップ メートルねじ用並目 M5×0.8」を注文した。仕様の詳細は以下の通りだが、この工具を使うためには他に「タップハンドル」が必要だ。私は同じメーカーのタップハンドルと組み合わせたが、他社製品にも適合するものがあるはずだ。
サイズ: 全長66×外径5mm
用途: 金属・樹脂のめねじ切りやつぶれたねじ山の再生
材質: 合金工具鋼(SKS)
タップねじ径: M5
ピッチ: 0.8mm
下穴用ドリル径: 4.2mm
SK ねじ切中タップ メートルねじ用並目 M5×0.8
■ 自転車のさまざまなねじ穴に使用可能
ねじ切り中タップの使い方はかんたん。ねじ穴に挿入してタップハンドルを回せば、それだけでタップの立て直しができる。本来は切削油を使うようだが、今回は間に合わせで適当なオイルを使った。ねじ切り中タップを用いた作業は以下の3つだ。
なお、D-FUSEシートポスト専用シートクランプなら、ボルトの破断対策にタップの立て直しは有効な手段だが、一般的なシートクランプにこの話が当てはまるわけではない。というのは、ボルトの破断はこのシートクランプの特有の問題も絡んでいるからだ。
●DEFY1 DISCのシートクランプ
シートクランプのねじ穴にタップハンドルを締め込んでいくと、途中から手応えのある感触になり、先端の溝に削りカスがどんどんたまっていく。削りカスを除去して工具を引き抜き、さらにシートクランプのねじ穴をクリーニングしたら作業は終了だ。
作業前は締め付けトルクの適正値に近づくとボルトが急に回りにくくなり、ボルトに無理な力がかかるのが指先にも伝わってくるようだった。作業後はボルトがスムーズに挿入できるようになり、適正値付近でもボルトの回転に引っかかりを感じなくなった。実際にタップ立てを行ってみると、このシートクランプの破断対策の有効な手段であることが感覚として理解できた。
同社のタップハンドル TH-6に取り付けて使用(左)、削りカスがモリモリと出た(右)
●INTEGRATED RACK MOUNT D-FUSE SEAR CLAMP
今のシートクランプのタップ立てが失敗したときに備えて、リアラックマウントが一体化したD-FUSE専用シートクランプも手に入れておいた。このパーツは形状やねじ穴の精度が見直されているようで、元のシートクランプよりもボルトが回しやすい。念のためにタップを立て直したところ、若干感じていたボルトの回転の引っかかりがなくなり、最後までスムーズに挿入できた。
ついでに、リアラックマウントのねじ穴もタップ立て。ねじ穴にはアルマイトが乗っかっており、Bazookaのブラインドボルトが途中までしか入らなかったが、作業後にはスムーズに入るようになった。
リアラックマウントのねじ穴のアルマイトを取り除くことができた
●SEEKのキャリアダボ
Bazookaのブラインドボルトは、SEEKのキャリアダボにも取り付けている。だが、フォークエンドとリアエンドのダボ穴には塗料がたっぷりと乗っていたため、ブラインドボルトが入りきらずに取り付けを断念した。今回、タップを立て直すことで、無事取り付けることに成功した。
キャリアダボに乗った塗料がたっぷりと削れた(左)、ようやくブラインドボルトの取り付けに成功(右)
■ コスパに優れた工具
SK ねじ切中タップ メートルねじ用並目は、低価格の割にはよくできており、これといった弱点も見当たらない。M5×0.8は自転車のさまざまな部分に使われており、精度が悪いねじ穴だけでなく、塗料やアルマイトが乗ったねじ穴を整えるのにも使える。この工具である必要はないが、これを選んでもハズレになることはないと思う。
価格評価→★★★★★ (コスパに優れる)
評 価→★★★★☆ (切れ味がよく、タップの立て直しに最適)
<オプション>
年 式→ ー
カタログ重量→ ー